文部大臣井上毅における明治国民教育観
定価:
15,400
円(本体
14,000
円+税)
- 目次を表示します。
-
序章 文部大臣井上毅における国民教育制度の確立
第一節 明治日本の近代化の課題
第二節 近代立憲国家の確立
一 元田永孚の天皇親政観
二 井上毅の意法制定観
三 ドイツ国家主義への傾倒
四 国家有機体論
第三節 近代国家の形成と教員への期待―大臣井上毅の教員観―
一 教育上の課題
二 政教分離の確立
三 井上文相の教員への期待
(一) 井上文相における教員の使命と役割
(二)「国二取ツテノ栄誉アル職業」としての教員―教職の専門性
の事―
(三) 教員の地方行政からの独立
(四) 教員の政治的中立性
(五) 教育ジャーナリズムの批判
第一章 文部大臣井上毅における国民教育観
第一節 文部大臣井上毅の修身教育観
一 文部大臣井上毅と修身教育の問題
二 学制以来の修身教育の系譜と修身教科書
三 井上文相における教科書の検定方針と修身教育
四 井上文相における修身教科書の「審査採定」の問題
五 「修身科ノ授業法」としての「口授法」の採用の問題
六 井上文相の徳育観と修身教育
七 愛国的国民養成の手段としての修身科教育
第二節 文部大臣井上毅の歴史教育観
一 文部大臣井上毅における歴史教育の問題性
二 歴史教育による国民精神としての「国体」観念の陶冶と確立
三 「宇内の大勢を詳にし古今の変に通ずるの能力」としての歴史認識
力の養成
四 歴史教育における「善良勇武なる愛国的国民」の養成
五 「国の大本」としての歴史教育
第三節 文部大臣井上毅における宗教教育観
一 文部大臣井上毅と宗教教育の問題性
二 藩黌時習館における居寮生時代の宗教への関心
三 「儒教を存す」に窺える井上毅の耶蘇教排撃の思想
四 井上文相における慈恵主義の導入とキリスト教排外主義
五 井上文相の仏教観
第四節 文部大臣井上毅の国語国文教育観
一 文部大臣井上毅における国語国文教育の問題性
二 井上文相における「固有ノ国語国文」の発達
三 「文明の進歩」としての国語国文教育の推進
四 井上文相における「国語国文ノ進歩」の方法
五 教育ジャーナリズムの評価
第五節 文部大臣井上毅の漢文漢学教育観
一 文部大臣井上毅における漢文漢学教育の問題性
二 井上文相における漢文漢学教育の問題性の認識
三 井上文相における「漢文の廃止」の問題性
四 国語国文教育における漢文漢学教育の意義と目的
五 井上文相における漠文藻学教育の方法
六 道徳の基礎としての「支那の経学」―「中庸説」の「性道教ノ章」
七 井上文相における道徳の不易論としての「大學の三綱領八条目」
第六節 文部大臣井上毅の体育・衛生教育観
一 文部大臣井上毅における体育・衛生教育の問題性
二 学校生徒の「文弱ノ弊害」の認識
三 「体育及衛生二関スル訓令」の公布とその内容
四 文弱の弊害と井上文相の教育富国観
五 教育ジャーナリズムの評価
第二章 文部大臣井上毅における実業教育観
第一節 文部大臣井上毅の徒弟教育観
一 文部大臣井上毅における徒弟教育の問題性
二 徒弟学校規程の制定経過―貧民教育から職工の養成へ―
三 伝統的な徒弟制度から徒弟学校の創設へ
四 徒弟教育の学校化
五 残された二つの問題―商業徒弟学校の設立と徒弟学校の教員養成―
第二節 文部大臣井上毅における農業教育観―簡易農学校規程の制定の
視点から―
一 文部大臣井上毅における農業教育の問題性
二 文部省における農業教育の史的系譜
三 「簡易農学校規定」に見られる井上文相の教育的意図
四 簡易農学校と修身教育
五 「富国ノ道」としての農業観
第三節 文部大臣井上毅の実業補習学校教育観
一 文部大臣井上毅における実業補習学校の教育的性格の問題
二 実業補習学校規程の制程経過
三 実業補習学校における「小学校教育ノ補習」の性格
四 「実業ノ知識技能」の性格
五 実業補習学校と修身教育
六 実業教育の振興
第三章 文部大臣井上毅における工業教貞養成観
第一節 文部大臣井上毅における工業教員養成の問題性
第二節 工業教員養成の史的系譜
第三節 「工業教貞養成規程」の制定経過と工業教員養成所の教育的性格
第四節 井上文相の教育的意図
第五節 井上文相における「実業(工業)上ノ思想ノ養成」の問題
第四章 文部大臣井上毅における貧民教育観・高等教育観
第一節 文部大臣井上毅の貧民教育観
一 文部大臣井上毅における貧民教育の問題性
二 貧民の子弟の実態と教育における慈恵主義
三 「能力ある国民」の育成と貧民教育
四 教育ジャーナリズムの評価
第二節 文部大臣井上毅における高等学校教育観―高等中学校制度の改革
一 高等中学校教育の問題性
二 「国難」としての「高等ノ事業ヲナス」人の不足
三 「専門教育ヲ適当ノ時期二授ケサルノ弊」
四 文明国における「実用向の専門家」の養成
五 教育世論の評価
第三節 文部大臣井上毅における大学教育観
一 「全局改正」としての大学教育
二 「官紳登竜ノ一大関」から「国家ノ文運ヲ進」める新しい大学教育
の提唱
三 「高等専門教育」機関としての「将来ノ地方大学(高等学校)」の
拡充
四 応用的教育機関としての分科大学(専科大学)の確立構想
五 井上文相の「大学之改正」に対する伊能嘉矩と牧野伸顕の評価
第五章 文部大臣井上毅における教員養成観
第一節 文部大臣井上毅における教員養成の問題性
第二節 「善良ナル教員」の養成―有資格教員の確保―
一 尋常師範学校における修業年限の短縮の問題
二 高等師範学校の教育の充実―修業年限の延長と実地授業の重要視―
第三節 教員の資質としての愛国心の発動
第四節 教員の「国民教育ノ熱心ナル原素」としての「感慨」
第五節 教員の資質としての「教育上必要ノ注意」―実業的知識の修得―
第六節 「善良ナル教員」の資質としての「師弟の情」
第七節 教員の政治的中立と箝口訓令の公布
第八節 教員の地方行政からの独立と市町村立小学校教員任用令の公布
終章 文部大臣井上毅における国民教育制度の確立
第一節 井上文政の基本的課題
第二節 国民教育の普及発達と教育の実用主義
第三節 国力の涵養
あとがき