博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

イギリス中等教育行政史研究

定価: 17,050 (本体 15,500 円+税)
わが国において未開拓な領域であるイギリス中等教育行政の成立史を公費維持中等学校制度の形成過程を通して分析した研究であり、克明な論証に裏打ちされている。

【著者略歴】
森川 泉(もりかわ いずみ)
1940年 広島県生まれ
1970年 広島大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
1974年 広島修道大学人文学部講師
1975年 広島修道大学人文学部助教授
現在 広島修道大学人文学部教授、博士(教育学)
目次を表示します。
序章 課題と方法
第1章 中等学校制度形成への胎動と国家関与の萌芽
 第1節 19世紀における中等教育と中等学校
   1 用語としての中等教育と中等学校
   2 19世紀中葉期における諸中等学校
 第2節 文法学校の制度的態様と性格
   1 文法学校の種類と事例
   2 事例9校の概要
   3 文法学校の学校制度的態様
   4 文法学校の「教育行政」的態様
 第3節 文法学校の改革と国家関与の萌芽
   1 慈善委員会設置の史的経緯
   2 慈善委員会と文法学校改革
第2章 中等学校制度形成の要求と中等教育行政制度創設の構想
 第1節 中産階級の中等学校教育要求とその先駆的主張者
   1 中産階級の文法学校批判と中等学校教育要求
   2 中産階級の中等学校教育獲得の手段 
   3 マシュウ・アーノルドの主張 
 第2節 学校調査委員会の中等学校制度構想
   1 パブリック・スクールとクラレンドン委員会 
   2 学校調査委員会の設置と任務 
   3 学校調査委員会の中等学校制度構想 
 第3節 学校調査委員会勧告における中等教育行政制度構想
   1 文法学校の教員・校長と理事会 
   2 地方教育行政機関
   3 中央教育行政機関
   4 地方・中央教育行政機関の相互関係 
 第4節 寄付基金立学校委員会・慈善委員会と文法学校改革
   1 寄付基金立学校委員会の設置と権限 
   2 寄付基金立学校委員会・慈善委員会の文法学校改革
第3章 公費維持中等学校制度形成に関連する教育諸領域の発展と中等教育行政成立への促進要因
 第1節 中等学校教育と初等教育制度の定着・発展
   1 初等教育制度の法制的基盤 
   2 初等教育制度の定着・発展
   3 中等学校教育と初等教育制度発展の影響 
 第2節 中等学校教育と科学・技術教育の制度的発展
   1 科学・技術教育の国家的必要とその背景 
   2 中等学校教育と科学・技芸局の教育振興策
   3 中等学校教育とサミュエルソン委員会・デヴォンシャー委員会
   4 中等学校教育と科学・技術教育制度発展の影響 
 第3節 女子中等学校の制度的拡充
   1 中産階級の女子教育と女子高等教育機関 
   2 女子中等学校教育の制度的拡充 
 第4節 1890年代における中等学校の制度的問題と中等教育行政の必要
   1 教育局による1897年中等学校調査 
   2 中等学校の制度的状況とその問題
   3 当面する中等学校制度形成の課題 
第4章 公費維持中等学校制度の形成と中等教育行政の成立
 第1節 中等学校制度の必要とプライス委員会の構想
   1 1890年代における中等学校改革論 
   2 プライス委員会の中等学校制度構想 
 第2節 中等学校に関する地方教育行政機関設置の試み
   1 中等学校に関する既存の諸教育行政機関 
   2 プライス委員会勧告における中等教育行政
   3 中等学校に関する地方教育行政機関設置の試み 
 第3節 中等教育行政の成立
   1 中央教育当局としての教育院の創設 
   2 地方教育当局の創設
   3 地方・中央教育当局の相互関係 
第5章 公費維持中等学校制度の発展と中等教育行政の展望
 第1節 中等学校制度の構造と中等学校カリキュラム 
   1 二元的中等学校制度と公費補助制度
   2 1904年中等学校規則とカリキュラム
 第2節 初等学校・中等学校の制度的分離と部分的接続
   1 初等学校・高等小学校と中等学校との分離 
   2 補助金受給中等学校における無償席制度と中等学校教育機会の拡充
 第3節 公費維持中等学校制度の発展と中等教育行政
   1 1918年教育法の理念と公費維持中等学校制度
   2 ヤング委員会勧告と1920年代以後の公費維持中等学校制度 
結章 公費維持中等学校制度の形成過程と中等教育行政の成立
あとがき 
主要参考文献
索引
著者森川泉 著
発行年月日1997年02月28日
頁数438頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1023-0