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ベルリン新教育の研究

定価: 23,100 (本体 21,000 円+税)
ワイマール革命後の都市自治体「大ベルリン」。首都教育の世俗化と統一化をめざし、児童生徒のこころと体の全体的な発展をはかる「ベルリン新教育」を考察究明。

【著者略歴】
小峰総一郎(こみね そういちろう)
1951年 埼玉県に生まれる
1973年 埼玉愛学教育学部卒業、74年同専攻科修了
1980年 東京大学大学院教育学研究科博士課程満了、中京大学教養部講師
1989-90年 ドイツ、ベルリン自由大学にて在外研究
2001年 東京大学より博士(教育学)の学位授与
現在 中京大学教養部教授
目次を表示します。
和文要旨
独文目次・要旨
 序章 ベルリン新教育研究の課題と方法
  1.研究の課題と対象
  (1)新教育研究の意義
  (2)ベルリン新教育研究の意義
  2.新教育に関する先行研究ならびに本研究の視点
  (1)新教育に関する先行研究と研究の現状
  (2)本研究の視点
  3.資料ならびに方法
  (1)資料
  (2)方法 
  (3)ベルリン新教育に関する先行研究と本研究との関係 
第l部 端緒
 第一章 ベルリン新教育運動の胎動―中等教育の柔構造化―
  1.産業化と教育機会開放
  (1)状況
  (2)社会変化
  2.ベルトラム実科学校
  (1)産業化と実科学校
  (2)ベルトラムの生涯
  (3)ベルトラム実科学校
  3.ギムナジウム教育改革
  (1)フランクフルト方式
  (2)グルネヴァルト・ギムナジウムの改革
 第二章 ハンブルクの新教育運動から
  1.ハンブルク協同体学校の成立
  (1)実験学校設立提案 
  (2)ハンブルクの教具運動―学校の協同体的自主運営を求めて―
  (3)芸術教育運動と教育改革
  2.ハンブルク協同体学校の教育
  (1)実験学校から協同体学校へ
  (2)協同体学校の教育 
  (3)協同体学校の教育の成果と問題
  3.協同体学校の思想
  (1)「協同体」をめぐって 
  (2)「協同体」と学校の世俗化
  (3)問題の整理
第Ⅱ部 高揚
 第三章 ワイマール革命とベルリン教育改革
  1.ベルリン教育改革の前提
  (1)ワイマール革命と教育改革
  (2)社会民主党の教育綱領 
  (3)ベルリン教育改革の出発
  (4)ベルリン教育改革の法的基礎ならびに担い手
  2.ベルリンの教育行政 
  (1)大ベルリン構成法 
  (2)ベルリンの教育行政機構
  (3)市庁・市議会とベルリン市民
  (4)ベルリン市教育長
 第四章 ベルリン新教育の展開(一)世俗学校・生活協同体学校 
  1.世俗学校 
  (1)世俗学校の広がり 
  (2)世俗学校の法的基礎とその担い手
  (3)家庭と学校との結合 
  (4)世俗学校の教育 
  2.生活協同体学校 
  (1)生活協同体学校の広がり
  (2)パウルゼンと生活協同体学校
  (3)学校監督と財政 
  (4)生活協同体学校の教育
    一,生活協同体学校の教育の一般的特徴 
    二,生活協同体学校の実践
  3.まとめ 
  (1)教育世俗化実践としての世俗学校・生活協同体学校
  (2)漸教育の保塁としての世俗学校・生活協同体学校
  (3)教育的価値・教育方法上の問題
  (4)政治・行政・父母の問題
 第五章 ベルリン新教育の展開(二)フリッツ・カルゼンとギムナジウム教育改革
  はじめに 
  1.ブレスラウ,マクデブルク
  2.ベルリン
  (1)徹底的学校改革者同盟
  (2)旧中央幼年学校改革
  (3)ギムナジウム改革 
  (4)上構学校設立
  (5)総合制学校体系創出 
  3.亡命,そしてニューヨーク
  4.展望
 第六章 ベルリン新教育の展開(三)新教育運動の社会史
  1.新教育運動展開の諸条件
   一,ベルリン新教育鳥瞰
   二,ノイケルン 
   (1)ノイケルンの人口変化
   (2)社会変化と新しい協同体志向
   (3)教育諸条件
   (4)政治状況
