博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

「私」の心理

日常生活に寄与できる心理学の視角

定価: 2,200 (本体 2,000 円+税)
本著は、今日、見失いがちな「私」を蘇らせ、私達の健やかな生活に寄与する心理学の視角を提示する著者の心血を注いだ好書。読者の心の琴線に触れ共感を呼ぶ。

【著者略歴】
上野 矗(うえの ひとし)
1937年 長野県長野市に生まれる
1967年 東北大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了
1992年 医学博士(久留米大学)
白梅学園短期大学講師、弘前大学養護教諭養成所教授を経て、
1973年より大阪教育大学助教授となり、現在同大学教授
【主な著書】
『患者に対する精神的援助に関する研究』(風間書房,1994年)
目次を表示します。
はじめに
序章 「私」が問われる!なぜ?
 1)「私」が問われる―日常生活の感覚から
 2)「私」が問われる―日常生活に寄与できる心理学を復活さす視角から 
 3)「私」の問題に自然科学を摸した科学的心理学はなじまない
   ―日常生活に寄与できる心理学を復活さす根拠
 4)「私」の問題への着眼は日常生活に密着した人の具体的理解を可能とす
   る心理学の新しい展望を拓く 
第1章 「私」とは?
 5)心理学における「私」の意味と意義 
 6)「私」にからむパーソナリティーと自我・自己―その構成概念と実在概
   念をめぐって 
 7)「私」がない心理学における自我・自己
 8)「私」がある心理学を拓く自我・自己
 9)心身を統一した身体的存在である「私」
 10)情意的非合理的な感情的存在でもある「私」
 11)生活の只中での「私」―自我・自己という「私」の実在の確認 
 12)生活の只中での「私」―関係存在である「私」
 13)生活の只中での「私」―関係のなかを生きる「私」
第2章 「私」にリアルに迫り,そこから心理学の新しい展望を拓く道程 
 14)心理学における現象学との新たな再会 
 15)哲学としての現象学を経験科学としての心理学の方法論的基盤に導入
   する道程―心理学の新しい展望を拓く経験的現象学的方法 
 16)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(1)生活の営みの舞台としての生活の現実
 17)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(2)問う心理学者(研究者)もまた生活の現実において問われる人
   (被研究者)のひとりである「私」となる 
 18)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(3)二分思考法から融合思考法への転換
 19)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(4)間主観性としての客観性
 20)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(5)説明(知る)と了解(わかる)とを融合する
 21)経験的現象学的アプローチから開かれる展望
   ―(6)心理学が担う研究(基礎)と実践(応用)とを融合する 
 22)経験的現象学的アプローチから開かれる展望の総括
   ―(7)死生の問題を切り口にして
第3章 「私」がリアルに生きる支柱とその力
 23)「私」がリアルに生きる支柱―とも(・・)に(・)=関係
 24)「私」がリアルに生きる支柱―ここ(・・)を(・)=空間
 25)「私」がリアルに生きる支柱―いま(・・)=時間
 26)「私」がリアルに生きる支柱―おかげ(・・・)で(・)=恩恵:個と
    集団・組織とのはざまへの橋渡しと「私たち」という共同世界への
    歩みの支えとして 
 27)「私」がリアルに生きる力―認識(みつめる)と判断(わかる)そし
    て行為(引き受ける)する「私」
 28)生活の現実のなかを生きる「私」に担われてある苦悩と危機との対
   面・対応―勇気と信頼そして責任 
第4章 「私」がリアルに生きる―その営みとしての「話す・聴く」を実らす
    ために
 29)「話す・聴く」を実らせる―気持の機微
 30)「話す・聴く」を実らせる―「私」を出す
 31)「話す・聴く」を実らせる―生活の現実にフィットする
 32)「話す・聴く」を実らせる―関係をつくる
第5章 「私」がリアルに生きる―「話す・聴く」を通じて開かれてくる勇気
    と信頼そして責任そこからの恩恵
 33)勇気にかかわって
 34)信頼にかかわって
 35)責任にかかわって
 36)おかげ(・・・)関係(恩恵)にかかわって 
第6章 生きる「私」の現実に近く迫る援助的理解
    ―経験的現象学的方法による「20答法」へのアプローチから
 37)「20答法」とは 
 38)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(1)
   ―新たな構成と実施法
 39)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(2)
   ―主体的自我が担う基本的な諸指標
 40)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(3)
   ―被実施者の現実に密着した自己理解像のポイント
 41)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(4)
   ―心の世界構築の様相を導く主体的自我のあり方
 42)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(5)
   ―自己理解像の具体例
 43)「20答法」への経験的現象学的方法の適用とその実際(6)
   ―自己理解像に基づく援助的理解を導く具体例
第7章 組織・集団を生きる「私」の現実に近く迫る援助的理解
    ―グループアプローチ(「体験学習」:小集団における気づきの自
    由な話し合い)から
 44)個人と組織・集団とのはざまの今日的様相
 45)個人と組織・集団とのはざまに応える
 46)個人と組織・集団とのはざまを溶かす―グループアプローチ
   (「体験学習」):小集団における気づきの自由な話し合いの実際
 47)個人と組織・集団とのはざまを溶かすグループアプローチ
   ―この「体験学習」の現実的な成果とその意義
終章 「私」の心理―日常生活に寄与しうる心理学との出会い
 48)日常生活に寄与しうる心理学の視角
 49)私たちが生きることの意味
   ―苦悩や危機に立ち向う私たち
 50)私たち人間―このすばらしき「私たち」
あとがき
著者上野矗 著
発行年月日1999年09月15日
頁数234頁
判型 四六
ISBNコード978-4-7599-1155-8

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