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学校数学の一斉授業における数学的活動の社会的構成

定価: 19,250 (本体 17,500 円+税)
可謬主義的数学論と文化―歴史的発達論に依拠して、一斉授業における数学的活動の社会的構成過程を説明する「社会数学的活動論」を構築しその有用性を実証する。

【著者略歴】
大谷 実(おおたに みのる)
昭和35年、石川県生まれ
平成2年、筑波大学大学院博士課程教育学研究科中途退学
筑波大学教育学啓文部技官・助手を経て、平成6年より現職
現在 金沢大学教育学部助教授
博士(教育学)数学教育学専攻
目次を表示します。
序章 本論文の目的と方法
 第1節 本論文の目的
  1.問題の所在
  2.本論文の目的
 第2節 本論文の方法
  1.本論文における研究の方法
  2.本論文で導かれる事柄
 第3節 本論文の構成と用語の説明
  1.本論文の構成
  2.用語の説明
第1章 数学的活動論の諸相:先行研究の成果と課題
 第1節 数学的活動論の成果:大局的視野と局所的視野
  1.数学的活動論:大局的視野
  2.数学的活動論:局所的視野
 第2節 数学的活動論の課題:授業論の諸問題
  1.授業における数学的活動への着目
  2.授業における数学的活動への接近法
第2章 活動の数学的基礎:可謬主義的数学論
 第1節 論証的数学とユークリッド的方法論 
1.論証:数学的活動の本性
  2.論証的数学の教育的意義
  3.論証的数学と蓋然的数学
第2節 近代発見学の展開
  1.発見学:蓋然的推論の合理的研究
  2.帰納論理学
  3.反証主義 
  4.方法論的反証主義
第3節 可謬主義的数学論
  1.科学的研究プログラムの方法論
  2.証明と論駁の弁証法 
  3.研究プログラムとしての証明と論駁法
  4.数学的活動における可謬主義の位置
  5.学校数学における可謬主義の位置
第3章 活動の心理学的基礎‥文化―歴史理論
 第1節 文化―歴史理論の目的と方法
  1.文化―歴史理論の特色
  2.文化―歴史理論の目的
  3.文化―歴史理論の方法
 第2節 文化―歴史理論の成果
  1.高次精神機能の発達過程
  2.高次精神機能の道具・記号媒介性
 第3節 文化―歴史理論の活動理論的展開
  1.文化―歴史理論の諸問題
  2.活動理論の展開 
第4章 社会数学的活動論の構築
第1節 可謬主義と文化―歴史理論の思想的基盤
  1.歴史―発生的アプローチ 
  2.質的変革と弁証法的発展 
  3.個人と社会の相互作用 
第2節 社会数学的活動論の構築 
1.構築の観点
  2.大局的活動への局所的参加
  3.個人的創案と社会的慣習の相互作用
第3節 社会数学的活動論の構造
  1.社会数学的活動論の対象
  2.社会数学的活動論の方法 
  3.社会数学的活動論を構築する意義
第5章 一斉授業における数学的活動の社会的構成
 第1節 社会数学的活動論に基づく記述的研究 
  1.観察研究の組織と分析の方法 
  2.大局的数学的活動への局所的参加 
  3.社会的相互作用による数学的意味の発達
  4.議論 
 第2節 社会数学的活動論に基づく規範的研究
  1.教授実験の計画と実施
  2.大局的数学的活動への局所的参加 
  3.社会的相互作用による数学的意味の発達 
  4.議論 
終章 本研究のまとめと今後の展望
第1節 本研究の総括と成果 
1.研究の総括
  2.研究の成果
第2節 理論的・実践的示唆 
  1.理論的示唆
  2.実践的示唆
第3節 本研究の制約と今後の展望
文献一覧
  1.邦文 
  2.欧文 
  3.本研究に関連する筆者の論文
資料
  1.小学校における非参与観察 
  2.高等学校における教授実験 
あとがき 
著者大谷実 著
発行年月日2002年02月28日
頁数532頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1307-1