博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社｜(株）風間書房

ドイツにおける芸術教育学成立過程の研究

芸術教育運動から初期G・オットーの芸術教育学へ

目次を表示します。

序　　論―課題設定と方法―
一、本研究の課題
　二、本研究の対象と視点
　三、本論の構成
第Ⅰ部　芸術教育運動とその展開　その遺産と課題
第一章　第一回芸術教育会議(一九〇一)とドイツにおける芸術教育運動の始動
　　第一節　初期芸術教育運動とその展開過程
　　第二節　ドレスデン芸術教育会議における図画教育改革思想と端緒としての教育改革思想
第二章　ドイツ芸術教育運動の展開　ハンブルクを事例として
　　第一節　芸術教育運動と教育改革観としての「芸術の原理に基づいた教育改革の発見」の発見
　　第二節　「実験学校」観の確立から生活協同体学校の設立へ
　　第三節　ハンブルク民衆学校教師団の教育思想・教育理論　その成果と課題
第三章　芸術教育運動の諸相Ⅰ　教育改革運動としての芸術教育運動と残された課題
　　第一節　《芸術教育運動―教育改革運動》と教育観の転換
第二節　ハンブルクにおける教育改革運動とリーダー的教師の苦悩「限界の再発見」
第四章　芸術教育運動の諸相Ⅱ美術教育の改革運動としての芸術教育運動とその限界性
第一節　二〇世紀初頭から一九二〇年代にかけての美術教育の改革とその具体的諸相
　　第二節　芸術教育プラン「子どもの中の天分」とその逆説性
　　第三節　芸術教育プランとしての「ミューズ的教育」とその逆説性
第Ⅱ部　改革芸術学校バウハウスと芸術学校における芸術教育観の遺産
第五章　バウハウス研究の視角　理想像としてのバウハウスから現実像としてのバウハウスへ
　　第一節　理念的バウハウス解釈の成立
　　第二節　理念的バウハウス解釈への異議申し立てとその背景
　　第三節　八〇年代における現実的バウハウス解釈
　　第四節　現実像としてのバウハウス
第六章　バウハウスにおける造形芸術観「造形思考論Gestaltungslehre」と芸術教育的カテゴリーとしての《構築・構想可能性》の発見
　 第一節　バウハウスの基礎造形コースと造形表現の現代的視点の発見
　 第二節　バウハウスにおける造形芸術観としてのコンポジッションと造形発想法
　 第三節　バウハウスにおける芸術教育観としての「造形思考論」
　 第四節　バウハウスにおける芸術教育的カテゴリーとしての《構築・構想可能性》
第七章　J・イッテンの芸術教育観と芸術教育的意識としての《構築・構想可能性》
　 第一節 一九八三年のベルン展覧会記念出版書籍におけるイッテン再解釈と残された課題
　 第二節　新教育運動と芸術学校の改革との交差点に位置するJ・イッテン
　 第三節　もう一つのイッテン再解釈資料としての初期日記と新しい造形表現の基本的文法の発見　構築されるものとしての表現と《生き生きとした「空間」》の構築
　 第四節　J・イッテンにおける芸術教育的視点としての《構築・構想可能性》
第八章　バウハウスにおける造形発想法の授業とその芸術教育観「造形思考論」
　　第一節　バウハウスにおけるカンディンスキーの芸術教育観とその授業の具体的諸相
　　第二節　バウハウスにおけるモホリ=ナギの芸術教育観とその授業の具体的諸相
　　第三節　エールハルトの芸術教育観とその授業の具体的諸相
第Ⅲ部　ドイツにおける芸術教育学の成立について
第九章 　戦後西ドイツにおける美術教育の変遷と六〇年代西ドイツにおける現代的芸術
　　　　 教育観の発見　　　　　　　　　　　
第一節　戦後西ドイツにおける美術教育の変遷(一九四五 ―　一九六〇年代)
　　第二節　ドイツにおける芸術教育プランとしての「芸術の授業Kunstunterricht」
第一〇章　芸術学校における芸術教育学的遺産と戦後ドイツにおける芸術教育学の成立
　　第一節　芸術教育運動の知られざる側面
　　第二節　改革芸術学校バウハウスと芸術観としての《材料・素材-実験-モンタージュ》の発見
　　第三節　芸術教育プラン「造形思考論」と制作・表現の基本的文法としての《材料・素材-実験-モンタージュ》
　　第四節　芸術学校の芸術教育学的遺産と芸術教育学成立の意味
第十一章　G・オットーの初期著作における自己探求的な芸術教育学理論の基礎づけについて
　　第一節　芸術教育理論の批判的考察
　　第二節　オットーの初期著作と芸術教育観の同時代的考察
　　第三節　五〇年代の教授学的遺産と芸術教育学の基礎づけ
終　章　オットーの芸術教育学理論の現代的意味についての教育学的考察

資料及び引用・参考文献
図版出展一覧
あとがき
ドイツ芸術教育年表(一八七二～一九七二)