博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

イギリス就学前教育・保育の研究

連合王国の詳細な実態及び現在進行中の諸改革の実態の考察

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)
連合王国の多様な就学前保育を対象として、その初期の頃の実態から、Blair政権の歴史的改革の実態までを、豊富な在外研究と資料に基づいて実証的に分析・論述した新著。

【著者略歴】
山田敏(やまだ さとし)
1934年 愛知県豊橋市に生まれる
1963年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程(教育学専攻)単位修得満期退学
1979年 信州大学教授
1985年 教育学博士(名古屋大学)
文部省在外研究員としてアメリカ、イギリスなど欧米7カ国に於て就学前教育・保育の動向調査研究に従事
1993年 日本教育学会『教育学研究』編集委員(~1995)
1996年 日本学術振興会特定国派遣研究者[イギリス]として、連合王国における幼児教育と保育の一元的提供の研究に従事
2000年 信州大学定年退官、信州大学名誉教授、椙山女学園大学大学院教授
現在 桜花学園大学大学院人間文化研究科非常勤講師、等
目次を表示します。
まえがき
序章 イギリスの就学前教育・保育の柱
  1) nursery schoolとnursery class
  2) reception class
  3) day nursery
  4) playgroup
  5) childminding
  序章 註
第1章 Playgroup(プレイグループ)
 第1節 playgroup拡大のきっかけと多様性
 第2節 playgroupへの高い需要
 第3節 playgroupの登録、運営費
 第4節 訓練コース
 第5節 Scottish PPAの誕生
  第1章 註
第2章 Childminding(チャイルドマインディング)
 第1節 Childmindingの歴史
 第2節 1970年代の5歳未満児の保育措置
 第3節 minderに対する評価の方向
 第4節 childminding を含む day care 研究の流れ
 第5節 Oxford StudyをふまえてのBruner, J.の意見
 第6節 day care政策の転換の必要性と北欧福祉国家政策への視座
  第2章 註
第3章 Day Nursery(デイナーサリー)
 第1節 20世紀に至るまでのchild careの鳥瞰
 第2節 social servicesの一環としてのchild careへ
 第3節 近年の状況
 第4節 1870年から第2次世界大戦終結までのday nurseries
 第5節 Peter MossらのCurrent Issues in Day Care for Young Children
  第3章 註
第4章 NNEBとNNEB免許状
 第1節 Nursery Nurseの養成とNNEB誕生の経過
 第2節 NNEB訓練コース、免許状試験
 第3節 NNEB免許状取得者の就職と労働環境
  第4章 註
第5章 Reception Class(リセプションクラス)
 第1節 Reception Classの過去
 第2節 白書Better SchoolsでのReception Class及び5歳未満児
 第3節 Reception Classでの経験内容についてのBAECEの調査報告
 第4節 HMIのreport First Class
  第5章 註
第6章 Preschool Education (プリスクール・エジュケイション)
 第1節 Infant school、Kindergarten、nursery schoolの誕生、 及びその推移
 第2節 Margaret McMillanの『ナーサリースクール』(1919)
 第3節 下院特別委員会のEducational Provision for the Under Fives
 第4節 教育科学省のThe Education of Children Under Five
  第6章 註
第7章 就学前児に関する歴史上のレポート
 第1節 プラット・レポート(1959)
 第2節 プラウデン・レポート(『子どもたちとその初等学校』1967)
 第3節 ホールズィー・レポート(1972)
 第4節 子どもの養子縁組:ホートン・レポート(1972)
 第5節 単親家族に関する委員会報告: ファイナー・レポート(1974)
 第6節 生活のための言語:バロック・レポート(1975)
 第7節 『将来への適合─子どもの保健サービス:コート・レポート』(1976)
 第8節 『家庭内暴力:下院特別委員会報告』(1975 and 1977)
 第9節 ウォーノック・レポート(1978)
  第7章 註
第8章 近年の注目される資料
 第1節 ILEAのレポート『ナーサリー教育─増大するニーズ』(1986)
 第2節 The Children Act 『児童法』(1989)
 第3節 Helen Pennの『イギリスの私立デイナーサリー』(1994)
 第4節 Moss P. & Penn H.の『変りつつあるナーサリー教育』(1996)
  第8章 註
第9章 “質”への注目をもたらす契機となったレポート
 第1節 ランボール・レポート(Rumbold Report, 1990)
 第2節 NCEのレポート『成功するための学習』(Learning to Succeed, 1993)
 第3節 ボール・レポート(Start Right, 1994『正しくスタートさせよ』)
  第9章 註
第10章 地域における施策、及び北アイルランドの状況
 第1節 就学前児家庭訪問制度(pre-school home-visiting)
 第2節 スコットランドでの先導的実践
 第3節 ロージアン地域でなされた就学前教育及びケアの調査レポート(1980)
 第4節 スコットランドの近年の報告書
 第5節 北アイルランドにおける’70年代及び ’80年代の就学前教育及びケア
  第10章 註
第11章 Nursery Voucher Schemeをめぐる戦い
 第1節 1995年7月6日の教育・雇用大臣のVoucher Scheme導入の発表
 第2節 Voucher Scheme導入の発表直後の反響
 第3節 Voucher Schemeで行ったナーサリー教育の「質」の検査
  第11章 註
第12章 Blair労働党政権下の改革
 第1節 最近の先導的政策
 第2節 最近の就学前教育及びケアの進展
 第3節 Blair政権下での就学前児政策上の諸問題
  第12章 註
第13章 Sure Start Project─一つの注目される先導的実践─
 第1節 Sure Startへの導入
 第2節 Sure Start誕生の経緯
 第3節 Sure Startの根底にある思想
 第4節 Sure Startの目的、具体的目的、目標
 第5節 Sure Startが地域で展開するプログラムのコア・サービス
 第6節 地方のプログラムが活動を開始する際の「鍵となる原理」
 第7節 England以外の地域でのUKのSure Start
 第8節 Sure Startプログラムのために出されたガイダンス「質の高いチャイルドケアと早期学習経験」
  第13章 註
第14章 Blair労働党政権下の改革の進展
 第1節 国民のニーズに応えるための統合化への大きなうねり
 第2節 Sure Start programmes
 第3節 Sure StartのNational Evaluation
 第4節 EEC(早期卓越センター)、NNI(近隣ナーサリー施策)、CC(児童センター)
 第5節 議会提出の教育技術省レポート(2003)に見る就学前教育・保育の近況
  第14章 註
あとがき
著者山田敏 著
発行年月日2007年11月15日
頁数374頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1647-8