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演奏表現を中心とした音楽の指導内容とその学習に関する教育実践学的研究

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)
演奏表現を中心とした教育現場において、音楽の指導内容をどのように捉えることによって生徒が主体的に取り組む学習が可能になるかを教育実践学の立場から解明。

【著者略歴】
加納暁子(かのう あきこ)
1974年 兵庫県宝塚市生まれ
1997年 神戸女学院大学音楽学部音楽学科器楽(ヴァイオリン)専攻卒業
1998年 神戸女学院大学音楽専攻科修了
2000年 大阪教育大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了
2004年 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科教科教育実践学専攻修了
博士(学校教育学)
2005年 長崎大学教育学部講師
2007年 同大学准教授、現在に至る
目次を表示します。
序章
 1.問題の所在
 2.研究の目的
 3.研究の視点と方法
 4.先行研究
 5.用語の定義
第1部 音楽内容及び音楽の指導内容に関する基礎理論
第一章 芸術哲学及び音楽美学の観点からみた音楽内容
 第一節 芸術論にみる音楽内容の概観
  第一項 デューイの見解にみる芸術の構成原理
  (1)「実体substance」と「形式form」について
  (2)「実体」
  (3)「形式」
  (4)経験の原理
  (5)「実体」「形式」と経験の原理との関わり
  (6)音楽について
  第二項 S.K.ランガーの見解にみる芸術の構成原理
  (1)シンボル
  (2)芸術について
   1 「芸術としてのシンボル」と「芸術のなかにあるシンボル」
   2 芸術の形式,表現内容,統一体としての「芸術的形式」
   3 芸術的認識
   4 芸術の変動要因
  (3)音楽について
  第三項 まとめ
 第二節 音楽内容の関連性 -記号学の観点から-
  第一項 芸術記号学の概観
  第二項 「音楽記号学」について
  (1)「音楽記号学」からみた音楽における機能について
  (2)「音楽記号学」における音楽作品の構造について
   1 和声
   2 旋律
   3 リズム
   4 調性
  (3)まとめ
 第三節 音楽内容の認知過程
  第一項 感受過程
  第二項 演奏過程
  第三項 創造過程
  第四項 まとめ
 第四節 概括
第二章 音楽教育の観点からみた音楽の指導内容
 第一節 音楽の指導内容の概観
  第一項 J.L.マーセルによる音楽の指導内容の捉え方
  第二項 B.リーマーによる音楽の指導内容の捉え方
  第三項 まとめ
 第二節 音楽の指導内容の認知過程
  第一項 J.L.マーセルによる音楽の指導内容の認知過程
  (1)音楽の色彩的効果
  (2)メロディー
  (3)調性
  (4)リズム
  (5)音楽の組み立て
  第二項 B.リーマーによる音楽の指導内容の認知過程
 第三節 概括
第三章 演奏表現における音楽の指導内容
 第一節 演奏表現の概観
  第一項 小島律子氏による表現の原理
  第二項 演奏
 第二節 演奏表現における音楽の指導内容の構成
  第一項 ピアノ演奏における認知過程
  (1)「考える」-楽譜一の読み-
  (2)「弾く」-表現のためのテクニック-
  (3)「聴く」-試す-
  (4)まとめ
  第二項 認知心理学の観点からみた演奏表現における認知過程
  (1)楽譜に書かれたことを表現する
  (2)楽譜に書かれていないことを表現する
  (3)まとめ
  第三項 教育的な観点からみた演奏表現の認知過程
  (1)「作品の音楽的分析」
  (2)「自己の音楽的概念の形成」
  (3)「音楽的概念に基づいた音響化」
  (4)まとめ
  第四項 まとめ
 第三節 概括
 第1部のまとめ
第2部 演奏表現の実践事例にみる音楽の指導内容
第四章 専門教育にみる音楽の指導内容
 第一節 ヴァイオリンの個人レッスンにみる音楽の指導内容
  第一項 第一段階
  第二項 第二段階
  第三項 第三段階
  第四項 まとめ
 第二節 演奏家,アイザック・スターンによる公開レッスンにみる音楽の指導内容
  第一項 レッスン1日目
  第二項 レッスン2日目
  第三項 レッスン3日目
  第四項 レッスン4日目
  第五項 レッスン5日目
  第六項 まとめ
 第三節 概括
第五章 学校の演奏表現を中心とした実践事例にみる音楽の指導内容
 第一節 小学校における歌唱表現を対象とした授業にみる音楽の指導内容
  第一項 分析
  第二項 まとめ
 第二節 中学校における歌唱表現を対象とした授業にみる音楽の指導内容
  第一項 分析
  第二項 まとめ
 第三節 概括
 第2部のまとめ
第3部 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるためのモデル
第六章 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるための原理と授業計画
 第一節 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるための原理
  第一項 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容の捉え方
  第二項 演奏表現を中心とした授業における演奏表現を構成する過程
  第三項 まとめ -演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるための原理-
 第二節 検証授業の計画
  第一項 検証授業の方向性
  第二項 指導案と授業計画
 第三節 概括
第七章 研究授業とその分析
 第一節 知子の活動
  第一項 第一次(1時間目)
  (1)活動状況
  (2)分析
  第二項 第二次(2時間目,3時間目,4時間目)
  (1)活動状況
  (2)分析
  第三項 第三次(5時間目,6時間目,7時間目)
  (1)活動状況
  (2)分析
  第四項 第四次(8時間目,9時間目,10時間目,11時間目)
  (1)活動状況
  (2)分析
  第五項 まとめ
 第二節 知子以外の班員たちの活動
  第一項 里子の場合
  (1)活動状況
  (2)分析
  第二項 智夫の場合
  (1)活動状況
  (2)分析
  第三項 まとめ
 第三節 概括
第八章 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるためのモデル
 第一節 演奏表現を中心とした授業における音楽の指導内容を捉えるためのモデルの構築
 第二節 概括
 第3部のまとめ
終章
 第一節 研究のまとめ
 第二節 今後の課題
文献目録
参考資料
 1.フランク作曲《ヴァイオリン・ソナタ》 レッスン記録
 2.アイザック・スターン 公開レッスン記録
 3.「音と音を合わせて演奏しよう 《冬の歌》」授業記録
 4.「私たちの《第九》-私たちの訳詩を創って《第九》を歌おう-」授業記録
 5.「《越天楽》を演奏しよう-《越天楽》より《越天楽》らしく……-」授業記録
謝辞
著者加納暁子 著
発行年月日2009年01月31日
頁数414頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1724-6