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教育学における神話学的方法の研究

教育の神話学のための基礎理論とわが国の「一人前」観念の神話学的探求

定価: 8,250 (本体 7,500 円+税)

本書は、80年代ドイツ教育学におけるポストモダン論議の中で登場した神話学という新たな方法を、わが国の教育文化研究に適用しようとする試みである。

【著者略歴】
藤川信夫(ふじかわ のぶお)
1961年 福岡県に生まれる
1984年 広島大学教育学部教育学科卒業
1989年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得退学
広島大学教育学部助手を経て、
現在 広島大学教育学部及び広島大学大学院国際協力研究科講師
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
第一部 現代教育学における神話学的教育研究の意義
 序章 問題提起
  第一節 外国研究、言説と現実の乖離、そして「教育」学
  第二節 新たな枠組みを求めて―方法の適用から方法の精査へ
  註
 第一章 八〇年代ドイツ教育学におけるポスト・モダンの受容
     ―その概観、評価、展望
  第一節 はじめに
  第二節 ポスト・近代教育学
  第三節 ポスト・モダンの部分的な、ないしは冷静な受容
  第四節 ラディカルなポスト・モダンの受容
  第五節 ポスト・モダンの教育学への批判
  第六節 九〇年代へ向けての展望―リスク知、神話学、美学 
  註
 第二章 D・レンツェンの教育の神話学の特質とその適用可能性について
     ―脱神話(学)化と再神話(学)化、近代プロジェクトと
      ポスト・モダンの間での教育神話の歴史的再構成 
  第一節 はじめに
  第二節 教育の神話学の特質
   1 その分析結果―世代関係の消滅と教育(学)の終焉
   2 神話学的方法
  第三節 レンツェンへの批判
  第四節 神話学的方法の意義と適用可能性について
  註
第二部 わが国における「一人前」観念の神話学的探求
 第一章 わが国における「一人前」と人間変容に関する神話学的考察
  第一節 はじめに
  第二節 類型1―死と再生の循環の中の死すべき人間
   l 縄文中期以降の人間変容と「一人前」
   2 文武天皇以前の人間変容と「一人前」
  第三節 類型2―ケガレなき準直線的時間の中の上昇
   l 元明天皇以降の人間変容と「一人前」
   2 中世民衆の人間変容と「一人前」
   3 近世的村落の人間変容と「一人前」
  第四節 類型3―直線的時間における「一人前」の消滅
   l 準直線的人間変容過程の記憶
   2 高度経済成長期以降における直線的人間変容と「一人前」の消滅
  第五節 まとめ―「一人前」の未来
  註
 第二章 「気」の概念と日本的教育学
     ―日常的教育目的としての日本的「気」の形成に関する分析
  第一節 はじめに
  第二節 日本的自己モデル―土居健郎『「甘え」の構造』より
   1 二つの主体―ヒステリーか?
   2 「気」―内なる子供
   3 自己のAutomatic Safety Mechanism
   4 「気」を形成する社会的要因 
   5 Iとme 
   6 「気」の功罪
   7 「気」の概念規定
  第三節 「気」と日本の教育(学)
  註
 第三章 日本的な「自己」と教育の三層構造に関する試論
  第一節 はじめに
  第二節 日本的「自己」の三層構造
  第三節 日本的教育の三層構造
  第四節 第二層の教育―甘えと自立の弁証法
  第五節 ハビトゥスか?
  第六節 三層間の相互関係
  第七節 日本的教育(学)の成立基盤の解体過程
  第八節 展望
  註
  結語
引用・参考文献一覧
あとがき
著者藤川信夫 著
発行年月日1998年11月15日
頁数298頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1102-2