博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

教師の成長と実践コミュニティ

高校教師のアイデンティティの変容

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)
従来の教師研究で看過されてきた家庭科教師の葛藤状況での成長過程を活写し、 日本の学校内外に潜在する教師主体のネットワークが果たす役割の重要性と課題を提起。

【著者略歴】
小高さほみ(こだか さほみ)
1983年 お茶の水女子大学家政学部家庭経営学科卒業
2006年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科後期課程人間発達科学専攻修了 博士(人文科学)
聖心女子大学教育学科非常勤講師を経て、
現在 秋田大学教育文化学部准教授
目次を表示します。
はじめに
第1章 教師の成長を実践において捉えるための視座
 第1節 問題の所在と本研究の目的
 第2節 教師の成長の場を捉えるための理論的枠組み
 第3節 研究方法論
第2章 研究の背景とデータ
 第1節 本研究の背景:家庭科教育とジェンダー
 第2節 データ収集
 第3節 本研究の構成
第3章 先行研究の検討
 第1節 教師の成長に関する研究:ジェンダーの課題に着目して
 第2節 学習をめぐる実践コミュニティに関する研究
第4章 家庭科教師と実践コミュニティの関係史―旧制の教育を受けた人の場合―
 第1節 ある定時制高校家庭科教師の軌跡
 第2節 男性中心の中学校への参入:裁縫科と「女の枠」からの解放
 第3節 定時制高校での男女共学家庭科の成立過程と家庭科教師としての成長
 第4節 2つの「闇のカリキュラム」成立過程と家庭科を支えた研究会の役割
 第5節 実践コミュニティが教師の成長に果す役割:Dのケース考察
第5章 「男」が家庭科教師を目指す時―揺れ動くアイデンティティ―
 第1節 高校家庭科への男性教師の参入とケースの提示
 第2節 男性と家庭科教育との関わり:家庭科を学ぶ2つの気付き
 第3節 ジェンダー化された組織での実践
 第4節 ジェンダー化された制度とせめぎ合う男性教師:南野のケース考察
第6章 実践コミュニティとしての「家庭科教員をめざす男の会」の生成と発展
 第1節 「男の会」の旗揚げから休会までの軌跡
 第2節 「男の会」の成長と特性
 第3節 制度的・心理的バリアとせめぎ合う実践コミュニティの軌跡
 第4節 「男の会」におけるアイデンティティの変容の諸相
 第5節 「男の会」の構築と役割:教師のエンパワーメント
第7章 実践コミュニティを通じての教師の成長―X高校家庭科でのフィールドワークから―
 第1節 現在の教育改革をめぐる家庭科教師の諸相とケースの提示
 第2節 Aの歩みと成長を支えるさまざまな関わり
 第3節 教科・高校の壁を越えた教育実践とAの成長
 第4節 家庭科の新たな課題とのせめぎ合い
 第5節 関係性の中での変容:Aのケース考察
第8章 教師の成長に果たした実践コミュニティの役割
 第1節 本研究の概要
 第2節 本研究の知見と意義
 第3節 今後の課題
引用文献
あとがき
著者小高さほみ 著
発行年月日2010年02月28日
頁数376頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1782-6