現代イギリス地理教育の展開
『ナショナル・カリキュラム地理』改訂を起点とした考察
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はしがき
第Ⅰ章 日本におけるイギリス地理教育研究と本研究の目的
第1節 先行研究の系譜と問題の所在
第1項 地理教育カリキュラム研究
第2項 地理教材研究
第3項 地理教育実践研究
第2節 本研究の目的
第3節 本研究の構成
第Ⅱ章 『ナショナル・カリキュラム地理』変遷の分析
第1節 1995年『ナショナル・カリキュラム地理』改訂とその評価
第1項 イギリスのナショナル・カリキュラム制度
第2項 1995年『ナショナル・カリキュラム地理』改訂による構成変化
1)1991年版の構成
2)1995年版の構成
3)改訂による変化
第3項 1991年版と1995年版『ナショナル・カリキュラム地理』に対する評価
1)1991年版に対する評価
2)1995年版に対する評価
3)評価の相違の理由
第2節 地誌的内容の分析
第1項 学習すべき場所の変化
1)KS1での変化
2)KS2での変化
3)KS3での変化
4)学習すべき場所の変化に対する評価
第2項 地名・地点を掲載した付図・付表の扱い
1)1991年版での扱い
2)1995年版での扱い
3)2000年版での扱い
第3項 付図・付表で示された地誌的学習内容の変化
1)スケール別・KS別の量的変化
2)地名・地点の具体的変化
3)地名・地点選択基準の検討
第4項 カリキュラム開発過程における地誌的内容をめぐる議論
第3節 系統地理的内容の分析
第1項 学習テーマの変化
1)KS1での変化
2)KS2での変化
3)KS3での変化
第2項 環境地理的テーマの変化
1)1991年版の環境地理テーマ
2)1995年版の環境地理的テーマ
3)2000年版の環境地理的テーマ
第3項 カリキュラム開発過程における環境地理的内容をめぐる議論
第4節 技能的内容の分析
第1項 地理的技能の内容
1)「学習プログラム」における地理的技能
2)「到達目標」における地理的技能
第2項 カリキュラム構造と地理的技能
1)1991年版の構造と地理的技能
2)1995年版の構造と地理的技能
3)2000年版の構造と地理的技能
第3項 地理的探究における技能をめぐる議論
第5節 カリキュラム開発思想とカリキュラム構造
第1項 カリキュラム開発における地理教育の目標
第2項 学習対象と学習方法の総体としての『ナショナル・カリキュラム地理』
1)地理教育カリキュラムの体系
2)学習対象としての「学習プログラム」
3)学習目標を達成する方法としての「地理的探究・技能」
第3項 カリキュラム構造と開発原理の変化
第Ⅲ章 地理教材の実態
第1節 地理テキストブック研究の展開
第1項 戦後イギリスにおける地理テキストブック研究の3類型
第2項 地理テキストブック使用に関する研究の進展―1990年代―
第3項 テキストブック教育学の提唱
第4項 実践現場における地理テキストブック使用の再検証・再評価
第5項 地理テキストブック研究進展の要因
第2節 『ナショナル・カリキュラム地理』導入期における前期中等教育向け地理テキストブックの評価
第1項 『ナショナル・カリキュラム地理』導入期刊行の地理テキストブック
1)テキストブックとイギリス地理教育カリキュラム
2)書評にみる導入期の地理テキストブック
(1)各シリーズ刊行開始時(1991-1992年)の状況
(2)シリーズ完結期(1993年)における状況
第2項 『キー・ジオグラフィー』シリーズの評価
1)内容に対する批判
2)『キー・ジオグラフィー』作成者のテキストブック観
第3項 学習過程の視点からの地理テキストブック評価
第3節 初等地図学習教材『マップスタート』における系統性の分析
第1項 『マップスタート』の概要
第2項 『マップスタート』各巻の内容構成分析
1)『マップスタート1』
2)『マップスタート2』
3)『マップスタート3』
4)『マップスタート4』
第3項 『マップスタート』における地図学習の系統性
第Ⅳ章 地理授業実践の実態
第1節 初等学校における実態
