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学校音楽教育とヘルバルト主義

明治期における唱歌教材の構成理念にみる影響を中心に

定価: 10,450 (本体 9,500 円+税)
明治期に導入されたヘルバルト主義が、わが国の学校音楽教育において如何に受容され、とりわけ音楽教材の構成理念に如何なる影響を及ぼしたのかを詳細に論述。

【著者略歴】
杉田政夫(すぎた まさお)
1971年生まれ
広島大学大学院教育学研究科博士課程修了
博士(教育学)
福島大学人間発達文化学類助教授(音楽科教育)
目次を表示します。
序章 研究の主題と方法                      
 第一節 研究主題
 第二節 教材の分析視角
 第三節 ヘルパルト主義の教育理念
 第四節 研究の方法、及び構成
 第五節 先行研究の検討
第一章 わが国におけるヘルパルト主義受容以前の学校音楽
 第一節 伊澤修二の教育思想と音楽的素養
 第二節 『小学唱歌集』の検討
  一、『小学唱歌集』の分析
  二、『小学唱歌集』にみる伊澤の音楽観
 第三節 『小学唱歌』の検討
  一、『小学唱歌』の作成事情
  二、『小学唱歌』の分析
 第四節 伊澤の音楽教材観の特質
  一、『小学唱歌集』と『小学唱歌』の比較 
  二、伊澤の音楽教材観  
  三、補論  
 第五節 『音楽指南』にみる唱歌教育論
第二章 ドイツ・ヘルパルト主義における学校音楽教育
 第一節 ヘルパルトの音楽的周辺
 第二節 ヘルパルト主義における音楽教育の位置づけ
  一、ツィラー 
  二、ライン  
 第三節 ヘルパルト主義の教育理論、及び教材論
  一、文化史段階説 
  二、中心統合  
  三、形式的段階 
 第四節 ラインの音楽教育論
  一、目的論
  二、教材論
  三、教授法
 第五節 ヘルパルト主義に基づく学校音楽教材
  一、ラインの音楽教材の分析  
 二、ラインの音楽教材観の特質
第三章 わが国の学校音楽におけるヘルバルト主義の受容
 第一節 音楽科教育におけるヘルバルト主義の受容
  一、ハウスクネヒトによるヘルバルト主義の導入
  二、わが国の唱歌教育法制度とヘルバルト主義
  三、谷本富の唱歌教育論 
 第二節 東京高等師範学校におけるヘルバルト主義の導入
 第三節 明治ヘルバルト主義における音楽教育の位置づけ
  一、小学校教授法書における唱歌教育論
  二、森岡常蔵の『各科教授法精義』
 第四節 唱歌科教授法書の検討
  一、明治二十年代の唱歌科教授法書
  二、明治三十年代の唱歌科教授法書
第四章 田村虎蔵の音楽教材観にみるヘルバルト主義
 第一節 田村虎蔵の音楽教育論
  一、唱歌教育の目的論
  二、唱歌教育と美感養成 
  三、唱歌教材論
  四、教授法
 第二節 『教科通用幼年唱歌』の検討
  一、田村の唱歌教材
  二、『幼年唱歌』作成の背景 
  三、『幼年唱歌』の分析
 第三節 田村の音楽教材観の特質とヘルバルト主義
  一、『小学唱歌集』との比較
  二、『幼年唱歌』にみる田村の音楽教材観
第五章 学校音楽教育におけるヘルバルト主義の定着
 第一節 文部省編『尋常小学唱歌』にみるヘルバルト主義
  一、『尋常小学唱歌』の分析
  二、『尋常小学唱歌』におけるヘルバルト主義の影響
 第二節 田村虎蔵の『尋常小学唱歌』批判
  一、批判の概要 
  二、批判の論点とヘルバルト主義
 第三節 明治末期の唱歌科教授法書にみるヘルバルト主義
  一、大槻貞一の『如何に唱歌を教ふべきか』
  二、山本正夫の『唱歌教授法通論』
終章 わが国の学校音楽教育とヘルバルト主義
  一、 明治期の学校音楽教育におけるヘルバルト主義の影響
  二、わが国の学校音楽教材の構成理念とヘルバルト主義
  三、ヘルバルト主義受容の日本的傾向と今日的課題
補章 音楽カリキュラムの再構成にむけて
 第一節 カリキュラムの定義
 第二節 カリキュラム研究の動向
 第三節 音楽教育実践者主体のカリキュラム開発の視座
  一、音楽カリキュラムの文化的可能性
  二、音楽カリキュラムの方向性 
 第四節 新たな音楽カリキュラム構成にむけた若干の指針
  一、「ポピュラー音楽」教育というアポリア
  二、 日本伝統音楽と諸民族の音楽
史料、及び引用・参考文献
おわりに 
著者杉田政夫 著
発行年月日2005年03月15日
頁数314頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1499-3