米国カリフォルニア州初等教科書行政の研究
州集権型教科書行政の成立・展開過程
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序文
序章 研究の意図と方法
1 研究目的
2 問題の提起と先行研究の検討
1)米国教科書行政の多様性
2)集権型教科書行政を分析する理由
3)カリフォルニア州を対象とする理由
4)先行研究の検討
3 研究の課題と方法
第1章 州教科書行政の成立 ~基盤形成~
第1節 州統一教科書採択制度の創設と一時的挫折
1 州統一教科書採択制度の背景とその成立経緯
1)社会的、教育的一般状況
2)州統一教科書採択制度の成立経緯
2 州統一教科書採択制度の一時的廃止
第2節 州統一教科書採択制度の復活と州教科書刊行制度の導入
1 州統一教科書採択制度の復活及び州教科書刊行制度導入の経緯と意図
2 州教科書刊行制度の問題点
3 州教科書刊行制度の修正
第3節 州無償教科書制度の実現
1 州無償教科書法成立の背景
1)無償公教育制度をめぐる状況
2)無償教科書法成立への胎動
2 州無償教科書法の成立とその意味
第4節 州教育課程委員会の設置~教科書評定基準の設定~
1 州教育課程委員会設置の背景
2 州教育課程委員会の役割とその意義
1)同委員会の職務内容と人員構成
2)音楽教科書採択事件のもつ意味
小結
第2章 州教科書行政の展開Ⅰ ~低迷と阻害~
第1節 州教育委員会と州教育課程委員会との相剋
1)相剋の萌芽(地理教科書の採択をめぐって)
2)相剋の本格化(国語教科書の採択をめぐって)
3)相剋の拡大(音楽教科書の採択をめぐって)
4)相剋の激化(国語教科書の採択契約をめぐって)
5)相剋の終息
第2節 戦後「冷戦」期における州教科書制度攻撃の開始
1 教科書攻撃の背景
1)マッカーシー時代の到来
2)「教科としての社会科」に対する関係行政機関内の認識の相違と
関連教材の内容上の不備
2 『アメリカの構築』紛争の具体的経緯
1)攻撃の開始
2)教科書行政関係機関による第1回検討
3)異議申し立て側の反発
4)教科書行政関係機関による第2回検討
5)攻撃の激化
6)州教科書行政関係機関の対応
7)紛争の結末
第3節 州教科書制度に対する出版業者の本格的挑戦
1 出版業者による州教科書制度攻撃の背景的問題状況
1)出版業者と州教科書行政関係機関との対立状況
2)州教科書の刊行状況
3)その他の問題状況
2 Rand MacNally事件と下院教科書調査委員会活動の実相
1)Rand MacNally事件の概要
2)下院教科書調査委員会の活動経緯
小結
第3章 州教科書行政の展開Ⅱ ~改善と進展~
第1節 州関係機関、地方学区、出版社との関係状況
1 教科書採択権及び完成本購入権の再確認
1)Health社初等理科教科書採択事件
2)Levison事件
2 不用教科書焼却事件とその意味
3 教科書経費及びその算出問題への打開策と出版社側の好意的反応
1)教科書経費及びその算出問題への打開策
2)出版社の好意的反応
第2節 市民助言委員会の設置とその活動
1)同委員会の設置
2)同委員会報告書の内容とその意義
第3節 新教学カリキュラムの研究と数学教科書採択問題
1 新教学カリキュラムの研究
2「複数能力別」(multi-track)教科書の採択問題
小結
第4章 州教科書行政における最大紛争事例 ~試練と成果~
第1節『自由の地』教科書紛争の背景と同書採択までの経緯
1 公民権運動への対応と同書の採択
2 州教育課程委員会の「苦しい選択」
1)McPherson委員の立場
2)Bailey委員の立場
3)Rafferty州教育長の立場
第2節『自由の地』に関する評価の対立
1 投書による一般州民の評価
2 専門家の評価
1)Rafferty州教育長の評価
2)Stoops教授の評価
3)Conrad下院議員の評価
4)Comegys準教授の評価
5)Schutz教授の評価
6)Caldwell教授の評価
第3節『自由の地』改訂作業への建設的取り組み
第4節『自由の地』阻止への企てとその挫折
1『自由の地』に対する政治的攻撃の展開
2 州議会議員による歳出承認の妨害
小結
第5章 紛争後州教科書行政の展開 ~接続と移行~
第1節 州教育課程委員会の活動と問題状況
1 州教育課程委員会の具体的活動実態
1)同委員会の組織状況と構成メンバー
2)州教科書の採択状況
3)出版社との関係状況
4)入札の形態
5)審査の具体的過程
6)採択後の改訂
2 採択教科書の急増と現代的教育方法への対応
1)州採択教科書の種類の急増
2)非教科書教材の積極的活用と新しい「教授学習システム」の登場
第2節 複数教科書採択制度の導入の軌跡
1 複数教科書採択制度へ向けた努力
2 複数教科書採択制度の導入
1)州採択教科書の非使用と不足問題
2)複数教科書採択制度の成立とその内容
3 複数教科書採択制度をめぐる問題点
1)「25,000冊制限」問題
2)具体的諸経費の増加問題
3)提出見本本の急増とその対処
4)州教科書刊行制度との関係
第3節 州教育課程委員会の組織改変とその意味
1 組織改変の背景
1)一般的背景状況
2)John Serrano,Jr.v.Ivy Baker Priest事件
3)社会科学教科書採択事件
2 組織改変の内容とその問題点
1)組織改変の具体的内容
2)改変の意味と問題点
小結
第6章 現代州教科書行政の態様 ~今日的実像~
第1節 現行法制下における州教科書行政の基本構造
1)州教育委員会に関する規定
2)教育課程開発及び教材委員会に関する規定
3)教科書・教材内容に関する規定
4)出版社・製造者に関する規定
第2節 州教科書行政の具体的活動内容
1 教育課程の構造開発と教材の採択に関する原理及び年次計画
2 教育課程の構造の開発過程
1)教育課程の構造に関する定義と目的
2)開発の具体的手順
3)開発された教育課程の構造の評価
4)教育課程の構造への追加・修正
3 教材の採択過程
1)教材の提出
2)入札書類の提出
3)公開展示、公示、教材展示センター
4)教材の法的適合性の審査
5)教材の教育的内容の審査
6)一般の参画
7)SMCによるIMEP報告書及び公開展示結果の検討
8)教育課程委員会の勧告内容
9)州教育委員会への勧告
10)採択前の公開展示
11)州教育委員会による採択
12)採択教材の価格表と注文様式
13)出版社・製造者への追加情報の要求
14)特別承認
4 州教材基金と地方学区の教材購入方法
第3節 州教科書行政の課題
1)州教育課程委員会の構成改革と諮問機関による推薦勧告の尊重
2)採択周期の短縮と評定関係者の多忙状況の解消
3)出版社に対する「公平性」確保の徹底と「過剰売り込み」の規制
4)地方学区規則の補強
小結
結章 カリフォルニア州教科書行政の意義と特質
1 カリフォルニア州初等教科書行政の史的動向
1)州教科書行政の基盤形成
2)州教科書行政の低迷と阻害
3)州教科書行政の改善と進展
4)最大教科書紛争
5)紛争後州教科書行政の状況とその展開
6)現行州教科書行政の態様
2 州集権型教科書行政の意義と特質
参考文献
付属資料