京都人文学園成立をめぐる戦中・戦後の文化運動
定価:
10,120
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9,200
円+税)
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序章 研究対象と課題
1.敗戦直後の教育文化運動の今日的検討
2.対抗文化の概念規定
3.対抗文化創出の試行の解明に向けて
第一章 戦時下における知識人の思想と行動
第一節『世界文化』『土曜日』における反ファシズム文化運動
1.『世界文化』『土曜日』の成立と運動の概要
2.『世界文化』を構成する論理
①『世界文化』の記事構成と内容
② 編集方針の推移
③ 知識人の行動の論理
3.『土曜日』の意図と実践
①『土曜日』の内容と方向性
②『土曜日』と読者の関係性
③ 集団と組織論
第二節 同人たちの思想形成
1.中井正一
2.新村猛
3.久野収
4.戦後への布石
第二章 京都人文学園の成立と教育
第一節 人文主義教育と理念
1.京都人文学園の研究に向けて
―先行研究の検討と本章の課題―
2.敗戦直後の京都における啓蒙的文化運動
―学園成立の背景として―
3.京都人文学園成立への経緯
4.京都人文学園の理念
第二節 京都人文学園における教育
1.学園の教育内容
① 開校時の教育構想
② 軌道修正と理想追求
―1947年度の教育課程に反映された問題と課題―
③ 学園の危機と再編への取り組み
―1949年度の教育課程成立をめぐる論議―
④ 課外講義と講演会
2.学園新聞に現われる生徒像
① 生徒と学園生活
② 学園内外における生徒たちの活動
③ 学問観と学園観
第三節 人文主義教育の意義と遺産
1.人文主義教育の意図と現実―新村猛の思想に沿って―
① 新村猛の教育思想と学園の教育
② 理想と現実の相剋
2.学園の評価
① 入学の動機
② 学園生活から得たもの
③ 学園の限界および矛盾点
④ 学園の果たした役割
3.敗北と転換
① 新学制の発足と学園の存在価値の揺らぎ
② 反権威主義を貫いて
第三章 対抗文化の同時代史
第一節 敗戦直後の文化運動の興隆と衰亡
1.中井正一の広島県における文化運動
① 運動の展開
② 意識革命への随伴
③ 精神性の継承
2.「悔恨共同体」による啓蒙・教育活動
① 敗戦直後の文化運動の擡頭
②「悔恨共同体」の形成
③ 文化運動の終焉
第二節 文化運動の担い手たちの戟後史
1.知識人たちの戦後史―新村猛、久野収の軌跡を通して―
2.京都人文学園の生徒たちの軌跡
① 卒業後の略歴
② 学園体験の影響と継承
③ 卒業生の特性と傾向
第四章 オルタナティヴ志向の思想と行動への現代的視座
第一節 思想と行動をかたどるもの
1.批判精神の担い手たち
2.批判精神の生成と形成
① 知識人とマルクス主義
② 戦中・戦後の知識人における批判精神の発現過程
3.批判精神の継承と発展
① 教育的装置としての文化運動
② 文化運動の教育的意義
第二節 思想と行動が創り出すもの
1.変革と文化形成への志向
① 対抗文化再考―『世界文化』『土曜日』と京都人文学園を通して ② 対抗文化創出への模索
2.対抗文化創出の試行の遺産と現代的意義
① 教養論・教養観の系譜
② モラトリアムとしての機能
終章 対抗する思想と生きる思想
主要参考文献
あとがき