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ロシア障害児教育史の研究

定価: 17,600 (本体 16,000 円+税)

1920年代を中心に19世紀末から1930年代までのロシアにおける障害児、特に知能遅滞児の教育の歴史的検討を行った20年に渡る丹念な資料収集と研究の蓄積の集大成。

【著者略歴】
渡辺健治(わたなべ けんじ)
1948年生まれ
1979年筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科中退
    島田療育センター(児童指導員)を経て
現在,東京学芸大学助教授,博士(教育学)
専攻,障害教育学,障害児教育史
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
歴史はいまも続いている
序文
序章
一 問題の所在と研究の目的
(-)ソビエト政権と障害者問題
(二)研究の目的と課題
二 研究の視点
三 研究の方法
四 先行研究
序章文献
第一章 帝政ロシア期の知能遅滞児教育
第一節 知能遅滞児問題へのアプローチの分化
(-)治療一教育施設の設置と知能遅滞児教育
(二)重度知能遅滞児の養育と教育
(三)第二回ロシア技術職業教育活動者大会
第二節 第一次革命後の知能遅滞児教育
(-)革命運動と教育要求
(二)モスクワにおける補助教育の導入過程
(三)補助学級,禰助学校の設置の促進
(四)補助学校の制度化への取り組み
(五)第一回全ロシア国民教育問題大会
第三節 知能遅滞の概念と補助学校の対象児
(一)知能遅滞の概念
(二)補助学校の対象児
第一章のまとめ
第一章文献
第二章 ソビエト政権の障害児教育
第一節 ソビエト政権による障害児施策
(一)1918年憲法と障害者
(二)教育を受ける権利
(三)ソビエト政権の教育制度
(四)障害児の教育施策
第二節 ソビエト社会における障害児問題解決の試走
(一)第一回子どもの障害犯罪浮浪との開いに関する全ロシア活動者大会
(二)知能遅滞児教育の状況
第二章のまとめ
第二章文献
第三章 知能遅滞児教育の社会主義的解決法の模索
第一節 ソビエトにおける知能遅滞児教育の試行
(一)道徳的障害理論の克服
(二)1920年代中期の知能遅滞児教育
第二節 障害児教育の転換
(一)教育人民委員部へのヴィゴツキーの赴任
(二)未成年者社会的法的保護第二回大会
(三)大会への新提案
(四)知能遅滞児の施設に関する法令案
(五)大会の決定
第三節 ヴィゴツキーの障害児教育改革の構想
(-)生物学主義的障害観の克服
(ニ)障害の構造的把握
(三)障害児教育論の展開
第三章のまとめ
第三章文献
第四章 知能遅滞児教育の創造期
第一節 補助学校,補助学級の制度的確立
第二節 コンプレックスプログラムの導入過程
(-)ソビエトの普通学校におけるグースプログラムの導入過程
(二)補助学校のプログラムの編成過程
(三)補助学校プログラムの検討
(四)補助学校における教育実践
(五)コンプレックスプログラムの廃止
第三節 補助学校,補助学級の対象児
(一)1920年代初期の補助学校の対象児
(二)知能遅滞と教育困難
(三)重度知能遅滞児へのアプローチ
第四節 ヴィゴツキーの障害児教育理論の展開
(-)ヴィゴツキーの障害概念
(ニ)ヴィゴツキーの障害補償論
(三)文化的発達の理論
(四)ヴィゴツキーの能力人格論
第四章のまとめ
第四章文献
第五章 児童学と障害児教育
第一節 児童学大会と「教育困難児」問題
(一)児童学の形成過程
(二)児童学大会
(三)児童学的活動の展開
第二節 ヴィゴツキーの児童学構想
(一)困難児問題とヴィゴツキー
(二)ヴィゴツキーの児童学構想
(三)困難児カテゴリーの設定
(四)ゲィゴツキーによる困難児の児童学構想
第五章のまとめ
第五章文献
第六章 知能遅滞児教育の葛藤と児童学批判 
第一節 知能遅滞児教育の葛藤
(一)教育行政の変容
(二)知能遅滞児の義務教育制度の実施
(三)補助学校のプログラムの改訂
第二節 児童学批判の検討
(-)児童学に関する法令の検討
(二)テストについての児童学者の態度と困難児の選抜システ
(三)教育困難児のための補助学校
第六章のまとめ
第六章文献
終章 全体考察と今後の課題
資料
年表
あとがき
索引
著者渡辺健治 著
発行年月日1996年03月31日
頁数392頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0978-4