ミューズ教育思想史の研究
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序章 研究の目的と方法
序章の概要
第1節 研究の目的と問題の所在
1 研究の動機-美術教育からミューズ教育へ
2 研究の目的としてのミューズ教育思想史の研究
3 問題の所在としての人間疎外の状況
4 現代生活の一般的傾向とミューズ教育
第2節 先行研究について.
1 ドイツにおける先行研究の概要と問題点
2 我が国における先行研究の概要と問題点
第3節 研究の方法について
1 先行研究における方法上の問題点
2 思想史研究について
3 ローティの「哲学史の記述法」としての「歴史的再構成」
4 ローティの「合理的再構成」と「歴史的再構成」
第4節 本論文の内容と構成
1 本論文の内容
2 本論文の構成
第1章 ミューズ教育思想の成立
第1章の概要
第1節 「ミューズ的」の概念
1 概念規定の方法
2 ミューズ、ムゥシケー、ミューズ的.
3 「ミューズたち的(musenhaft)」と「ミューズ的(musisch)」
4 史上最初の「ミューズ的」H・ハルレスの「ミューズ的芸術」
5 「ミューズ的」ないし「ミューズたち的」と「芸術的(künstlerisch)」
6 「ミューズ的」と「音楽的(musikalisch)」
7 最広義の「芸術的」としての「ミューズ的」
8 「ムーゼ(Muse)」と「ムーセ(Muße)」及び遊戯
9 美的-倫理的価値概念としての「ミューズ的」
第2節 ミューズ教育思想の成立
1 芸術教育運動とミューズ教育
2 ラングベーンの「ミューズ的著作」
3 A リヒトヴァルクと「ミューズ的教養」
4 芸術教育と「ミューズ的四学」
5 青年運動と「ミューズ的表現」
6 青年音楽運動、素人演劇運動とミューズ教育
7 表現主義とミューズ教育
8 ミューズ教育思想からシラーの美的教育論へ
第2章 ミューズ教育思想の歴史
第2章の概要
第1節 1920年代のミューズ教育思想
1 本節の意図と方法
2 1920年代以前における「ミューズ的芸術」と「ミューズ教育」
3 1920年代前半のミューズ教育思想
4 1920年代後半のミューズ教育思想(E・クリークとH・フライア)
5 1929年でのミューズ教育的言説
6 時代批判 文化批判とミューズ教育思想
第2節 1930年代前半のミューズ教育思想
1 本節の意図と方法
2 1930年代初頭のミューズ教育思想
3 1930年代初頭のミューズ的美術教育思想
4 1934年での「ミューズ的なものの使命」
5 「ナチズム的美術教育学は存在したか?」
6 ナチス期でのW・キルヒャー著『ミューズ的国民教育』
第3節 戦後早期のミューズ教育思想
1 本節の意図と方法
2 1949年3月カルブでのミューズ教育大会について
3 カルブ大会でのミューズ教育思想
4 ミューズ的なものの「限界と特殊な危険」
5 1949年11/12月フルダでの芸術教育会議
第4節 1950年代及び60年代以降のミューズ教育思想
1 本節の意図と方法
2 ハーゼの(「ミューズ的生」と「教養」)
3 ミューズ教育と宗教との関係問題をめぐつて
4 50年代ミューズ教育論の深化
5 50年代末でのミューズ教育への現実主義からの批判
6 60年代以降でのミューズ教育からの現実主義への対抗
7 70年代でのミューズ教育研究
8 80年代以降でのミューズ教育の位置
第3章 ミューズ教育論議の具体相(戦前)
第3章の概要
第1節 W・フリットナーのミューズ教育論
1 本節の意図と方法
2 フリットナーの経歴と業績
3 フリットナー教育学の基本的特質
4 フリットナーのミューズ教育論
5 フリットナーの「ミューズ的」の概念について
6 クリークのミューズ教育論との比較
第2節 F・ヴュル7エルのミューズ教育論
1 本節の意図と方法.
2 ヴェルフェルの経歴について
3 『現実主義と内面性』から.
