「寛容性」の涵養に関する幼児教育学的考察
可視的差異に対する幼児の反応と反偏見教育的アプローチの分析
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序章
問題の背景と本研究の目的
本論文の構成
第1章 問題の所在
第1節 先行研究の概観と本研究の意義
1 国外の「差異」に対する幼児の反応に関する研究
2 国外の「差異」に対する反応への教育的援助に関する研究:米国の幼児期における多文化教育研究
3 国内の関連研究
4 本研究の意義
第2節 本研究の理論的枠組み
1 主要概念
2 方法論的枠組み
第2章 幼児教育・保育と「差異」の捉え方
第1節 幼児の可視的差異に対する反応と保育者の対応
1 拒否的反応の誘因となる差異
2 幼児の前偏見的言動と保育者の対応
第2節 「仲良し集団」へと誘導する保育者の援助の背景
1 幼稚園教育要領および保育所保育指針と「思いやり」
2 しつけの背後にある「気持ち主義」
3 「仲良し集団」の集団的特質
第3節 「差異」(多様性)を尊重する保育実践
1 「多文化教育」と「同和保育」の接点
2 幼児期の反偏見教育的アプローチ
3 同和・人権保育における反偏見教育的アプローチとアンチバイアス・アプローチの関係
第3章 幼児の前偏見的言動と反偏見教育的アプローチの実際
第1節 事例研究の対象と手続き
1 調査の対象
2 手続き
第2節 H保育所の保育の特色
1 保育カリキュラムと保育者のねらい
2 物理的環境と保育方針
第3節 可視的差異に対する前偏見的言動と仲間関係の変容
1 Yに対する他児のかかわりの特徴とその変容
2 Yの他児・保育者に対するかかわりの特徴とその変容
3 子どもの人間関係の変容と保育者のかかわり
第4節 反偏見教育的アプローチにおける保育者の教育的援助
1 Yを巡る仲間関係と保育者の年間指導計画との関係
2 保育者の教育的援助の特徴
第4章 反偏見教育的アプローチの援助方法と保育者
第1節 保育者の援助方法と自己認識にかかわる経験的出来事との関係
1 対象と手続き
2 保育観の転換を促した「出会い」と自己変革
3 同和・人権保育における自己表現・主張の捉え方
4 「振り返り」による保育者の自己認識と援助方法の関係
第2節 保育者間の援助方法の違い
1 いざこざ場面に見られる具体的援助の違い:対峙型と見守り型
2 子どもたちの成長の見通しと判断の違い
3 保育者間の「対話」の欠如
第5章 幼児期と寛容性の涵養:反偏見教育的アプローチからの示唆と課題
第1節 前偏見的言動と寛容性の涵養
1 前偏見的言動の捉え方
2 いざこざ(葛藤)時の対話につながる自己表現・主張と自己抑制
3 個と集団
第2節 保育者の課題
1 「育てられる者」としての経験
2 保育者集団の恊働文化
終章
引用・参考文献
あとがき