第1項 「単元計画例」とカリキュラム・モデル
1)単元の学年配当分析
2)場所の構成分析
(1)スケールの分析
(2)位置の分析
(3)地誌的学習の構成原理
3)テーマの構成分析
4)他教科・領域との関連性からの分析
(1)「地理+歴史」型
(2)「地理+PSHE・市民性・環境教育」型
5)DfEE・QCAの小学校地理学習カリキュラム・モデル
第2項 調査小学校における地理授業実態
1)公立小学校の実態
(1)アペルトン・プライマリースクール
(2)ウエスト・オックスフォード・プライマリースクール
(3)ボトリー・プライマリースクール
2)私立小学校の実態―ノッティングヒル・プレパラトリースクール―
第3項 初等地理授業実践に関する知見
第2節 中等学校における実態―「持続可能な開発のための教育」に焦点をあてて―
第1項 「持続可能な開発のための教育」(ESD)における地理教育の位置
1)ナショナル・カリキュラム全体でのESD重視
2)「単元計画例」で例示されている地理のESD単元
第2項 総合制中等学校におけるESDを組み込んだ地理授業実践
1)ハムステッド中等学校の概要
2)地理科のカリキュラム
3)授業「湖水地方におけるツーリズムによる意見対立と土壌侵食」
第3項 「持続可能な開発」のための地理授業開発方法
第Ⅴ章 地理教育論の考察
第1節 地理教育振興策の考察―制度論として―
第1項 地理教育振興策の実施
1)全国土地利用調査の実施
2)地理行動週間の設定
3)地理クイズ大会の開催
4)地理教育・地理学関係者によるセミナーの開催
第2項 地理教育振興策の教育制度的背景
1)ナショナル・カリキュラム制度における地理科の位置づけ
2)1995年改訂にともなう地理科の選択教科化
3)KS4段階での履修競合問題の深刻化
第3項 地理教育振興策の組織的背景
1)地理関係団体の組織的協力
2)地理学協会の活動
第4項 地理教育振興策の展開過程における特徴
1)国際的な情報交換の実施
2)地理学と地理教育との密接な関係の構築
3)ネットワーク化された草の根組織の活動
第2節 地図に関するリテラシーの考察―技能論として―
第1項 グラフィカシーの存在
1)専門用語:グラフィカシー
2)地理教育文献目録でのグラフィカシー
第2項 グラフィカシーの創出と受容
1)バルチンらによるグラフィカシーの創出
2)グラフィカシーの受容
第3項 グラフィカシー概念の考察
第4項 グラフィカシーの展望
1)発達・認知心理学と連携した基礎理論研究の進展
2)他領域でのグラフィカシーへの注目と概念の拡大
第3節 事例地域学習「サンプル・スタディ」フ考察―教授方法論として―
第1項 イギリス地理教育でのサンプル・スタディからケース・スタディへの言い換え
1)地理教育事典・ハンドブックでの変遷
2)ハンドブックにみる両用語の関係
(1)ロング編(Long ed.,1974)『地理教師のためのハンドブック』
(2)グレーブス(Graves,1971)『中等教育における地理』
(3)ペンバートン編(Pemberton ed.,1970)『初等学校における地理』
第2項 開発当時のサンプル・スタディ概念
第3項 サンプル・スタディとケース・スタディの異同
第4項 開発された思想史的背景と授業実践
第4節 地理教育におけるポストモダンに関する議論の考察―現代地理教育思想として―
第1項 モダニズム的考察へのポストモダン的視角からの批判
1)ウォルフォードとハゲット(Wolford and Haggett,1995)の地理学・地理教育展望
2)エドワーズ(Edwards,1996)による批判
第2項 地理授業とポストモダン:モーガン(Morgan,1996)から
1)ポストモダンの思想
2)地理授業とポストモダニズム
第3項 ポストモダンをめぐる地理教育研究者の諸見解
1)現状をポストモダンととらえることに否定的な立場
2)ポストモダニズムの導入に否定的な立場
3)ポストモダニズムを導入しようとする立場
第4項 現代社会における地理教育のあり方
第Ⅵ章 結論
第1節 本研究の成果
第2節 本研究の課題
あとがき
人名索引
事項索引