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明治中等音楽教員の研究

『田舎教師』とその時代

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)

明治以来、西洋音楽を教え広め、現在は減員と和楽器必修化に揺れる音楽教員たち。音楽史の近代の終焉を感じつつ、明治の音楽教員を逆説的に問う。

【著者略歴】
坂本麻実子(さかもと まみこ)
1955年 東京都に生まれる
1979年 桐朋学園大学音楽学部作曲理論学科音楽学専攻課程卒業
1983年 お茶の水女子大学大学院人文科学研究科(修士課程)舞踊教育学専攻修了
1989年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)比較文化学専攻単位取得退学、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科助手
1996年 富山大学教育学部助教授
2002年 お茶の水女子大学より博士(人文科学)授与
2003年 富山大学教育学部教授
2005年 富山大学人間発達科学部教授、現在に至る
目次を表示します。
まえがき
序章 明治中等音楽教員研究と『田舎教師』
  1 『田舎教師』という視点
  2 代用教員の鬱屈
  3 東京音楽学校一音楽界への登龍門
  4 オルガンとピアノ、2つの道
  5 西洋音楽とパンの両立をめぐって
  6 本研究の構成
第1章 中等音楽教員への道
  1 『田舎教師』のモデルの東京音楽学校受験
  2 受験生たちの動向
  3 中等音楽教員になる5つの方法
    1東京音楽学校甲種師範科を卒業する
    2東京音楽学校本科を卒業する
    3中等音楽教員検定試験に合格する
    4東京女子高等師範学校を卒業する
    5無免許教員になる
  4 『田舎教師』のモデルの場合
第2章 東京音楽学校の学歴取得競争
  1 東京音楽学校生徒たちのサバイバルレース
  2 予科・本科の状況
  3 甲種師範科の状況
  4 乙種師範科の状況
  5 選科の状況
  6 中等音楽教員養成の意義
第3章 東京女子高等師範学校の音楽教員養成機能
  1 東京女子高等師範学校と音楽教育の変遷
  2 東京女子高等師範学校における音楽科教員免許状取得状況
  3 音楽を担当した東京女子高等師範学校出身の教員たち
  4 女子校の特性としての音楽教員養成機能
第4章 女性音楽教員たちの背景
  1 稽古事の伝統と変容
  2 稽古事の歴史的背景
  3 稽古事に励む女学生 1東京の場合
  4 稽古事に励む女学生 2地方の場合
  5 女学生の進学 1東京音楽学校
  6 女学生の進学 2東京女子高等師範学校
  7 西洋音楽の指導者に向かって
第5章 職業としての中等音楽教員
 第1節 明治中等音楽教員の配置調査について
  1 東京音楽学校卒業生の就職
  2 中等音楽教員たち一明治34年の事例
  3 中等音楽教員の配置調査の意義
 第2節 師範学校の音楽教員
  1 音楽教育のモデル校としての師範学校
  2 音楽取調掛と師範学校の音楽教員
  3 東京音楽学校と師範学校の音楽教員
  4 東京音楽学校卒以外の師範学校の音楽教員
 第3節 公立高等女学校の音楽教員
  1 名物先生
  2 高等女学校の制度化と音楽教育
  3 東京音楽学校卒の音楽教員の配置
  4 音楽教員確保の難しさ
 第4節 音楽科夏季講習会と音楽教育会
結尾 中等音楽教員というステータス
付論 明治青年の立志と西洋音楽ー『田舎教師』のモデルの日記を読むー
  1 熊谷中学5年生一明治34年春
  2 弥勒高等小学校一明治34年夏
  3 唱歌とオルガンの日々一明治34年秋
  4 からっ風街道哀歓一明治34年冬
  5 未完の志一明治37年初夏
  6 「唱歌の先生」の面目


資料集(資料1~6)
参考文献
あとがき
索  引
著者坂本麻実子 著
発行年月日2006年12月25日
頁数336頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1576-1