産業教育史学研究手島精一と日本工業教育発達史
産業教育人物史研究Ⅰ
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まえがき
第一章 工業の人となる
l 開明サムライの出生
養父の集めた西洋情報 /藩学明親館の洋学教育
/手島精一によるサムライ世界の批判
2 明治初年の留学体験
生涯八回の洋行 /最初の私費留学体験 /工業への志望転換
3 文部事務官への就任
東京開成学校監事 /ワグネルとの出会い /文部
省実力官僚に随行しての万国博出張
4 教育博物館の経営
万国博覧会と教育博物館 /教育博物館にかけた期待
/教育博物館と工業教育の関係
5 工業教育の人となる
東京職工学校の創立経緯 /手島精一における工業教
育論の成熟 /教育博物館からの離別 /浜尾新に
要請されての学校長就任
第二章 日本工業の国際関係
l モデルとしての西洋
外国博覧会で見た西洋事情 /工業教育における学理の応用
/先進西洋のモデル選び
2 アメリカとの提携
新興国アメリカの工業発展 /合衆国教育長官ハリスとの対談
/アメリカでの現業練習の勧め
3 イギリスとドイツの関係
二つの国の比較 /イギリスからドイツへのシフト
/イギリスに残る美風
4 アジアの中の日本
アジアの中での日本の成長 /輸出相手国としてのアジア
/アジアにおける企業活動と就職活動の勧め
/第一次世界大戦のもたらしたチャンス
/入欧に対する入亜のスタンス
5 世界の中の日本工業
固有工業改善の課題 /日本工業の自立化の方途
/工業自立化のための国民意識の変革
第三章 工業立国の人的基盤
1 立国の基礎としての工業
有形の戦争と無形の戦争 /戦後における工業戦争への対策
/輸入超過是正の課題 /工業を国是とすべし
2 工業立国の技術条件
先進西洋の技術力と日本の課題 /三層の工業技術軍
/工業軍の兵卒たる職工の役割 /商工業者連携の課題
3 工業立国の倫理条件
粗製濫造の責任問題 /イギリス人の品性
/日本人工業家の道徳向上論
4 工業社会における女性の役割
女性の職業と技芸教育 /女性の天職としての家庭
/条件整備としての工場法 /共立女子職業学校の教育方針
5 人的基盤確立の教育課題
普通教育の実用化 /専門教育の実用化 /上級学校進
学熱の批判と適材教育の勧め
第四章 工業の人づくり活動
1 活字による啓発運動
西洋情報の収集と紹介 /報告書の執筆 /啓蒙雑誌の論説
/自校のプロパガンダと青少年の啓発
2 工業教育論の構築と提唱
小学校の手工科教育論 /職工徒弟教育論 /工業補習教育論
/ドイツ・イギリスの範例と義務補習教育論
3 工業教育機関の設立支援
高等工業学校の増設 /中等工業学校の開設
/東京の工業教育計画
4 学校を越えた啓発活動
学校以外の教育 /蔵前高等工業のエクステンション事業
/修養団の支援
5 教育政策形成への参画
政府委員としての経歴 /井上文政期の実業教育法制への協力
/学制に関する諮問機関での活動 /工業教育制度改革に関する
自筆草稿
第五章 手島精一と東京工業大学
1 手島精一の学校経営
蔵前高等工業の沿革概略 /手島精一の学校長報告
/蔵前高等工業の教育方針 /手島校長時代の蔵前高等工業の
校勢拡張
2 工業教育の範例づくり
日本工業軍の本営としての蔵前 /工業教員養成所の範例
/職工徒弟学校の範例 /工業補習学校の範例
3 学生指導の基本理念
国家観念の育成 /現業練習の奨励 /品性修養の意義
4 アジア留学生の教育
アジア留学生と蔵前高等工業 /学校長報告に出る留学生の受
け入れ状況 /手島精一の留学生教育観
/中国人留学生の教育成果
5 手島精一の果たした役割
帝国大学と異なる工業教育の路線づくり /帝国大学
と蔵前高等工業の違い /手島精一の自賛する「麗しき校風」
/関係者による手島精一の評価 /渋沢栄一と手島精一
注
あとがき
図版出典・所在一覧
手島語録出典一覧
索引