博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

子どもの英語学習

習得過程のプロトタイプ

定価: 4,180 (本体 3,800 円+税)
日本の子どもがネイティブに混じると英語をどう学ぶのか。英語のルールを自分で見つけだしていく過程をデータをもとに紹介。日本語の影響を受けて、誤ったルールを見出したり、また、それを克服してからはネイティブと同じような間違いもしたりする。しかしいずれは間違いに気づき、次第に正しいルールに直していく。これからの英語教育に役立つ指針とアイデアがいっぱい。日本人の英語学習を考える出発点となる書。

【著者略歴】
山本麻子
前橋市出身。津田塾大学英文科卒業。お茶の水女子大学修士課程修了。1979年に渡米し、1981年ボストン大学教育学部大学院TESOLコース修了。成蹊大学、恵泉女学園短期大学などで英語を教える。1986年より在英。1992年レディング大学言語学科でPh.Dを取得。その後言語学科で研究員をする一方、学部学生に言語学の基礎を教える。また、教育学部等で講師などをつとめる。
現在、同大学リサーチフェロー
目次を表示します。
第1章 日本人と英語学習
本書の目的/研究の動機/日本語影響仮説/日本語と英語の言語的な差異/習得の傾向と個人差
第2章 英語発話データ
観察児童の選択/データ収集/データの書き起こし/発話の分類/観察の基準と用語の説明
第3章 英語の発達の概要
発話の数とその種類/発話の長さ
第4章 英語発話の型の発達
英国人児童の英語発話の発達/日本人児童の英語発話の発達/日本人児童と英国人児童の相違点
第5章 初期の英語の語結合
英国人児童と日本人自動の初期の語結合の比較/日本語からの影響/日本人児童特有の英語発話/日本人児童のVOやVAの語結合の発達
第6章 動詞の発達
動詞の重要性/日本人児童の動詞使用の遅れとその理由/日本人児童の動詞の使用の実際
第7章 動詞の形態素の発達
動詞の形態素とその発達概要/日本人児童の-ing形の発達/日本人児童の動詞の過去形の発達/日本人児童の三人称単数現在形の-sの発達/日本人児童と英米児の比較
第8章 否定文の発達
否定文とその発達概要/日本人児童の否定文の発達/日本人児童と英米児の比較
第9章 疑問文の発達
疑問文とその発達概要/日本人児童の疑問文の発達/日本人児童と英米児の比較
第10章 その他の形態素の発達
所有格の's、複数の-s、冠詞のaとtheとその発達概要/日本人児童の所有を示す'sの発達/日本人児童の所有を示す-sの発達/日本人児童の冠詞のaとtheの発達/日本人児童と英米児の比較
第11章 前置詞の発達
前置詞とその発達概要/日本人児童の前置詞の発達/日本人児童と英米児の比較
第12章 法の助動詞の発達
法の助動詞とその発達概要/日本人児童の法の助動詞の発達/日本人児童と英米児の比較
第13章 接続詞の発達
接続詞とその発達概要/日本人児童の接続詞の発達/日本人児童と英米児の比較
第14章 英語習得過程の概略と初期言語方略
発達の概略―いつ頃何が起こったか/英語習得の初期に児童達が使った言語方略/D児の「歯擦音付加」の現象
第15章 結論と今後の課題
日本語影響仮説の検証/習得における個人差/課題と展望 
著者山本麻子 著
発行年月日2005年04月30日
頁数256頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1507-5