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João Rodriguez 『ARTE GRANDE』の成立と分析

定価: 13,200 (本体 12,000 円+税)

イエズス会士 João Rodriguezがあらわし、17世紀初頭に出版された文法書『ARTE GRANDE』。その成立の背景をさぐり、記述を分析。著者長年の研究成果の集大成。

【著者略歴】
馬場良二(ばば りょうじ)
昭和52年3月 東京外国語大学ポルトガル・ブラジル語学科卒業
昭和54年3月から55年2月
        ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ連邦大学文学部非常勤講師
昭和56年3月 東京外国語大学大学院外国語研究科日本語学専攻修了(文学修士)
昭和57年4月 文化外国語専門学校専任講師
昭和62年4月 文化女子大学専任講師
平成1年3月  熊本女子大学専任講師
平成3年4月  熊本女子大学助教授
平成6年4月  熊本県立大学助教授
平成11年4月 熊本県立大学教授
平成25年6月 東京外国語大学 博士(学術)取得
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
ポルトガル語原文からの転写と訳について
第1章 文典成立の歴史的および言語的背景
 1.大航海時代
 2.イエズス会
 3.西欧世界の言語観
 4.Rodriguezの語学力
 5.Rodriguezの情熱
 参考文献
第2章 ラテン語学の与えた影響
 1.Rodriguezの言語観
 2.Manoel AlvarezのDE INSTITVTIONE GRAMMATICA
 2-1 ギリシア語、ラテン語文典の歴史
  2-2 天草版DE INSTITVTIONE GRAMMATICA
 3.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAと日本語
  3-1 Admonitio
  3-2 名詞Dominusの格変化
  3-3 ラテン語、日本語、ポルトガル語の動詞活用が3欄組
  3-4 日本語の例文
 4.土井氏の指摘
  4-1 全体の構成
  4-2 名詞の格
  4-3 名詞の複数
  4-4 Verbo substantivo
  4-5 Modo optativo
  4-6 日本語の例文
 5.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAとARTE GRANDEの章立ての対照―対応関係がはっきりしている章―
  5-1 名詞の語形変化
  5-2 動詞
   5-2-1 動詞活用
   5-2-2 活用の不規則な動詞
   5-2-3 動詞文
   5-2-4 能動、受動
   5-2-5 動詞の不定法、動名詞、目的分詞、分詞
  5-3 副詞、間投詞、接続詞
  5-4 修辞法
  5-5 発音
  5-6 詩歌について
  5-7 名字について
  5-8 語の移入とその発音
 6.ARTE GRANDEにあってDE INSTITVTIONE GRAMMATICAにはない章について―言語的な記述―
  6-1 形容動詞
  6-2 動詞の否定語根
  6-3 書きことばの動詞
  6-4 待遇
  6-5 助辞
  6-6 格辞
  6-7 後置詞
  6-8 「こゑ」と「よみ」
  6-9 関係詞
  6-10 方言
  6-11 G-79:LIVRO Ⅰのまとめ
 7.ARTE GRANDEにあってDE INSTITVTIONE GRAMMATICAにはない章について―文化的な記述―
  7-1 書状
  7-2 数、年号、時刻
 8.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAにあってARTE GRANDEにはない章について
 9.おわりに
 参考文献
  図2-1 巻頭のADVERTENCIAS(緒言)の一部
  図2-2 DE INSTITVTIONE GRAMMATICA、ARTE GRANDE章立て対照図-1
  図2-3 DE INSTITVTIONE GRAMMATICA、ARTE GRANDE章立て対照図-2
  図2-4 DE INSTITVTIONE GRAMMATICA、ARTE GRANDE章立て対照図-3
第3章 ADVERBIO「副詞」について
 0.はじめに
 1.Téchnē grammatikē'とDE INSTITVTIONE GRAMMATICA
 2.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAとARTE GRANDE-1
 3.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAのRVDIMENTA
  3-1 冒頭
  3-2 副詞の25分類
 4.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAのCONSTRVCTONE
 5.ARTE GRANDEのRVDIMENTA
  5-1 冒頭
  5-2 イ形容詞の連用形
  5-3 ナ形容詞の連用形
  5-4 畳語の半分+-mequ
  5-5 畳語の副詞の語例
  5-6 -to、-doでおわる副詞
  5-7 畳語+-toxite
  5-8 副詞の30分類
 6.ARTE GRANDEのCONSTRUIÇÃO
  6-1 冒頭
  6-2 副詞一般について
   6-2-1 動詞、イ形容詞、ナ形容詞の連用形
   6-2-2 動詞のテ形
   6-2-3 ‘こゑ’の畳語+-toxite
   6-2-4 ‘よみ’の畳語
   6-2-5 畳語の半分+-mequ
   6-2-6 ナ形容詞の連用形、-ニでおわる副詞
  6-3 各論
   6-3-1 -として、-して
   6-3-2 こそ、結句、却って
   6-3-3 さへ、すら、だに、だにも、だも、だし
