博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

明治後期幼稚園保育の展開過程

東基吉の保育論を中心に

定価: 9,350 (本体 8,500 円+税)

明治後期の幼稚園保育の成立・展開過程の多面的分析を踏まえ、我が国独自の保育のあり方を理論的実践的に探究した東基吉の保育論の特質と歴史的意義を検討した書。

【著者略歴】
柿岡玲子(かきおか れいこ)
1976年 安田女子短期大学保育科卒業
1976-1983年 広島市立安幼稚園教諭
1997年 安田女子大学児童教育学科卒業
1999年 安田女子大学大学院文学研究科博士前期課程(教育学専攻)修了
2002年 安田女子大学大学院文学研究科博士後期課程(教育学専攻)修了
安田女子大学より博士(文学)の学位授与
現在 安田女子短期大学保育科 専任講師
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章
  1.研究の課題と方法
  2.研究の構成
第1章 幼稚園保育の成立―東京女子師範学校附属幼稚園を中心に―
 第1節 幼稚園保育組織化に向けて
  1.幼稚園創設とその意義
  2.創設期の保育と保育研究会
 第2節 保育関連法規の整備
  1.「幼稚園保育及設備規程」の制定
  2.「小学校令」における幼稚園の位置
  3.私立幼稚園の急増
  4.保育課程の改正―恩物からの脱却―
 第3節 保育制度上の保母の位置
  1.保母の位置とその役割
  2.保母養成機関の歩み
第2章 幼稚園保育の展開―理論と実践―
 第1節 幼稚園保育雑誌創刊の意義と役割
  1.『児童研究』における幼稚園保育論
  2.『京阪神聯合保育曾雑誌』における幼稚園保育論
  3.『婦人と子ども』における幼稚園保育論
  4.「J.K.U年次報告書」における幼稚園保育論
 第2節 保育実践の新しい展開
  1.女子高等師範学校附属幼稚園分室報告を通して
  2.教生の手記を通して
  3.廣島英和女學校附属幼稚園の保育実践を通して
 第3節 明治後期幼稚園保育の展開と課題
  1.明治後期の社会的背景
  2.明治後期の幼稚園保育展開と課題
第3章 東基吉の幼稚園論
 第1節 家庭の役割とその意義
  1.二つの幼稚園批判
  2.家庭教育の役割とその意義
 第2節 集団保育の意義
  1.幼稚園と家庭の関連
  2.集団保育の意義と残された課題
第4章 東基吉の手技論・遊戯論
 第1節 手技論の成立と展開
  1.フレーベルの幼児教育思想の受容から
  2.恩物指導の批判を通して
  3.保育4項目における「手技」の位置づけへ
 第2節 遊戯論の形成と展開
  1.「遊戯」による保育の芽生え
  2.自己活動と個性の伸長
  3.保育における遊戯指導の実際
 第3節 遊戯論の特質
  1.共同遊戯・随意遊戯の区分から
  2.運動的遊戯・静止的遊戯・動作遊戯への区分転換
  3.園庭を利用した保育活動
第5章 東基吉の談話論・唱歌論
 第1節 談話論展開の背景
  1.児童文学研究の芽生え
  2.幼稚園における「談話」の変遷
  3.談話の価値とそのあり方
  4.望ましい談話―幼児のためのお話―
 第2節 翻案談話の特質
  1.翻案談話の分析と検討
  2.幼児にわかるお話づくり―翻案と完訳の比較から―
  3.翻案談話の傾向
 第3節 唱歌論展開の背景
  1.学制頒布と唱歌教育
  2.『小學唱歌集』の編纂
  3.唱歌教科書の編纂
  4.幼稚園における唱歌の変遷
 第4節 言文一致の唱歌づくり
  1.唱歌の価値と指導のあり方
  2.幼児の興味に適した唱歌づくり
  3.「言文一致」の『幼稚園唱歌』
 第5節『幼稚園唱歌』の特質
  1.『幼稚園唱歌』の考察
  2.唱歌遊びの実際
終章 幼稚園保育の展開と東基吉の保育論
 第1節 子ども中心の保育を目指して
  1.東基吉の保育論
  2.和田實の保育論
  3.倉橋惣三の保育論
 第2節 東基吉保育論の特色と意義
  1.保育者の専門性
  2.望ましい保育者像
  3.東基吉の保育論の歴史的意義
引用・参考文献
あとがき
著者柿岡玲子 著
発行年月日2005年09月30日
頁数270頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1512-9