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現代アメリカ家庭科カリキュラムに関する研究

生活実践知形成

定価: 12,650 (本体 11,500 円+税)
21世紀に向かうアメリカ家庭科教育の発展過程を踏まえ、生活実践知形成の視点からブラウンの理論に依拠した「実践問題アプローチ」のカリキュラム構成原理を解明。

【著者略歴】
林 未和子(はやし みわこ)
1968年 京都府に生まれる
1991年 広島大学教育学部教科教育学科家政教育学専修卒業
1993年 広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程前期修了
1997年 広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程後期修了
1997年 博士(教育学)広島大学
1998年 熊本大学教育学部講師

専攻 教科教育学、家庭科教育、教育方法学、カリキュラム研究
目次を表示します。
序章 本研究の意義と目的
 第1節 研究の目的と方法
1.研究目的
  2.研究方法 
第2節 先行研究と本研究の意義
  1.わが国における先行研究 
  2.アメリカにおける先行研究 
  3.本研究の意義 
第3節 カリキュラムの概念 
 1.わが国とアメリカのカリキュラム概念の相違 
 2.現代のカリキュラム観 
第4節 生活知と生活実践知 
  1.生活知 
  2.生活実践知 
第5節 家庭科カリキュラムの分析視点 
第一部 現代アメリカ家庭科教育における生活実践知の発展過程
第1章 家庭科にみられる実用主義 ―思考と行動が未分化な生活経験知―
 第1節 家庭科カリキュラムの論理と指導法 
  1.生活経験の重視 
  2.生徒の現実生活に適合したカリキュラム作成 
 第2節『家政学の新指標』の基本方針
1.アメリカ家政学会の動向
  2.『家政学の新指標』にみられる家庭科への要請
第3節 カリキュラムの論理と指導法の改善 
1.家庭科の問題点 
  2.『家政学の新指標』による改善の方針
第4節 特質と問題点 
第2章 アメリカ家政学会(AHEA)による主知主義
―思考優位の生活概念知―
 第1節 教育内容の現代化運動(学問中心カリキュラム)と家庭科教育
  1.教育内容の現代化運動 
  2.家庭科内容の現代化 
 第2節 AHEAによる「概念アプローチ」の論理
  1.『概念と一般法則』
  2.「概念アプローチ」の理論
 第3節 カリフォルニア州の家庭科カリキュラムの内容構成と学習過程
  1.ニューヨーク州とカリフォルニア州の場合
  2.カリフォルニア州の家庭科カリキュラム 
 第4節 特質と問題点 
第3章 職業技術教育連合(Ⅴ-TECS)による行動主義
―行動優位の生活技能知―
 第1節 職業教育における課題分析と家庭科教育 
  1.課題分析と職業教育
  2.家庭科教育にみられる「能力形成アプローチ」
 第2節 Ⅴ-TECSによる「能力形成アプローチ」の論理
1.能力に基礎を置く教育(CBE)運動
  2.Ⅴ-TECSによるカリキュラム開発
  3.「能力形成アプローチ」の目標
第3節 テキサス州のカリキュラムの内容構成と学習過程 
  1.テキサス州のカリキュラムガイド 
  2.総合コースの家庭科教育 
第4節 特質と問題点
第4章 ブラウンによる統合主義―行為主体の生活実践知―
 第1節 認知発達研究と家庭科教育 
1.教育改革の動向
2.家庭科教育への影響
第2節 ブラウンによる教育の視座
1.ブラウンの紹介
2.ブラウンの経歴
3.前提となる人間観
4.教育の視座
  5.家庭科教育に関する見解 
第3節 家庭科カリキュラムにおける「実践問題アプローチ」の論理
  1.実践問題アプローチ 
2.永続的な実践問題
3.家族の行為体系
4.実践的推論
第4節 ブラウンの理論の意義と特質 
1.ブラウンの理論の教育的意義 
  2.家庭科教育の知の特質 
第5節 生活実践知の概念とカリキュラムの類型 
1.ブラウンの理論から示唆される生活実践知の概念
2.生活実践知形成を目指すカリキュラムの類型
第二部 生活実践知形成を目指す家庭科カリキュラム
第5章 目的合理的行為重視型―オハイオ州の場合―
 第1節 開発経過の概要
  1.開発の歴史的経緯 
  2.活動中心カリキュラムの開発概要
 第2節 家庭科教育の目的―生活の改善―
  1.オハイオ州の家庭科カリキュラムの基本方針
  2.家庭科カリキュラムの目標 
 第3節 内容構成―永続的な実践問題と家庭運営の課題―
  1.カリキュラム構想の基本
  2.カリキュラム内容
 第4節 学習過程―行為に関する手続き的知識と技能の使用―
  1.教授モデル 
  2.授業展開 
 第5節 特質と限界 
第6章 コミュニケーション的行為重視型
―ペンシルベニア州とメリーランド州の場合―
 第1節 開発経過の概要
  1.ペンシルベニア州のカリキュラム開発プロジェクト
  2.概念構築プロジェクトを中心としたメリーランド州 
 第2節 家庭科教育の目的―広い視野に基づく意思決定―
  1.より善い人間関係の構築 
  2.家族の行為体系の構築 
第3節 内容構成―永続的な実践問題と価値ある目的―
1.テーマ領域と問題構造 
  2.家庭科カリキュラムの構成要素 
第4節 学習過程―価値推論による倫理的な価値判断―
  1.価値推論プロセス 
  2.「家族と個人の発達」の概念形成
第5節 特質と限界
第7章 解放的行為重視型―ウィスコンシン州とミネソタ州の場合―
 第1節 開発経過の概要 
  1.ウィスコンシン州の家族に焦点を合わせたカリキュラム 
  2.ミネソタ州の問題提示型家庭科カリキュラムモデル 
 第2節 家庭科教育の目的―自己実現―
  1.教育の視座と家族のワーク 
  2.家庭科カリキュラムの目標構造 
  3.教育の視座と家庭科カリキュラム 
  4.人間の目標
 第3節 内容構成―永続的な関心事と教育的テーマ―
  1.家族の永続的な関心事 
2.家庭科コース
3.家族の行為体系
4.永続的な実践問題
  5.教育的テーマ 
第4節 学習過程―批判的思考と実践的推論―
1.家庭科における知的技能 
  2.教育的テーマを中軸とする学習過程 
第5節 特質と限界
終章 研究の総括と結論
第1節 研究のまとめ 
1.「実践問題アプローチ」にみられる生活実践知
  2.ブラウンの理論と生活実践知の概念 
  3.生活実践知形成を目指す家庭科カリキュラム
第2節 本研究の結論 
第3節 今後の課題
補章 21世紀に向けての家庭科カリキュラム開発の動向
 第1節 先進的な州の家庭科カリキュラム開発の動向
  1.序論 
2.オハイオ州
3.ウィスコンシン州
  4.ミネソタ州 
  5.結語 
 第2節 家庭科ナショナルスタンダードにみられる「実践問題アプローチ」
の影響
  1.序論 
  2.ナショナルスタンダード開発の経緯 
  3.ナショナルスタンダードの全体構造
  4.「実践問題アプローチ」の影響
  5.州の動向との関連 
  6.結語
引用・参考文献
謝辞 
著者林未和子 著
発行年月日2002年02月28日
頁数396頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1308-8