はじめに
Ⅰ 研究の構想
1.研究構想の背景
(1)問題の所在
1)指導力不足教員をめぐる問題
2)校長の指導助言への期待
3)理論に裏打ちされた実践的助言
(2)先行研究の概要と課題
1)指導助言機能から
2)リーダーシップ論から
3)授業への指導助言から
2.本研究の目的と方法
(1)研究の目的
1)指導助言機能の解明
2)指導助言機能の構成要素の析出
(2)研究の方法
1)米国での授業研究の取り組み
2)事例校選定の予備調査
3)事例校の参与観察
4)アンケート調査
Ⅱ 校長の指導助言機能
1.指導助言機能のスタイル
(1)教育的(指導的)リーダーシップ
(2)リードラーナーシップ(Lead Learnership)
(3)変革的リーダーシップ
2.指導助言のあり方と可能性
(1)指導助言機能発揮の立場(ポジション)
(2)指導助言機能発揮の可能性
3.指導助言機能の意味と目的
(1)指導助言のとらえ方
(2)指導助言機能
(3)校長と同僚との指導助言機能の違い
4.校長が発揮する指導助言機能
5.校長の授業経営
(1)授業研究における校長の授業経営のあり方
1)授業研究による授業改善と学力の向上
2)学校改善を支える授業研究
(2)授業改善へ教育論,教授・学習理論,評価理論の導入
6.教師の職能発達活動の意義
(1)職能発達の概念規定
(2)職能成長,発達,開発の意義
(3)職能発達論の展望
(4)職能発達活動と校長の役割
(5)校長の指導助言機能による教師の職能発達
Ⅲ 米国における校長の指導助言機能に関する研究とその意義
1.米国における授業研究への考え方
(1)米国校長の機能
(2)米国の校内研修における校長の指導助言機能の検討
1)米国の校内研修
2)米国の校内研修の評価
3)米国校長の校内研修における指導助言機能
2.日本の授業研究へのアプローチ
(1)スティグラーとヒーバートによる日本の授業研究のとらえ方
(2)日本の授業研究を通して,スティグラーらによる米国校長への勧告
(3)日本の校内研修(授業研究など)への校長の関心
(4)ルウィスによるとらえ方
1)日本の授業改善についての解説
2)日本の授業研究タイプの把握
3)日本の授業研究についての誤解の指摘と授業研究の本質
3.授業研究における米国校長の指導助言機能
(1)米国校長の指導助言機能の方向性
(2)米国校長の指導助言機能を支えるピアコーチング(Peer Coaching)やキャリアティーチャー(Career Teacher)の活用
1)同僚による指導助言(ピアコーチング)
2)授業改善にあたるキャリアティーチャー
3)P.C研修の評価と校長の役割
(3)米国校長の校内研修(授業研究など)経営の日本への示唆
1)日本の校長の指導助言機能のこれまでの実状
2)同僚性と協働化
3)教員文化や組織文化活用による校内研修
4)漸進的,段階的な授業改善
Ⅳ 授業研究における校長の指導助言機能の分析
1.校長の指導助言機能による授業実践研究事例
(1)校長の指導助言機能による教諭としての実践研究事例
1)実践研究事例①言語学習の方法論的研究-有意味学習の意義-
2)実践研究事例②聴いて理解する能力の発達とその評価
(2)校長としての指導助言機能による実践研究事例
1)実践研究事例③教師の職能成長を支える校長の指導助言機能に関する研究-総合的学習,教科学習の授業実践力を中心に据えた授業改善の理論的考察-
2)指導助言事例④教育計画表を活用した教師への指導助言事例
2.事例校選定のための予備調査
(1)調査対象校と調査方法
(2)校長の特徴
(3)校長の指導助言のあり方
(4)A,B小学校選定の理由
(5)参与観察校の授業研究
3.公立A小学校の授業研究における校長の指導助言
(1)教科教育(算数科など)に対する校長の指導助言機能発揮の姿勢
1)研究授業と授業研究の一例(概略)
2)確かな学力の定着をはかるための校長の考え
3)授業実践事例の考察
(2)授業研究における校長の指導助言機能のあり方
(3)少人数習熟度別学習へ学習理論応用の可能性
4.公立B小学校の授業研究における校長の指導助言
(1)道徳教育の授業研究における指導助言
(2)指導助言機能による職能発達の研究方法
(3)米国の道徳教育(キャラクターエデュケーション)と授業研究からの視点
(4)B小学校の授業研究における校長の指導助言機能発揮の参与観察
1)道徳教育に対する校長の指導助言機能発揮の姿勢
2)B小学校校長の道徳教育論から教師による実践へ
3)道徳教育の授業研究における校長の指導助言機能発揮の事例
4)授業研究における校長の指導助言
(5)道徳教育における校長の指導助言機能の要素の検討
5.B県公立小・中学校長の指導助言機能による校内研修(主として授業研究)に関するアンケート調査
(1)校内研修における学校改善への校長に対するアンケート項目とその類型化
(2)調査4項目の内容とその考察
1)校内研修(主として授業研究)における,校長の指導助言機能発揮のあり方
2)校内研修において,教育論,教授・学習理論,評価理論を導入した指導助言
機能は必要か
3)低学力問題への対応策について
4)指導力不足教員への対応策について
(3)まとめ
Ⅴ 考察
1.成果
(1)校長の指導助言機能の構成要素と考えられる概念の析出
(2)教科教育における校長の指導助言機能による教師の職能発達
(3)道徳教育における校長の指導助言機能による教師の職能発達
(4)教授力量の形成への校長の支援
(5)本研究の学校教育実践への示唆
2.今後の研究課題
(1)教科教育の授業研究における校長の指導助言機能発揮の問題点
(2)教科教育の授業改善における指導助言機能構成要素の概念析出の課題
(3)道徳教育の研究課題
(4)本研究の今後の課題
主要参考文献
資料
資料1.米国研究者による授業研究のとらえ方(抄訳)
(1)James W.Stigler and James Hiebert,The Teaching Gap:Best Ideas as from the World’s Teachers for improving Education in the Classroom,THE FREE PRESS,1999
(2)Catherine C.Lewis,Lesson Study:A Handbook of Teacher-Led Instructional Change,Published by RBS Research for Better Schools,Inc.Philadelphia PA,2002
資料2.B県公立小・中学校長の指導助言機能による校内研修に関するアンケート調査(自由記述方式)
あとがき