4 『我々は神への信仰なしで生きられるか』から
5 表現主義及びヴエルフェルヘの諸批判について
6 「内面性」の問題について
7 美的共同体の問題について
8 E・クリーク及びW・フリットナーのミューズ教育論との比較
第3節 J・イッテンのミューズ的美術教育の実践と理論
1 本節の意図と方法
2 イッテンの経歴と教育目的
3 シラーの美的教育論とイッテンの全体性教育
4 イッテンの教育方法
5 ミューズ教育とイッテンの教育
6 イッテンの美術教育:合理と非合理のはぎま
7 「普遍性要求」に基づく「全き人間」の教育
8 バウハウス内部でのイッテン批判から
9 イッテンのミューズ的人間教育
第4章 ミューズ教育論議の具体相(戦後)
第4章の概要
第1節 O・ハーゼのミューズ教育論
1 本節の意図と方法
2 ハーゼの経歴について
3 倫理的実存としての良風美俗の再生
4 ミューズ的なものの諸性質
5 ミューズ的なものの心理学的な意味
6 ミューズ的なものの敵対者
7 ミューズ的生の根本法則
8 ミューズ的四学と良風美俗の学校
9 ミューズ運動の歴史
10 ミューズ的なものの限界
11 シラーの美的教育論とハーゼ
12 ハーゼの現象学的方法
第2節 O・ハーゼへのG・オットーからの批判
1 本節の意図と方法
2 オットーの経歴について
3 ミューズ教育の成果の検証不可能性から
4 芸術の媒体化・手段化の危険から
5 現代の社会・文化への適応準備の不足から
6 知性化の必要から
7 Th・リットの調和主義批判から
8 オットーの構想の経済的―社会的文脈
9 オットーの構想における芸術の簡約化 縮減化
10 人間形成としてのミューズ教育
第3節 アドルノによるミューズ教育批判
1 本節の意図と方法
2 疎外・物象化の克服の不可能性について
3 芸術の手段化の危険視について
4 ファシズムとの共通点について
第5章 英語圏におけるミューズ教育思想
第五5の概要
第1節 リードの美的教育論とドイツのミューズ教育思想
1 本節の意図と方法
2 時代批判 文化文明批判
3 遊戯への注目
4 表現主義との関連
5 ムゥシケ一による教育
6 生命援助としての教育
第2節 ローウェンフェルドのミューズ教育論
1 本節の意図と方法
2 文献について
3 ローウェンフェルドのミューズ教育論
4 ドイツ的-オーストリア的背景
5 文化批判的な教育意識
6 補遺―ローウェンフェルド思想の独文表現と英文表現
第6章 シラーの美的教育論とミューズ教育思想
第6章の概要
第1節 人間教育かつ政治教育としての美的教育
1 人間の自由 全体性の教育
2 美的―政治的教育
第2節 ミューズ教育思想におけるシラー理論の受容
1 H・ハルレス「芸術的感覚の陶冶」とシラー
2 A・リヒトヴァルク「倫理的革新の呼掛け」とシラー
3 E・ザルヴュルク「全き人間の形成」とシラー
4 F・ヴェルフェル 「ミューズ的人間」とシラー
5 W・フリットナー「ミューズ的教養」 「政治の問題」とシラー
6 O・ハーゼ「ミューズ的なものと政治教育」とシラー
7 F・メサァシュミット「政治的陶冶とミューズ的陶冶」とシラー
第3節 シラー理論とシラー批判について
1 シラー理論の骨格とその時代批判的意味
2 シラー批判について(1)
3 シラー批判について(2)
第4節 シラー理論の評価
1 マルクーゼによるシラー理論の解釈
2 ハーバーマスによるシラー理論の解釈
第5節 シラー理論のミューズ教育思想への関連付け
終章 研究の成果と課題
終章の概要
第1節 本研究論文の成果
1 ミューズ教育思想史の全体像
2 シラーの美的教育論とミューズ教育思想との関連
3 ミューズ教育思想における諸概念とその構造的関係
第2節 今後の研究課題
1 「歴史的再構成」
2 (ミューズ的なもの)の現象学
3 ミューズ教育実践史の研究