ドイツにおける職業教育・訓練の展開と構造
デュアルシステムの公共性の構造と問題性
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序章 本研究の課題と方法
第1節 わが国における職業教育・訓練の公共性をめぐる問題状況
第2節 問題の所在と分析視角
第3節 デュアルシステムに関する研究の成果と本研究の課題
第1章 工業徒弟制の生成と展開(その1)
―工業熟練労働者(専門労働者)資格の成立
第1節 工業徒弟制成立における職業資格の意義
第2節 手工業と工業の抗争の発生基盤
第3節 抗争の発端―手工業の主張と工業の反論
第4節 職人試験をめぐる対立
第5節 法制上の変化と行政の対応
第6節 工業徒弟制と手工業徒弟制の関係
第2章 工業徒弟制の生成と展開(その2)―工場学校の成立
第1節 工業徒弟制の自立過程の指標としての工場学校
第2節 工場学校の発展区分と各時期の特徴
1.第1期(1889年まで)
2.第2期(1890~1908年)
3.第3期(1909~1924年)
4.第4期(1925年以降)
第3節 工業徒弟制と工場学校
第3章 社会民主主義勢力の職業教育・訓練改革論
―世紀転換期における国立教習作業場の設立要求
第1節 社会民主主義勢力と職業教育・訓練
第2節 国立教習作業場論の背景
1.徒弟制度の改革をめぐる動き
2.世紀転換期までの労働組合の徒弟制度に対する取り組み
3.社会民主党の徒弟制度、青少年問題に対する取り組み
第3節 社会民主党・自由労働組合の国立教習作業場論
1.教習作業場の発生と展開
2.社会民主党・自由労働組合の国立教習作業場論
第4節 国立教習作業場論の評価とその後の展開
第4章 ワイマール期ドイツにおける職業訓練法案をめぐる労使の対立
第1節 職業教育・訓練の法的規制の新たな段階
第2節 職業訓練法案の背景
第3節 職業訓練法案審議の経過
1.専門家会議とドイツ工業労使中央労働共同体での論議
2.政府案の作成
第4節 1927年職業訓練法案の内容と論争点
1.適用範囲
2.一般規定
3.徒弟関係と労働協約
4.試験制度
5.法の実施幾関
6.ライヒ議会での審議と法案の不成立
第5節 職業訓練法案における公共性認識の限界
第5章 ナチス期における工業徒弟制の確立
第1節 ナチス期研究の問題点とナチス期の職業教育・訓練の分析の視座
第2節 工業徒弟制の整備
1.試験制度の整備
2.教習作業場の整備
3.教育・訓練基準の整備
4.半熟練職種の制度化
5.訓練契約の整備
第3節 ナチスイデオロギーと職業教育・訓練
1.ワイマール期の職業教育・訓練論
2.アルンホルトの職業教育・訓練論
3.フェルトの職業教育・訓練論
第4節 職業教育・訓練の主導権をめぐる争い
1.DAF・DINTAの要求
2・経済省、経営者、DATSCHの対応
3.抗争の経過
第5節 職業教育・訓練の統制
1.職業学校制度の整備
2.職業訓練法案
3.手工業徒弟制の統制
第6節「経済の自治」の貫徹と工業徒弟制の完成
第6章 第2次大戦後におけるデュアルシステムの維持と復古
第1節 戦後直後の状況
第2節 政府による職業教育・訓練政策
1.職業訓練法の制定の動き
2.答申「ドイツの青少年の職業訓練についての検討」
3.ウェアーの批判と中央職業教育研究・促進局での論議
第3節 経済界及び労働組合の動向
1.手工業―手工業秩序法の制定
2.工業界―企業職業訓練研究所の設立
3.労働組合の取り組み―ドイツ労働総同盟(DGB)
第4節 量的な発展と質的な復古の時代
第7章 1970年代におけるデュアルシステムの揺らぎ
第1節 経済社会構造の近代化とデュアルシステム
第2節 60年代後半の職業教育・訓練改革論議の背景
第3節 60年代の改革論議と職業教育法の成立
1.60年代前半の改革論議
2.職業教育法の制定
第4節 70年代前半の職業教育・訓練の改革の出発点
1.職業教育法の評価
2.職業教育法実施後の職業教育・訓練の状況
3.ドイツ教育審議会の「徒弟養成の改善勧告」と「教育制度構造
プラン」
第5節 70年代前半の職業教育・訓練改革の進展
1.デュアルシステムにおける「二元性」の克服
2.「職業教育の新秩序のための基本原則(改革の指標)」
3.職業教育・訓練の学校化の試み―職業基礎教育学年制度と企業外
訓練所
第6節 70年代後半の職業教育・訓練改革の停滞・後退
1.職業訓練財政をめぐる論議
2.新職業教育法案の挫折
3.職業訓練ポスト供給促進法
4.経営者団体及び労働組合の対応
第7節 デュアルシステムの「驚くべき弾力性」
第8章 戦後西ドイツにおける1960年代初期までの職業教育理論の展開
第1節 職業―経済教育学の時期区分
第2節 第2次大戦前における職業―経済教育学の状況
第3節 第2次大戦後における精神科学的職業―経済教育学の復活
第4節 実証的職業―経済教育学の先駆的研究
第9章 1970年代における職業教育理論の転換
第1節 実証的研究の進展と職業―経済教育学の現実主義的転換
第2節 批判的職業―経済教育学の展開
1.テクノクラティッシュな改革方向に対する批判
2.批判的職業―経済教育学の背景
3.レンペルトの職業―経済教育学
4.べ-トゲの職業―経済教育学
第3節 批判的職業―経済教育学の意義
第4節 批判的職業―経済教育学とデュアルシステム
終章 デュアルシステムにおける公共性の構造的特質
索引
あとがき