博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

『赤い鳥』と生活綴方教育

宮崎の児童詩と綴方

定価: 13,200 (本体 12,000 円+税)
大正から昭和初期、中央の教育理論が宮崎でどのように受容実践されたか、当時の文集や全国誌、聞き取り調査を基にした実践史。児童作品・実践記録を多数収録。
目次を表示します。
はじめに
第一章 宮崎県における『赤い鳥』児童自由詩の展開
 一 『赤い鳥』童謡からの出発
 二 『赤い鳥』における童謡の募集
  (一)最初の号に掲載された宮崎県梅北小学校
  (二)教師たちの『赤い鳥』への通信―佐土原小学校訓導「井上呉水」の投稿―
  (三)宮崎県初の綴方入選・児湯郡美々津小学校
  (四)童謡入選・高原小学校准訓導・押領司篤政
  (五)童謡から「児童自由詩」へ
 三 児童自由詩における宮崎の子どもたち
  (一)東臼杵郡東郷小学校・高森通夫
  (二)『赤い鳥』の休刊
  (三)『赤い鳥』の復刊・東臼杵郡草川小学校の活躍
  (四)自由詩欄選者の交代・東臼杵郡土々呂小学校の出現
  (五)『赤い鳥』の終焉
 四 北原白秋編『日本幼児詩集』
第二章 生活綴方の萌芽『鑑賞文選』
 一 『赤い鳥』から生活綴方へ
 二 『鑑賞文選』への投稿
  (一)宮崎県の掲載校
  (二)最初に入選した西諸県郡野尻小学校
  (三)大正時代に主流だった県西部の学校
  (四)県北部・門川小学校と土々呂小学校
第三章 宮崎県の生活綴方教師・木村寿
 一 出発期の木村寿・東臼杵郡南方小学校
  (一)自然観察の綴方
  (二)文集の発行と『鑑賞文選』
  (三)木村寿の綴方指導
  (四)綴方指導への理解と無理解
  (五)黒木道男氏と木村寿―ながく薫陶を受けた木村先生―
 二 東臼杵郡岡富小学校の文集『日の光』
 三 延岡小学校の文集『草の芽』
  (一)延岡小学校の作品
  (二)雑誌『綴方教育』に引用された作品
  (三)子どもたちが作った文集『草の芽』
  (四)文字の指導
 四 転機をもたらした千葉春雄
  (一)千葉春雄との出会い
  (二)綴方「きり」
 五 土々呂小学校の学級文集『光』
  (一)文集『光』の発行と号数の問題
   1 土々呂小学校への赴任
   2 文集『光』
   3 『光』第二十二号の問題
  (二)『ヒカリ』から『ひかり』へ―文集名の変更と文字指導―
   1 『ヒカリ』の創刊
   2 『ヒカリ』第二号
   3 『ヒカリ』第三号
   4 『ヒカリ』から『ひかり』へ
   5 木村寿の文字指導―綴方との関連―
    ①文字を絵と関連付ける
    ②絵を話にする
    ③連続絵話
    ④字話
  (三)文集『光』にみる綴方教育の理念
   1 文集名『光』の意味
   2 木村寿の綴方教育観
   3 『光』に表れた土々呂
   4 木村寿の郷土教育論
  (四)文集『光』における「調べる綴方」の展開 
   1 「調べる綴方」の始動
    ①「調べる綴方」と「調べた綴方」
    ②「調べる」ことへの誘い
    ③初めての「調べる綴方」
   2 調べる綴方の展開
    ①二年生当初の「調べる綴方」と集団制作
    ②心を調べる綴方
    ③三年生での集団制作
    ④生活を聞く
   3 木村寿の「調べる綴方」の位置
  (五)文集『ひかり』における童話指導
   1 文集『ひかり』の童話
   2 木村寿の童話観
   3 木村寿の童話指導と浜田広介の写実論
   4 お話としての童話
  (六)井伏鱒二と土々呂小学校の綴方「かばん調べ」
   1 井伏鱒二と「かばん調べ」
   2 木村寿の「調べる綴方」教育論
  (七)文集『光』における童謡の位置
   1 文集『ヒカリ』『ひかり』の中の童謡
   2 北原白秋と木村寿・「提言」問題 
   3 白秋の童謡観と「発生的なもの」の妥当性
   4 詩精神の要求
  (八)文集『光』の終焉
   1 『光』の解散
   2 頻繁な転勤
   3 佐々井秀緒の見解
第四章 宮崎県の綴方教師たち
 一 雑誌『綴方教育』における清武小学校と恒富小学校
  (一)清武小学校の指導者
  (二)恒富小学校の指導者
 二 木村寿と肩を並べた蓑部哲三―平岩小学校・美々地小学校―
  (一)平岩小学校の児童の詩
   1 百田宗治著『批評と添削 小学児童の詩』
   2 巻頭を飾った詩「かやきり」(平岩小)
   3 平岩小学校の指導者・蓑部哲三
   4 転校先で詩を書いた「根井深雪」
  (二)美々地小学校の子どもの詩
   1 蓑部哲三、美々地小学校への転勤
   2 持田ヒサ子「川」への評価
   3 美々地小学校の綴方
   4 蓑部鉄蔵(哲三)の退職
 三 若き綴方教師・佐藤実―上野小学校・押方小学校―
  (一)上野小学校での実践
   1 上野小学校への赴任・文集『芽』の発行
   2 文集『芽』
   3 綴方の指導
   4 詩の指導
  (二)押方小学校での指導  
   1 佐藤実の綴方指導法
   2 押方小学校の児童の詩・綴方
   3 短すぎた教師生活
 四 山あいの指導者・山崎梅夫―鞍岡小学校・大菅小学校・高千穂小学校―
  (一)鞍岡小学校での指導
   1 文集『土の子山の子』
   2 詩の指導―篠原(馬原)カズ子さんのお話―
   3 西山晴の綴方「牛の病気」
   4 木村寿の『土の子山の子』への評価
   5 文集『りんどう、くらおか』
  (二)大菅小学校の文集『木の子草の子』
  (三)熱血教師・山崎(今村)梅夫
  (四)高千穂小学校の児童詩・綴方
  (五)宮崎静坐会との関係
 五 教師から漁師になった今村十三郎
  (一)今村十三郎の指導―北郷小学校―
   1 二篇の詩
   2 文集『カガヤキ』―千葉春雄の賞賛―
   3 『カガヤキ』第四号
   4 『綴り方倶楽部』への執筆―方財小学校時代―
   5 漁師になった今村十三郎
 六 北郷小学校・前田彦太郎の指導―入下分校・文集『小鳥』―
 七 椎葉重人・都市部教師の苦悩―第六宮崎小学校(江平小)―
 八 阿萬祥吉・写生詩の指導―第七宮崎小学校(檍小)―
  (一)詩三篇
  (二)写生を根本に置く児童詩観
  (三)入江道雄の評価
第五章 宮崎県の綴方教育
 一 綴方教育の変遷―県西部から県北へ―
  (一)県央・県西部で盛んだった大正時代の綴方教育
  (二)県北部南方小学校の登場
  (三)逆転した県央・県西と県北
  (四)逆転の意味
 二 南方性の意識
参考文献
初出一覧
おわりに
著者菅邦男 著
発行年月日2009年07月15日
頁数500頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1749-9