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教授コミュニケーションと教授言語の研究

コミュニケーションとことばの教科論的分析

定価: 20,900 (本体 19,000 円+税)
コミュニケーションしないでは、あらゆる教科の教授は可能ではない。教授のこの基本事実から出発して、デイアローグを原理とした新しい教科論構想を提起している。

【著者略歴】
木下百合子(きのした ゆりこ)
1947年 大阪府八尾市に生まれる
1972年 大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了
現在 大阪教育大学教授
目次を表示します。
まえがき
 序 章 教授コミュニケーションと教授言語の研究課題と研究方法
第一部 コミュニケーションとことばの基本問題
 第一章 コミュニケーションとことばの言語学的アスペクト
  第一節 術語としての「ことば」の意味内容
  第二節 術語「言語諸能力」と「言語システム」と「言語活動」と「テクスト」
  第三節 コミュニケーションと言語活動の関係
  第四節 言語科学におけることばの機能の活動論的把握
  第五節 テクスト生産とテクストとテクスト受容の三項関係
 第二章 言語文化とコミュニケーション文化の言語学的アスペクト
  第一節 現実客体と意識と思考とことばの関係
  第二節 一般陶冶の本質的な成分としての言語文化とコミュニケーション文化
  第三節 言語規範と言語文化とコミュニケーション文化の関係
  第四節 民主主義的人格の言語文化とコミュニケーション文化への社会的要求
 第三章 人格の心理的発達にとってのコミュニケーションとことばの意義
  第一節 コミュニケーションとことばの心理学的アスペクト
  第二節 ノンバーバルコミュニケーションにおける意味の発生
  第三節 ことばの習得の全身体性と社会的・歴史的・文化的諸条件
  第四節 意識とことばの統一
  第五節 人格の全体的発達とコミュニケーションとことば
 第四章 コミュニケーションとことばの教育心理学的アスペクト
  第一節 教育心理学における活動構想
  第二節 分析単位としての協同的学習
  第三節 テクスト受容とテクスト生産の諸能力の形成と発達
  第四節 協同的学習の発達心理学的アスペクト
 第五章 言語文化とコミュニケーション文化の教育学的アスペクト
  第一節 個人と社会の媒介としてのゾチアールなコミュニケーション
  第二節 社会的発展のファクターとしての教授
  第三節 コミュニケーション的・協同的事象としての教授
  第四節 言語文化とコミュニケーション文化の創造過程としての教授
第二部 教授におけることば
 第一章 教授原理としてのディアローグ
  第一節 教授学的に意図された言語課程としての教授
  第二節 全ての教科教授における言語陶冶と訓育
  第三節 ディアローグ原理の実現の主要課題
  第四節 言語的コミュニケーションと言語活動の実践の場としての教科教授
  第五節 教科教授における言語的コミュニケーションのディアローグ性
 第二章 テクストとしての教授言語
  第一節 教授とことばの根源的な相互依存関係
  第二節 教授言語の問題性
  第三節 教授言語と教授の社会性
  第四節 教授言語の使用の問題
  第五節 教授言語に作用する諸テクスト
 第三章 教授における生徒の個性的人格発達と教授言語
  第一節 多様な言語文化とコミュニケーション文化との出会い
  第二節 教授コミュニケーションとマスコミュニケーションの関連と相違
  第三節 主体ポジションにたつ生徒の活動
  第四節 教授における模倣と模範作用
  第五節 教授における間人間的関係と生徒の個性と社会性の発達
 第四章 教授の方法ストラテジーと教授言語の関連
  第一節 教授方法の言語的アスペクト
  第二節 コミュニケーション方式の内容的アスペクト
  第三節 方法ストラテジーと教授の計画と構成
  第四節 コミュニケーションプログラムとしての授業の計画
 第五章 素材提示のコミュニケーション方式と教授言語
  第一節 素材提示のコミュニケーション方式の教授機能
  第二節 素材提示のコミュニケーション方式のディアローグ性
