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韓国近代学校における民族主義教員養成の成立過程

定価: 22,000 (本体 20,000 円+税)
韓国の近代学校に日本の教員養成が移入される過程に、韓国の民族主義教員養成がどのように成立したのか。教員養成の固有性の視点から初めてその全容を解明した。

【著者略歴】
朴 成泰(パク ソンテ)
1954年6月 韓国慶尚南道生まれ
1980年6月 釜山市立交響楽団入団(Clarinet奏者)
1980年9月 慶南大学音楽教育科卒業
1981年5月 釜山教育大学音楽教育科非常勤講師
1988年3月 武蔵野音楽大学大学院音楽教育学修士課程修了
1991年3月 東京学芸大学大学院教育方法学修士課程修了
1996年3月 東北大学大学院教育内容学博士課程修了
博士(教育学)
1996年10月 山口大学教育学部助教授
現在 山口大学教育学部助教授(音楽教育科)
目次を表示します。
まえがき
序論
 1 本論の課題
 2 時代区分
 3 研究方法
 4 研究資料
第Ⅰ部 近代的教員養成の萌芽
 第1章 韓国近代化の前提
  第1節 近代化への政治的展開
   1 列強の侵略と鎖国政策
   2 日本の侵略による強制開国
   3 近代化への批判と壬午軍乱
   4 開化派による甲申政変
  第2節 前近代的教育の遺産
   1 初等教育としての書堂
   2 中等教育としての四学・郷校・書院
   3 高等教育としての成均館
   4 科挙制度と教員検定試験としての取才
第2章 宣教系学校における教員養成の構想
  第1節 培材学堂のリベラル・エデュケーション志向
   1 アッペンゼラーの来韓
   2 培材学堂の教育活動と教員養成
  第2節 梨花学堂の伝統文化尊重
   1 スクラントン女史の来韓
   2 梨花学堂の教育活動と「教員服務義務」
  第3節 けい(イに敬)新学校の儒教的教養重視
   1 アンダーウッドの来韓
   2 けい(イに敬)新学校の教育活動と教員養成
  第4節 宣教系学校における教員養成の胎動
第3章 民族系学校における教員養成の基底
  第1節 元山学舎の民族精神覚醒
   1 元山学舎の設立経緯
   2 元山学舎の教育活動
   3 元山学舎の再検討
  第2節 同文学の人文・社会的教養志向
   1 同文学の教育活動
   2 同文学の再検討
  第3節 育英公院の近代的教養重視
  第4節 民族系学校における教員養成の胎動
 第4章 日本系学校における教員養成の胎動
  第1節 目語学校と留学生派遣
   1 岡倉由三郎の教育活動
   2 有次満象の「見聞録」にみられる日語学校
  第2節 日本系学校における教員養成の胎動
 第5章 黎明期における教員養成と教師像
第Ⅱ部 「三気質」主義教員養成の移入
 第1章 甲午改革による教育の近代化
  第1節 東学農民乱と日清戦争
  第2節 近代化への甲午改革
  第3節 甲午改革による教育の近代化
 第2章 日本の「三気質」主義教員養成
  第1節 森有礼の教員養成観
   1 教育政策の基本構想
   2 教員養成論
   (1)「三気質」教員養成論
   (2)教育者精神論
  第2節 「師範学校令」と師範学校の改革
  第3節 学科課程の編成
  第4節 軍隊式教育の導入
   1 兵式体操の導入
   2 軍隊式教育の展開
 第3章 韓国と日本の教員養成論
  第1節 師範学校条例取調委員の教員養成論
   1 高嶺秀夫の開発教授法
   2 中川元の教育学研究重視論
   3 手島精一の実業的教養重視論
  第2節 教員養成論争
   1 2年制専門教育論
   2 教育者精神論
   3 Normal Method論
  第3節 対韓植民地教員養成論
   1 私立師範学校設置勧奨論
   2 簡易中学校合同教員養成論
   3 韓国教員養成制度論
   4 義務教育準備と教員養成優先論
   5 教育者精神論
  第4節 外交使節団の教員養成論
   1 東西折衷教員養成論
   2 Normal Method論
第4章 教員養成機関における「三気質養成」の移入
  第1節 民族系学校における「三気質養成」の移入
