夏目漱石『心』論
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凡例
第一章 本研究の概要
第一節 問題の所在
第二節 各章の要旨
第二章 作品論の歴史的展開
第一節 研究史の概要
第二節 先生の評価論
第三節 先生論からの脱皮
第四節 テクスト論を巡る評価
第三章 構造論の到達点と課題
第一節 構造研究と構造破綻の理解
第二節 時間論の登場
第三節 物語の世界と執筆の時間
第四節 人称の問題
第五節 未執筆情報の発見
第四章 作品構成上の諸問題
第一節 先生相対化の困難
第二節 複数の一人称体
第三節 重複する奥さん
第四節 静理解の差異
第五章 登場人物年齢の確定
第一節 年齢規定の意義
第二節 青年をめぐる時間
第三節 先生をめぐる時間
第六章 青年の過去回顧的意識
第一節 青年の〈若さ〉
第二節 〈若い〉の用例
第三節 明滅可能な青年の〈若さ〉
第一項 「傷ましい先生」を見据えた「若い血」
第二項 「不思議」で「近づかなければ居られない」という「直覚」
第三項 「温かい交際」と「同情の糸」
第四項 「美くしい」奥さん
第五項 「偉く見えた」先生
第四節 青年の立脚点
第七章 青年の自己認識と記述法
第一節 先生への接近
第二節 故郷との葛藤
第一項 父の位相
(一)異文化間の葛藤
(二)故郷の父と東京の先生
(三)回想される二度の帰省
(四)評価される父
第二項 兄の問題
第三節 情報提示の方法
第一項 作品内の時間と執筆時の時間
第二項 設定の提示
第三項 出会いと謎
第四項 引き出される過去
第八章 遺書の意識構造
第一節 批判と他の物語の想起
第二節 復元範囲と矛盾の処理
第三節 遺書読解の前提
第九章 先生の認識と回顧
第一節 御嬢さんへの視線
第一項 執筆時点における認識
第二項 日常生活の観察
第三項 異性としての認識
第四項 文化の差異
第二節 Kとの対話
第三節 過去の評価と対処
第一項 先生の様相
第二項 退却への視座
第三項 青年との関係
第四項 脚色と演出
参考文献一覧
初出一覧
索引
Abstract