  第三節 教授手段を用いた素材提示のコミュニケーション方式
  第四節 発見的・問題的なコミュニケーション方式
  第五節 物語るコミュニケーション方式
  第六節 重複の構成とノンバーバル手段との結合
 第六章 思考や見解や知識の交換のコミュニケーション方式と教授言語
  第一節 思考や見解や知識の交換のコミュニケーション方式の教授機能
  第二節 思考や見解や知識の交換のコミュニケーション方式における聞くことの意義
  第三節 質問タイプとコミュニケーション構造の関連
  第五節 教授ディスカッションの意義とコミュニケーション構造の分析
 第七章 学習過程の指導と統御と評価と判定のコミュニケーション方式と教授言語
  第一節 学習過程の指導と統御と評価と判定のコミュニケーション方式の教授機能
  第二節 教授における相互統御と相互評価と相互判定
  第三節 ゾチアールな価値の体験とアイデンティティの体験
  第四節 教授におけるノンバーバルコミュニケーションの意義
  第五節 教授におけるゾチアールな間人間的関係の文化の創造と教授言語
第三部 教授コミュニケーションと協同と教授学的構想
 第一章 教授学的理論構築の基本ポジション
  第一節 教授学的基本問題としてのコミュニケーション
  第二節 コミュニケーションと主体ポジションと個人的人格発達
  第三節 相互媒介と相互習得のファクターとしてのコミュニケーション
  第四節 伝統的なものと新しいものとの関連
 第二章 集団的主体による教授の協同構成と協同決定と協同責任
  第一節 伝統的な教授学的構想の再検討
  第二節 教えるものと学ものの主体ポジションの弁証法
  第三節 教授過程における教えるものと学ものの相互豊富化
  第四節 教えるものと学ぶものの相互教育と自己教育の過程としての教授
  第五節 教授における主観的諸ファクターと客観的諸条件との関連
 第三章 コミュニケーションメディアとしての教材
  第一節 教材概念の拡大
  第二節 素材媒介とコミュニケーション構造の関連
  第三節 教科に固有なコミュニケーションメディアのコミュニケーション潜在力
  第四節 教科に固有なコミュニケーションメディアとコミュニケーション方式の関連
 第四章 教授コミュニケーションにおける訓育ファクター
  第一節 教授過程における陶冶と訓育の統一
  第二節 教授コミュニケーションにおける価値判断
  第三節 価値判断と教授における社会的規範との関連
  第四節 価値判断と教授における評価構造との関連
  第五節 価値判断と教授におけるゾチアールな諸関係との関連
 第五章 教授コミュニケーションと協同における認知遂行
  第一節 教授のゾチアールな諸関係における活動の認知的アスペクト
  第二節 教授コミュニケーションと認知遂行
  第三節 教科に固有なコミュニケーション方式と認知遂行
  第四節 教科に固有な美的習得の意義
  第五節 教科に固有なコミュニケーション諸能力の発達
 第六章 教授コミュニケーションにおける協同的学習
  第一節 教授過程の最適化構想
  第二節 教授における協同的学習の方法的・組織的形態
  第三節 協同的学習諸能力の形成と発達
  第四節 協同的学習の諸資質の形成と発達
 第七章 教授におけるゾチアールな間人間的関係の文化の創造
  第一節 個性的人格発達とゾチアールな間人間的関係の関連
  第二節 協同的学習におけるゾチアールな間人間的関係の発達
  第三節 ゾチアールな間人間的関係における自立的な振舞調整への能力付与
  第四節 教授における言語文化とコミュニケーション文化の創造
 第八章 教授コミュニケーションと協同の実験的研究の中間総括と今後の課題
  第一節 授業ホスピテーションのアスペクトと標識
  第二節 コミュニケーションと協同を指導メルクマールとして中間分析の成果
  第三節 教授のコミュニケーションと協同の現状の段階特殊性
  第四節 教授におけるコミュニケーションと協同の実験的研究の継続課題
著者木下百合子 著
発行年月日1996年02月29日
頁数534頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0966-1