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日本社会科の成立理念とカリキュラム構造

定価: 23,100 (本体 21,000 円+税)
戦後教育改革の一環として創設された社会科の学習指導要領の編成過程とカリキュラム構造の詳細な分析を通して、その特質と歴史的課題を解明した独創的研究。

【著者略歴】
木村博一(きむら ひろかず)
1958年7月 和歌山県伊都郡かつらぎ町に生まれる
1981年3月 広島大学教育学部高等学校教員養成課程卒業
1983年3月 広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程前期修了
1986年3月 広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程後期単位取得退学
1986年4月 愛知教育大学教育学部助手
1990年1月 愛知教育大学教育学部助教授
1995年4月 広島大学学校教育学部助教授
2000年4月 広島大学教育学部助教授
2001年4月 広島大学大学院教育学研究科助教授
2004年3月 博士(教育学)
2005年4月 広島大学大学院教育学研究科教授
目次を表示します。
まえがき
凡  例
序 章 本研究の目的・意義・方法
 第1節 研究主題
 第2節 本研究の意義と特質
 第3節 研究方法と本論文の構成
第1章 「昭和22年版社会科学習指導要領」の全体像
 第1節 社会科創設の積極的意義
  第1項 「昭和22年版社会科学習指導要領」を論評する二つの立場
  第2項 「昭和22年版社会科学習指導要領」に関する先行研究の検討
 第2節 社会科の理念と目標
  第1項 社会科の理念と定義
  第2項 社会科の目標
 第3節 社会科の学習方法原理
  第1項 「昭和22年版社会科学習指導要領」の学習方法原理
  第2項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の学習方法原理
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の学習方法原理
第2章 「昭和22年版社会科学習指導要領」のカリキュラムの全体構成
 第1節 社会科とコア・カリキュラム
 第2節 小・中・高一貫のカリキュラム構成
  第1項 小・中・高一貫の総合社会科カリキュラム
  第2項 カリキュラムの構築を契機とする社会科の成立
 第3節 社会科の単元構成原理
  第1項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の単元構成原理
  第2項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の単元構成原理
第3章 「昭和22年版社会科学習指導要領」のモデルとされたアメリカ各州
     のカリキュラムの分析的検討
 第1節 ヴァージニア・プランの特質と全体像
  第1項 ヴァージニア・プランの全体像
  第2項 初等学校用ヴァージニア・プランの分析的検討
  第3項 中等学校用ヴァージニア・プランの分析的検討
  第4項 ヴァージニア・プランの特質とカリキュラム構造
 第2節 ミズーリ・プランの特質と全体像
  第1項 ミズーリ・プランの全体像
  第2項 初等学校用ミズーリ・プランの分析的検討
  第3項 中等学校用ミズーリ・プランの分析的検討
第4章 「昭和22年版社会科学習指導要領」の編成過程
      ―各学年のカリキュラム編成を中心として―
 第1節 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』のカリキュラム編成
  第1項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』のモデルとして
      ヴァージニア・プランが選ばれた経緯
  第2項 ヴァージニア・プランの翻訳と部分的修正による
      『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』のカリキュラム編成
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』のカリキュラム編成原理
 第2節 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』のカリキュラム編成
  第1項 CIE文書から見た『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の
      カリキュラム編成過程
  第2項 中等学校用ヴァージニア・プランにもとづくカリキュラム編成
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』へのミズーリ・プラン
      からの影響
  第4項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の編集に向けての
      CIE教育課の基本方針
  第5項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』のカリキュラム編成原理
第5章 「昭和22年版社会科学習指導要領」の総合社会科
    カリキュラムとしての特質
    ―単元構成に見る社会科学習内容の「総合」と「分化」―
 第1節 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の単元の諸様相
  第1項 小学校社会科の統合理念
       ―「いわゆる学問の系統によらず」―
  第2項 小学校社会科の統合理念の具体像
       ―『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』編集委員の社会科教育論―
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の単元構成における統合社会科の実像
       ―単元の分担執筆による理念の混在―
  第4項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の単元構成原理
 第2節 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の単元の諸様相
  第1項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の単元構成過程
  第2項 ヴァージニア・プランの翻案による単元構成
  第3項 中等社会科の単元構成理念の模索
  第4項 地理・歴史・公民の内容を軸とした単元構成
  第5項 『中等学校・青年学校 公民教師用書(正・続)』に依拠した
      単元構成
  第6項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の単元構成原理
 第3節 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の「附 作業単元の例」
     に示された単元構成の原理と特質
  第1項 「附 作業単元の例」に示された3つの単元例
  第2項 「附 作業単元の例」が添付された経緯と初等教育研究協議会の役割
  第3項 ヘレン・ヘファナンの社会科教育論とカリキュラム論
  第4項 「附 作業単元の例」の構成原理とカリフォルニア・プランからの影響
第6章 「民主主義」を教えるカリキュラムとしての「昭和22年
    版社会科学習指導要領」の戦後日本的特質
     ―社会科教育における戦前からの「連続」と「断絶」―
 第1節 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の単元における「民主主義」と「道徳」の扱い
  第1項 社会科単元における修身教育内容の残存
  第2項 ハークネスの助言による『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の修正
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』における民主主義教育の論理
 第2節 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の単元における「民主主義」と「国家」の扱い
  第1項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』における「個人」と「社会」
  第2項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』における「民主主義」と「国家」
  第3項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』における「民主主義」教育の論理
第7章 「昭和22年版社会科学習指導要領」の学力構造と理論構成
 第1節 「昭和22年版社会科学習指導要領」の学力構造と初期社会科批判
  第1項 「学力低下」を論拠とした初期社会科批判の展開
  第2項 ヴァージニア・プランの学力構造と初期社会科批判
  第3項 ミズーリ・プランの学力構造と初期社会科批判
  第4項 諸刃の剣の役割を果たした「昭和22年版社会科学習指導要領」
 第2節 カリキュラム構成と理論構成の相剋
  第1項 教育用語の翻訳と概念把握の困難さ
  第2項 「昭和22年版社会科学習指導要領」の理論構成過程
終 章 昭和22年版社会科カリキュラムの到達点と歴史的評価
 第1節 「昭和22年版社会科学習指導要領」の戦後日本的特質と歴史的評価
  第1項 『学習指導要領社会科編Ⅰ(試案)』の戦後日本的特質と歴史的評価
  第2項 『学習指導要領社会科編Ⅱ(試案)』の戦後日本的特質と歴史的評価
  第3項 「昭和22年版社会科学習指導要領」が切り開いた戦後社会科の方向性
 第2節 今後の課題と展望

付 録 資料及び主要参考文献
    我が国における社会科カリキュラム成立史年表

あとがき
著者木村博一 著
発行年月日2006年12月15日
頁数652頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1603-2