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教育の共同性を拓く教育的対話に関する臨床教育学的研究

定価: 5,500 (本体 5,000 円+税)
精神疾患に至った教師たちの貴重な「語り」から質的研究の三層分析スキームにより、教育的対話という教育実践概念を析出した。教育「弱者」の視座を堅持した研究。

【著者略歴】
安井 勝(やすい まさる)
1952(昭和27年) 香川県生まれ
1976(昭和51年) 香川大学教育学部 卒業
1976(昭和51年)~ 大阪府公立小学校教員
2003(平成15年) 明星大学大学院人文学研究科 博士前期課程(修士)修了
2009(平成21年) 武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科 博士後期課程(博士)修了
博士(臨床教育学)

所属学会
日本学校教育相談学会、日本教師教育学会、日本学校教育学会、日本カウンセリング学会、武庫川臨床教育学会
目次を表示します。
はじめに
序 章
 1.問題の所在
 2.研究目的と課題
第1章 現代日本の教育界がかかえる教育現場の諸問題
 第1節 教師の職務をめぐる意識と実態
  1.教職意識の変化と変遷
  2.教師教育政策と教育改革
  3.教職員の勤務の実態
 第2節 教育実践に悩む教師
  1.教育による教師受難
  2.悩みの空洞化
  3.教師の同僚性の揺らぎ
  4.混迷する教育実践と教師像
第2章 教師の精神疾患の増加と要因、その特徴
 第1節 教育ストレスと教師のバーンアウト
  1.教育ストレス
  2.教師のバーンアウト(burn out)
 第2節 教師の精神疾患
  1.教師の精神疾患の増加とその特徴
  2.「お元気ですか 心と身体の悩みの相談室」から見えてくるもの
 第3節 教師のメンタルヘルスへの対策とその問題
第3章 教育実践に悩む教師の「語り」の研究
 第1節 研究目的と対象
  1.研究目的
  2.研究対象
 第2節 研究法
  1.「語り」分析
  2.分析の枠組み
  3.研究課題
第4章 「語り」から見る教師への支援とメンタルヘルスの関係
 第1節 研究結果
  1.教育実践上の危機(苦難)に遭遇した物語世界の分析(研究1)結果
  2.ストーリー領域におけるエピソード及び反復の分析(研究2)結果
 第2節 研究結果の考察
  1.研究1の結果考察
  2.研究2の結果考察
第5章 教師支援の質に関する考察
 第1節 「語り」に見る教師支援の問題
 第2節 教師支援の質を規定するもの
  1.弱き存在としての人間
  2.教師の人間力と人間性
第6章 教師の感性を対話に生かす教育とメンタルヘルス
 第1節 教育現場で見失われつつある感性の意義
 第2節 教師の感性を対話に生かした臨床教育学的実践
  1.教師の感性に着目する臨床教育学
  2.教師の感性を生かした「臨床教育ノート」による臨床教育学的実践
 第3節 教師のメンタルヘルスと教師支援につなぐ教育的対話
  1.教育的対話へ~まなざしに向かい合う教師として~
  2.臨床教育実践から構想する教師の教育力量形成
  3.教育的対話が教師支援に果たす意義
終 章
引用文献
参考文献
あとがき
著者安井勝 著
発行年月日2010年10月31日
頁数152頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1816-8