アメリカ合衆国における学校体罰の研究
懲戒制度と規律に関する歴史的・実証的検証
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序章
第一節 研究課題の設定
第二節 本研究の方法
1.研究方法
2.本研究で用いる用語の規定
第三節 先行研究の検討
1.アメリカにおける先行研究
2.わが国における先行研究
第四節 論文構成
第一章 わが国の規律をめぐる問題の所在
序
第一節 わが国の学校体罰史
第二節 わが国の懲戒制度とその問題点
第三節 規律へ向けたわが国の教師教育の現状
小括
第二章 アメリカの規律を支えた体罰
序
第一節 西洋における体罰の痕跡
第二節 体罰禁止をめぐる世界的動向
第三節 西洋における体罰の意味
1.社会全般における体罰の意味
2.学校における体罰の意味
第四節 文化的素地から見たアメリカの体罰
1.子ども観
2.移民による開拓の歴史に伴う暴力性
3.体罰の拠り所としての宗教
4.奴隷制度・人種差別に起因する体罰
5.暴力的文化の再生産
第五節 アメリカ南部州で存続する体罰
1.南部州における体罰志向の証左
2.南部州で体罰が存続する理由
(1)プロテスタント・ファンダメンタリストの存在
(2)南部特有の社会的な機構
(3)南部州において培われたエートス
小括
第三章 学校体罰の変遷と今日的傾向
序
第一節 植民地時代以降19世紀における学校体罰
第二節 20世紀中葉における学校体罰
1.都市レベルで見た学校体罰の状況
2.州レベルで見た学校体罰の状況
3.20世紀中葉における学校体罰の特質
第三節 1970年代以降に見る各州の法制度の変遷と現状
1.体罰制限が強化された背景
2.学校体罰の行使および禁止状況
3.今日的傾向
小括
第四章 学校体罰を減少させた歴史的要因
序
第一節 教育の普及
1.教育制度を中心に
2.教育思想・教育方法を中心に
3.教員の職能と職責を中心に
第二節 社会の変容
1.訴訟の影響
2.差別の視点から
3.チャイルド・アビューズと子どもの権利の視点から
小括
第五章 オルタナティブの進展
序
第一節 生徒用ハンドブック
1.ハンドブックの変遷
(1)創成期
(2)成長期
(3)転換期
(4)成熟期
2.現代のハンドブックとその作成法
3.ハンドブックの今日的存在意義
第二節 懲戒手段
1.タイムアウト
2.早朝登校/放課後の居残り
3.学内停学
4.学外停学
5.退学
6.オルタナティブ・スクール
7.懲戒の実施状況
第三節 今日的懲戒の傾向
1.教育を重視する流れとしての学内停学
(1)学内停学をめぐる議論
(2)ニューヨーク州における停学の事例研究
(3)ヴァージニア州ロッキンガム郡で見る停学の事例研究
2.厳格さを重視する流れとしてのゼロ・トレランス
第四節 懲戒リスクの再検証
1.懲戒の原因
2.懲戒リスクの高い生徒
3.懲戒リスクの高い学校
(1)教員の生徒に対する期待
(2)生徒と学校文化との乖離
4.懲戒へ向けた示唆
小括
第六章 学校規律の意義と今日的特色
序
第一節 教室における規律の意味
第二節 成績と規律
第三節 今日的規律の方向と懲戒に求められる新たな視点
第四節 内的規律に迫る方法
1.キャラクター・エデュケーション(CE)とその効果
2.コンフリクト・リゾルーション(CR)とその効果
3.市民性教育
第五節 規律に係る教師教育
1.学部教育
2.教員研修
結語
引用文献
あとがき