産業教育史学研究渋沢栄一と日本商業教育発達史
産業教育人物史研究Ⅲ
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まえがき
第一章 商業の人となる
1 マージナルな出生
兼業農家の息子 /在郷知識人の教育 /ペリー来航と尊攘運動
/サムライに変身
2 維新前の教育状況
画然たる差別 /漢学教育の革命思想 /商人教育の実情
/『商売往来』と『塵却記』
3 幕末期の西洋体験
幕末の日仏関係 /渋沢の見た西洋 /フランスでのエピソード
/ベルギーでのエピソード
4 大蔵官僚としての出所進退
大隈重信の名講釈 /アメリカのナショナル・バンク/井上馨と
二人三脚
5 自称商売人となる
一時の客気・十五年の損失 /商売人の真生涯 /商業と工業の
関係
第二章 日本商業の国際関係
1 モデルとしての西洋
西洋の国選び /イギリス観 /アメリカ観 /ドイツ観
/模倣から創造への転換点
2 日英関係と経済同盟
イギリスへの敬意 /シャンドと日本の銀行業 /日英同盟を経済
同盟とせよ
3 日米関係と国民外交
アメリカへの謝意 /理想的実業家カーネギー /日米の経済摩擦
/摩擦解消の国民外交をせよ
4 日中関係と共存同営
アンビバレントな中国観 /恩威の交際から忠恕の交際へ
/孫文との事業計画 /友邦中国と共存同営をせよ
5 世界の中の日本商業
東洋における先進日本 /韓国の誘導教化と愛撫教化 /経済外交と
世界平和
第三章 商業立国の人的基盤
l 立国の基礎としての商業
明治経済人の国家意識 /国旗光彩論 /義戦の肯定
/商業立国論 /商業立国の人づくりをせよ
2 日本商人の自働的進歩
商人蔑視の由来 /政治の誘導と他働的進歩 /経済の自立と自働
的進歩 /自働的進歩のための勉強論
3 経済と道徳の一致
イギリス人の商業道徳 /私利公益の思想 /経済道徳合一説 /
儒教主義の提唱 /論語算盤合一説 /論語主義からの国際平和論
4 商業社会における女性の役割
日本の女性とアメリカの女性 /日本的良妻賢母像 /女性と経済
の関係 /女子のための教育
5 人的基盤確立の教育課題
実業および実業教育の語義 /東京大学における官尊民卑
/学問負けしないアメリカ人 /実用的学問論 /実用的教育論
/教育改革の課題 /商業教育の必要性 /商業教育の倫理化運動
第四章 商業の人づくり活動
1 出版文化の育成活動
文運発達のバロメーター /製紙と印刷事業の創始 /新聞雑誌の
支援 /出版物の啓蒙効果 /渋沢栄一自身の出版活動
2 講話による啓蒙活動
講話の名手 /既往の実歴談 /学生に対する講義
/出版物として広められた講話集
3 修養団体の支援活動
趣味と常識の修養論 /竜門社 /埼玉学友会・埼玉学生誘掖会 /修養団
4 教育界の人脈関係
幅広い教育人脈 /大隈重信 /成瀬仁蔵 /手島精一 /
市邨芳樹 /三島中洲 /エリオット
5 学校の支援活動
幅広い支援活動 /早稲田大学 /日本女子大学校 /二松学舎 /京城学堂
第五章 渋沢栄一と東京商科大学
1 商業教育事始め
商業学校計画の発端 /渋沢栄一のためらい /商法講習所存続の
ための努力 /明治十四年の危機突破 /岩崎弥太郎との綱引き
/文部省移管の経緯
2 矢野二郎と渋沢栄一
矢野二郎の教育構想 /学問派と実際派の衝突 /
渋沢栄一による矢野二郎の評価 /矢野二郎の顕彰事業
3 商議委員としての渋沢栄一
商議委員の制度 /卒業式の講話 /紛争の調停/同窓会の支援
4 大学昇格運動の曲折
西洋の商科大学情報 /商科大学についての渋沢栄一の発言
/申酉事件と渋沢栄一の立場 /大正二年の帝大併合問題
/帝国大学との関係から見た難問 /帝国大学と高等商業学校の
反目 /大学昇格の達成
5 渋沢栄一の果たした役割
渋沢栄一の公生涯と商科大学 /陽炎の官立大学 /渋沢栄一の
二枚腰の勝利 /関係者による渋沢栄一の顕彰事業 /佐野善作に
よる渋沢栄一の評価
注
あとがき
図版出典・所在一覧
渋沢語録出典一覧
索引