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近世庶民の算教育と洋算への移行過程の研究

定価: 10,120 (本体 9,200 円+税)
江戸から明治初期を対象とした初等数学教育史。近世庶民が求めた数学的知識および学習方法、庶民の算の学力と生活での巧みな数処理技術、和算家と庶民の算学習との関係、明治維新後国民の算教育が西洋数学に移行する過程等を考察。庶民の生活と算学習の実像を豊富な資料によって解明した新しい試みの教科教育史。

【著者略歴】
川本亨二(かわもと こうじ)
1935年 旧朝鮮にて生まれる
1969年 日本大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程修了 博士(教育学)
1970年 日本大学文理学部専任講師、助教授を経て
1984年 日本大学文理学部教授、現在に至る
目次を表示します。
序論
第1章 和算による数学的基盤の存在とその特質
 第1節 和算の特質と和算家の研究姿勢
 第2節 和算と珠算
 第3節 和算家と庶民の算教育との関わり
第2章 寺子屋における算教育と庶民の数量生活
 第1節 寺子屋・郷学における算教育
 第2節『塵劫記』を中心にみた寺子屋の算の教科書
 第3節 遊戯的問題の教育的意義
 第4節 庶民の数量生活とその処理技術
 第5節 寺子屋の算教育にみられる教科教育としての特色
第3章 洋算導入と算教育環境の変化
 第1節 洋算導入ルートとしての長崎海軍伝習所
 第2節 洋算導入ルートとしての蕃書調所
 第3節 各藩にみられる数学教育再編成と和算家
 第4節 洋算の必要性と和算家の洋算観
第4章 近代学校制度の発足と算術教育 
 第1節 近代化への模索と算教育
 第2節「学制」制定の過程と洋算採用
 第3節「学制」における算術教科の位置づけと特色
 第4節 各府県における「学制」の実施状況
第5章 算術教育の近代化にみられる特徴的現象
 第1節「九九」の扱いと暗記主義
 第2節 暗算重視とその背景
 第3節 算術実用論と珠算論
結論
あとがき 
索引
著者川本亨二 著
発行年月日2000年12月15日
頁数314頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1236-4