産業教育史学研究横井時敬と日本農業教育発達史
産業教育人物史研究Ⅱ
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まえがき
第一章 農業の人となる
1 肥後実学党の精神風土
横井小楠との関係 /熊本洋学校に学ぶ /サムライの没落と土
百姓の活躍 /農学への途
2 駒場農学校の学卒人材
駒場農学校の沿革事情 /駒場農学校のイギリス人教師
/同窓生の語る横井時敬
3 福岡における農事体験
福岡県農学校での教職体験 /福岡県勧業試験場での試験体験
/農業における教育と試験の関係 /塩水選種法の発見と稲作改良
/老農林遠里との関係 /老農と農学者のちがい
4 東京における農政体験
農商務省技師への転出 /浪人時代の農民啓発活動
/足尾鉱毒事件の告発
5 農学と農業教育の人となる
農科大学の誕生 /農学の人となる /農業教育の人となる
/横井時敬における農学と農業教育の関係
第二章 日本農業の国際関係
1 日本農業と西洋農学
日本農業の集約的性格 /西洋農学受容の限界性
/応用的総体的科学としての農学
/農学者と実地家の独立分業論
2 ドイツへの留学体験
農業教育の研究目的 /ドイツ農学の先進性
/ドイツ農業の健全性
3 「東洋のイギリス」論批判
イギリス農業衰退の現実 /ボーア戦争の教訓/
第一次世界大戦の教訓 /イギリス心酔者に対する警告
4 世界各国の農業事情
農業衰えて衰亡した国々 /ベルギーとデンマークのちがい
/農業国フランスの金力 /フランスにおける退廃現象
/農業国ロシアの兵力 /ロシアにおける侵略主義
/農業国アメリカの底力 /アメリカにおける軍国主義
5 世界の中の日本農業
大和民族の稲作伝統 /海外移住の不要性
/植民地経営の必要性 /小農経営の将来性 /集約農業の保守性 /農村社会の理想像 /農村改良の課題性 /農村改良の具体策
第三章 農業立国の人的基盤
1 立国の基礎としての農業
商工業と比較した農業の特性 /国家の大黒柱としての農業
/国を守る所以としての農業 /戦争の不可避性
/国家の干城としての農民
2 農村荒廃の危機的状況
転亡と投機の現象 /農村における都会熱の防止と教育の課題
/農村における出世熱の防止と教育の課題
/農村における社会主義の防止と教育の課題
3 農村指導者としての中産地主
中産地主の状況 /地主と小作人の関係 /
中産地主に期待される資質 /武士道の後継者としての中産地主
4 農業社会における女性の役割
農家における婦人の実権 /農村出稼ぎ女工の問題
/農村社会の良妻賢母像 /高等女学校教育の批判
/ドイツモデルの農村家政学校のすすめ
5 人的基盤確立の教育課題
農村教育の基本理念 /憂慮すべき現今の非実用的教育/
資産と才能に応じた教育 /義務教育実用化のための読書算の教育
第四章 農業の人づくり活動
1 単行書による啓発活動
等身大の単行書 /農業界に対する啓発の意図
/教育界に対する啓発の意図
2 論説と演説による啓発活動
横井時敬の論説一覧 /演説による農民の啓発
/演説を活字化した著作物
3 雑誌と新聞による啓発活動
自編雑誌による農民の啓発 /商業新聞の批判と農民新聞への期待
/農民の協同を目ざす政治的啓発
4 農業教育の理論と提言
普通教育としての農業教育論 /実業教育としての農業教育論
/農業教育の目標と期待される効果 /農業教育に関する公的提言
5 教員養成と教授法の開発
東京帝国大学農業教員養成所 /師範教育の批判とその対処
/農業科教授法の研究開発
第五章 横井時敬と東京農業大学
1 大日本農会の教育事業
榎本武揚による農学校の創立 /大日本農会への移管
/農会事業としての大学経営
2 横井時敬による学校経営
東京農学校の時代 /東京高等農学校の時代
/東京農業大学の時代
3 私立農業大学の教育成果
私立農業大学の存立根拠 /農村指導者の育成
/卒業生の活躍状況
4 大学開放と軍隊農事教育
各種のエクステンション事業 /軍隊農事講習の実施と横井の講義
5 横井時敬の果たした役割
横井の自賛する校風の確立 /東京農業大学の慈父
/関係者による横井時敬の評価 /手島精一とのちがい
注
あとがき
図版出典・所在一覧
横井語録出典一覧―著書
横井語録出典一覧―論説
索引