  2.菜園学校運動,市民音楽運動
   一,菜園学校
   (1)菜園学校(Gartenarbeitsschule)
   (2)菜園学校の成立 
   (3)労働と教育
   (4)協同体学校としての菜園学校
   二,市民音楽運動 
   (1)青年音楽運動(Jugendmusikbewegung)
      ―シャルロッテンブルク―
   (2)市民・青年音楽学校―ノイケルン―
  3.教育諸団体
   一,徹底的学校改革者同盟
   (1)「徹底的学校改革者同盟」の成立 
   (2)同盟の教育世論形成活動
   (3)同盟の教育論
   二,ベルリン中央教育研究所
   (1)ベルリン中央教育研究所の成立
   (2)研究所の研究活動とその態勢
   (3)世界新教育連盟との関係ならびに国際的ドキュメンテーション
      活動
   三,ディースターヴェーク大学
   (1)教員の継続教育要求―「大ベルリン教員研修会」―
   (2)ベルリンの教員団体 
   (3)ディースターヴェーク大学の成立
   (4)ディースターヴェーク大学の態勢と展開 
第Ⅲ部 転回
 第七章 ハンス・リヒャートとプロイセン中等学校改革 
  はじめに―課題と対象 
  1.プロイセン中等学校改革 
  (1)新しい中等学校
  (2)ドイツ高等学校・上構学校の施行
  2.ドイツ高等学校と新教育 
  (1)リヒャート覚書『プロイセン中等学校制度の新秩序』(1924年)
     ならびに『ドイツ高等学校・上構学校教則大綱』(1924年)の意義
  (2)中等学校新教育の展開 
  3.教育政策状況とリヒャート 
  (1)財政逼迫と教科統合 
  (2)教育改革家リヒャート 
  4.まとめ 
 第八章 シャルフェンベルク島学校農園 
  はじめに
  1.シャルフェンベルク島学校農園の成立
  (1)シャルフェンベルク夏の家
  (2)常設学校へ
  (3)アビトゥーア実施権の取得
  2.シャルフェンベルクの教育活動
  (1)パンのための闘い
  (2)農業の中で
  (3)授業―総合授業方式 
  3.シャルフェンベルクの生徒自治
  (1)自己責任意識の形成 
  (2)「夕べの討論」
  (3)学校共同体
  (4)父母,「シャルフェンベルク友の会」
  4.まとめ 
  (1)シャルフェンベルク島学校農園の教育の意義
  (2)プロイセン教育改革・ベルリン教育改革との関係
  (3)教員養成との関係
  (4)ブルーメの人となり
  (5)問題点,弱点
  (6)おわりに
 第九章 学校田園寮について
  はじめに 
  1.学校田園寮の成立
  2.ドイツにおける学校田園寮の展開 
  (1)全ドイツ学校田園寮連盟
  (2)学校田園寮の運営形態 
  3.ベルリン新教育と学校田園寮 
   一,中等学校の学校田園寮 
   二,市立学校田園寮の建設 
   (1)前史―青少年局によるショイエン学校田園寮等
   (2)ツォッセン学校田園寮(市立第一学校田園寮)
   (3)ツェルペンシュロイゼ学校田園寮(小規模な学校田園寮)
   (4)へルムスドルフのペスタロッチ学校田園寮
     (市立第二学校田園寮)
   (5)ビルケンヴェルダー学校田園寮(市立第三学校田園寮)―建設中
  まとめ 
第IV部 帰結
 第十章 ベルリン新教育の達成と課題
  1.ベルリン新教育の到達点―『新時代のドイツの国民学校』会議
  (1)ベルリン市教育長ニダールの報告:「ベルリンの教育制度」
  (2)フリッツ・カルゼンの報告:「ドイツの実験学校」
  2.断絶と連続 
  (1)「断絶」?―「亡命教育」「抵抗運動」の存在 
  (2)戦後との「連続」
 結章 研究のまとめと今後の課題
  1.研究のまとめ 
  (1)本研究の概要
  (2)本研究で特に解明し得た点
  2.残された課題・今後の課題
注 
資料ならびに文献
あとがき
索引 
ベルリン新教育略年表
著者小峰総一郎 著
発行年月日2002年03月31日
頁数740頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1316-3