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ヘルマン・ノール教育学の研究

ドイツ改革教育運動からナチズムへの軌跡

定価: 9,020 (本体 8,200 円+税)

ナチズムと教育学の関係について当時の代表的教育学者H.ノールのナチズム体験を通して照射し、改革教育学から国家教育学へと至る理論的連関を明らかにする。

【著者略歴】
坂越正樹(さかこし まさき)
1953年 兵庫県生まれ
1981年 広島大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程後期単位修得退学、広島大学教育学部助手
1982年 広島文化女子短期大学講師
1985年 福岡女子大学文学部助教授
1988年 広島大学教育学部講師
1999年 博士(教育学)(広島大学)
2000年 広島大学教育学部教授

教育哲学、教育思想専攻
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章 研究の課題と視座
 1.研究の課題
  2.先行研究と本研究の意義
  3.研究の視座
第1章 ノール教育学の基点
 第1節 ノールの学修時代と教育学への転回
  1.ディルタイ学徒としてのノール
  2.第一次世界大戦への従軍と民衆大学の設立
 第2節 ドイツ運動研究―両極性の理論―
  1.ノールの哲学史研究と教育学研究の連関性
  2.ドイツ運動の両極的基本構造
  3.生の統一
  4.歴史性の問題
  5.ノールの両極弁証法的思考形式
第2章 ドイツ改革教育運動の理論的構成
 第1節 ドイツ教育史における改革教育運動の位置
  1.ノールのカノン
  2.改革教育運動をめぐる論議
 第2節 ノールにおける改革教育運動の自己理解
  1.教育運動の理論的反省の要求
  2.教育運動の生起と統一性
  3.教育運動の法則と構造
  4.「改革教育」とノールによるその把握との距離
第3節 理論的構成物としてのドイツ改革教育運動
  1.歴史学論議と教育学論議
  2.構成されたものとしての「改革教育」
  3.教育の自己反省形式としての「改革教育」
第3章 ノールにおける学としての教育学の構想
 第1節 教育現実の解釈学
  1.教育現実の解釈学としての教育学
  2.歴史的体系的方法
 第2節 科学に対する生の優位性
  1.教育における理論と実践の関係
  2.教育的人間論における「クンデ」の構想
  3.人間存在の二重性と科学の関係
 第3節 教育的関係の独自性
  1.ノールによる教育的関係の「発見」
  2.固有の生の関係としての教育的関係
  3.教育的関係論とナチズムの問題
第4章 ナチズムとノール教育学Ⅰ―1933年以前―
 第1節 ナチズム的教育学の問題
  1.ナチズム的教育学
  2.E.クリークの教育科学
 第2節 教育と教育学の相対的自律性
  1.教育理念の自律性
  2.教育的行為の自律性
  3.教育理論の自律性
  4.教育制度の自律性
  5.相対的自律性論とナチズムの問題
 第3節「共同体(Gemeinschaft)」の再建とノールの政治的意識
  1.「共同体」への憧憬
  2.個としての子どもと全体としての共同体の両極性
  3.ゲゼルシャフトとゲマインシャフト
  4.目標としての「民族共同体」
  5.ノールとヴェ一二ガーの国家観
第5章 ナチズムとノール教育学Ⅱ―1933年以後―
 第1節 ナチズムとの非連続性
  1.ナチズムへの批判と外面的適応
  2.ノール書簡の分析
 第2節 ナチズムとの連続性
  1.ナチズムとの親近性
  2.ノール教育学のテキスト分析
 第3節 ナチス体制下のノールの精神的位相
  1.自己存在感の喪失
  2.雑誌『教育』の編集をめぐる葛藤
  3.ノールとリットの差異
第6章 ナチズムとノール学派
 第1節 アカデミズムの教育学とナチズム
  1.ナチス政権掌握前後のドイツ教育学者
    ―全体像の数量的分析―
  2.教員養成における同質化
 第2節 ノール学派とナチズムの距離
     ―ゲッティンゲン教育学インスティテュート―
  1.ノール学派(ゲッティンゲン教育学派)とナチズム
  2.ナチス政権下のヴェ一ニガー教育学
  3.ナチズム期ノール学派の精神的位相
結章 ナチズムとノール教育学の連続性と非連続性
   ―ドイツ改革教育運動とナチズムの間―
  1.ドイツ改革教育運動―ノール教育学―ナチズム
  2.「連続」「非連続」問題再論
主要参考・引用文献
人名索引 
事項索引 
あとがき
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者坂越正樹 著
発行年月日2001年02月15日
頁数226頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1247-0