博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

初期ヘルバルトの思想形成に関する研究

教授研究の哲学的背景を中心として

定価: 9,350 (本体 8,500 円+税)

ヘルバルトはなぜ教授研究に向かったのか。フィヒテの絶対的自我と格闘する若きヘルバルトの足跡を克明にたどりながら、教授研究に到る軌跡を解明した労作。

【著者略歴】
杉山精一(すぎやま せいいち)
1956年 愛知県生まれ
1980年 愛知県立津島東高等学校教諭
1984年 広島大学大学院教育学研究科博士課程前期(教育学専攻)修了
1985年 広島大学教育学部文部教官助手
1986年 新見女子短期大学幼児教育学科講師
1994年 山陽学園短期大学生活学科助教授
1999年 神戸市外国語大学外国語学部助教授
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章 研究の目的―痕跡と思想形成―
第一章 初期へルバルトの軌跡―教授研究の哲学的背景―
 第一節 問題の所在―ヘルバルトの三つの顔―
 第二節 ペスタロッチー研究の哲学的背景
  (1) ヘルバルトの思想的水脈と先行研究の問題点
  (2) ペスタロッチー研究の哲学的背景
 第三節 初期へルバルトの軌跡―数学研究から教授研究へ―
第二章 大学時代の苦悩と模索―イエナ大学での経験(一七九四 ―
一七九六)―
 第一節 ドイツ観念論の系譜とヘルバルト
  (1) ドイツ観念論の系譜
  (2)初期へルバルトとシェリングの軌跡
 第二節 フィヒテ哲学との確執
  (1) イエナ大学入学と「自由人協会」での活動
(2) 異なる経験―シェリングとのずれ― 
(3) 虚無体験(一七九六年六月)                 
 第三節 「絶対的自我」への問い
  (1) シェリング研究(一七九六年九 ― 一ニ月)
  (2) ドイツ観念論との距離
第三章 独自思想の萌芽(一七九七 ― 一七九九)―数学研究から教授への
接近―
 第一節 苦悩と教育実践
  (1) 旅立ち
    l.スイスへ
    2.スイス滞在
(2)若きへルバルトの祈り
    l.「祈り」の概要
    2.「祈り」の意義
(3)苦悩と模索―「教える」とは、「学ぶ」とは―
    1.自ら学ぶ者としての苦悩
    2.教え導く者としての苦悩
  (4)「注意深さ」と「感情」の重視
第二節 独自思想の萌芽(一七九八)
  (1)克服の予感
  (2)新たな自我論の確信―「最初に問題となる知識学の構想」―
 第三節 数学への取り組み
  (1)数学研究の軌跡
  (2)「絶対的なる」世界と数学
  (3)数学による「絶対的自我」克服の試み
 第四節 教授への接近
  (1)家庭教師時代の数学教授
  (2)教授への接近
第四章 ペスタロッチー研究の哲学的背景(一八〇〇 ― 一八〇二)
 第一節 軌跡の交差点(一八〇〇) 
  (1)教育学者へルバルトの問題点
  (2)ブレーメン滞在期における三つの契機
  (3)学問的軌跡の交差点―「ブレーメン博物館での講義」
(一八〇〇)―
 第二節 教授研究の哲学的端緒
  (1)「注意深く見る」理論
(2)ヘルバルトの自我論と哲学的課題
第三節『ペスタロッチーの直観のABCの理念』(一八〇二)の哲学的背景
  (1)認識の出発点としての数学
  (2)数学を教えることの意味―概念の継続的把握の訓練―
  (3)直観教授の哲学的背景
  (4)一八〇二年の命題と教授研究
第四節 初期へルバルトの思想形成と教授
  (1)初期ヘルバルトの軌跡と教授
  (2)ヘルバルトにおける教授の意味
終章 初期へルバルト思想の水脈―思弁と感情―
第一節 思弁と感情
第二節 「自由人協会」とヤコービ
  (1)シュテックとグリースのヤコービ訪問(一七九七年四月二九日 ―
五月二目)
  (2)グリースの書簡―ヤコービのフィヒテ批判―
第三節 ヤコービかスピノザか
  (1)軌跡―へルバルトとヤコービ―
  (2)思弁と感情―「空虚な思考」の回避―
 第四節 一七九〇年代の意味するもの
〈付録1〉 シュタイガー家の子どもたちに捧げる祈り
〈付録2〉 哲学との関係における倫理学と宗教の必要について
       ―ブレーメン博物館での講義 一八〇〇年 ― 
〈付録3〉 若きへルバルトの足跡(一七九四 ― 一八〇二)
あとがき
〈資料:ヘルバルト関連文献〉
〈引用文献〉〈参考文献〉
人名索引・事項索引
著者杉山精一 著
発行年月日2001年02月28日
頁数274頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1249-4