   1 漢城師範学校の創設と「三気質養成」
   (1)漠城師範学校の創基―「師範学校」の設立
   (2)漢城師範学校の創設過程と「師範学校」の関連性
   (3)漠城師範学校に関する法規
     1)「漢城師範学校官制」と日本の1886年「師範学校令」
     2)「漢城師範学校規則」と「三気質養成」の移入
     3)漢城師範学校の学科課程
   (4)「三気質養成」の挫折と「兵式体操」の変容
   (5)漠城師範学校の教員養成と教師像
   2 中学校の教科専門教育
   3 民族系学校における教員養成の模索
  第2節 日本系学校における日本語教育と「三気質養成」
   1 韓商学堂の日本語教員養成
   2 仁川外国語学校の日本語教員養成と軍隊式教育
   3 京城学堂の「実業」教員養成と兵式体操の強化
   4 日本系学校における教員養成の模索
  第3節 宣教系学校における民族精神教育
   1 梨花学堂と教員養成体制への整備
   2 培材学堂の民族精神教育
   (1)学制整備と民族精神教育
   (2)政府委託生による教員養成
   3 宣教系学校における教員養成の模索
 第5章 開化期の教員養成と教師像
第Ⅲ部 民族主義教員養成の成立
 第1章 「日韓保護条約」と統監府の教育政策
  第1節 「日韓保護条約」の締結
  第2節 統監府の教育政策
   1 統監府教育政策の基本構想
   2 植民地教育への教育法規
   3 「模範教育」と初等教育
   4 高等教育の抑制と中等教育
 第2章 対韓植民地教員養成論
  第1節 日本政府・統監府による教員養成論
   1 幣原坦の「韓国教育改良案」
   2 文部省学制と雑誌『新人』
   3 学部次官俵孫一と青木寛吉の教員養成無用論
  第2節 民間・団体による教員養成論
   1 大日本帝国教育会の「韓国学制大綱」
   2 雑誌『教育界』の「速成師範学校」
   3 雑誌『教育時論』の「特殊師範学校」
   4 堀江秀雄の「新教育者」
 第3章 教員養成機関における民族主義教員養成の成立
  第1節 日本系学校における「教育者精神主義」の移入
   1 日本の「教育勅語」と井上毅の「教育者精神」
   2 官立漢城師範学校への改組と「教育者精神主義」
   (1)官立漢城師範学校に関する法規
     1)「師範学校令」
     2)「師範学校令施行規則」改正
   (2)増戸鶴吉の教員養成思想
   (3)臨時教員養成科の特設
   (4)「各科教授法」―『普通教育学』
   (5)官立漢城師範学校の実憩
   3 官立漠城高等学校の教科専門教育
   4 官立漢城高等女学校の「実業」教員養成
   5 日本系学校における教員養成の展開
  第2節 宣教系学校における民族主義教員養成の台頭
   1 宣教系学校の発展
   2 宣教系学校に対する学部当局の対応
   3 培材学堂の「教費制」教員養成
   4 梨花学堂の教員養成と伝統文化重視
   5 けい(イに敬)新学校の民族主義教員養成
   6 宣教系学校における教員養成の展開
  第3節 民族系学校における民族主義教員養成の成立
   1 教育救国運動の展開
   2 民族精神の具現
   (1)民族精神論
   (2)「英雄論」
   (3)東西折衷論
   3 民族的教師論
   (1)民族精神主義教師論
   (2)「英雄」的教師論
   4 民族系学校教員
   (1)教員不足と教員養成論
   (2)学部当局の私立学校教員政策
   5 民間による教員養成
   (1)「勉学会」の安岳夏期師範講習所
   (2)大成学校の「務実力行」
   (3)五山学校の民族精神教育
   (4)平壌夏期師範講習所の開発教授法
   6 学会による教員養成
   (1)国民師範学校のキリスト教精神
   (2)西友師範学校の東西折衷
   (3)畿湖学校の「各科教授法」
   7 民族系学校と教員養成の展開
 第4章 民族主義教員養成と教師像
結論
あとがき
著者朴成泰 著
発行年月日1996年11月15日
頁数584頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1001-8