   6-3-4 おいて、おいては、おいてをや、とっては、いたっては
   6-3-5 ところ、ところに
   6-3-6 ほど、ほどの、ほどに
   6-3-7 却って、結句
   6-3-8 よも
   6-3-9 やう、やうだい、やうす、体(てい)、やうに
   6-3-10 べう、つべう、つべしい、覚しい
   6-3-11 ばし
   6-3-12 ばかり
   6-3-13 だて、ふり、ぶり
   6-3-14 さま、さまに
   6-3-15 まま、ままに
   6-3-16 まい
  6-4 ポルトガル語の品詞について
 7.DionysiusからAlvarez、そして、Rodriguezへ
 8.DE INSTITVTIONE GRAMMATICAとARTE GRANDE-2
 9.ARTE GRANDEにおけるくり返し
 10.ARTE GRANDEのAdverbio「副詞」について
 11.Rodriguezの独自性とその工夫
 参考文献
  図3-1 DionysiusからAlvarez、そして、Rodriguezへ
  図3-2 DE INSTITVTIONE GRAMMATICAとARTE GRANDEの構成対照図
  表3-1 DE INSTITVTIONE GRAMMATICAの副詞の25分類
  表3-2 DE INSTITVTIONE GRAMMATICAのCONSTRVCTIONE
  表3-3 ARTE GRANDEの副詞の30分類
  表3-4 ARTE GRANDEのCONSTRUIÇÃO-副詞一般について
  表3-5 ARTE GRANDEのCONSTRUIÇÃO-各論
第4章 elegância、elegante、elegantemente
 1.elegânciaの由来
  1-1 ラテン語の歴史的変遷
  1-2 Lorenzo Valla
 2.「エレガント」の語義
  2-1 古典ラテン語におけるエレガントの語義
  2-2 語源辞典によって知りうる16世紀のポルトガル語での語義
  2-3 現代ポルトガル語での語義
 3.「エレガント」な日本語とは
 4.日本語教育の見地から
 5.言い誤り、直訳
 6.「一覧表」について
 7.「エレガント」の分類
  7-① 同義語
  7-② 複合語
  7-③ 副詞
  7-④ 尊敬、礼儀
  7-⑤ 複合述語
  7-⑥ 中級文型
  7-⑦ 語、句、形態素
  7-⑧ 助詞
  7-⑨ 文末要素
  7-⑩ 語順
  7-⑪ 動詞と法
  7-⑫~⑰の「エレガント」
 8.Rodriguezの「エレガント」
 参考文献
  表4-1 ARTE GRANDE、ARTE BREVEの「エレガント」一覧 出現順
  表4-2 ARTE GRANDE、ARTE BREVEの「エレガント」一覧 分類
第5章 sonsonete
 1.sonsonete
2.sonsoneteとは?:辞書にある記述
  2-1 DICIONÁRIO ETIMOLÓGICO
  2-2 Diccionario crítico etimológico castellano e hispánico
  2-3 DICCIONARIO LINGUA PORTUGUEZA
 3.ARTE GRANDEとARTE BREVEの記述
  3-1 もったいぶった調子、皮肉っぽい響き
  3-2 いなかくさいゆるんだ調音
  3-3 ポルトガル語なまり
  3-4 有声子音の前の鼻音
 4.João Rodriguezのsonsonete
 参考文献
  表5 sonsonete一覧
第6章 língua、linguagem、palavra
 1.língua
 2.linguagem
 3.palavra
 参考文献
  表6-1 língua一覧
  表6-2 linguagem一覧
  表6-3 palavra一覧
第7章 Bodleian本とCrawford本
 1.Crawford本の書きいれについて
 2.余白の印刷
 3. Bodleian本とCrawford本とを見くらべて
 参考文献
  図7-1 通し番号1の書きいれの写し
  図7-2 Bodleian本 第13葉裏の影印
  図7-3 Bodleian本 第213葉裏の影印
  図7-4 Bodleian本 第14葉裏の影印
  図7-5 Bodleian本 第76葉裏の影印
  図7-6 Bodleian本 第140葉裏の影印
  表7 Crawford本書きいれ一覧
第8章 DE INSTITVTIONE GRAMMATICAとARTE GRANDEとにおける日本語引用例の対照
 1.日本語引用例の対照
 2.では、なぜそれほどにいそいだのか。
 3.字体の乱れと乱丁
 参考文献
  図8-1 第65葉裏 Rongo
  図8-2 LICENÇA(允許状)
  図8-3 第107葉裏 1606年
  図8-4 第107葉裏 1605年
  図8-5 第240葉 奥付
  図8-6 第2葉表
  図8-7 第2葉裏
  表8 日本語引用例 DE INSTITVTIONE GRAMMATICA、ARTE GRANDE対照表
第9章 Bodleian本と訳本とのローマ字つづりの異同
 0.はじめに
 1.表の見方
 2.ケアレスミス
 3.スペース
 4.大文字と小文字
 5.「,」、「.」、「?」
 6.アクセント記号
  6-1 読み取れないはずのものが印刷されている
  6-2 アクセント記号が補完されている
  6-3 アクセント記号がなかった
  6-4 アクセント記号を改変した
 7.つづり
  7-1 アルファベットが補完されている
  7-2 つづりがふえている
  7-3 つづりがへっている
  7-4 つづりがかわっている
 8.脚注の記述
 9.おわりに
  図9-1 通し番号14「vŏxeraruruca」
  図9-2 通し番号83「yóriua」
  図9-3 通し番号28「n onodegozaru」
  図9-4 通し番号422「xita aru」
  図9-5 通し番号337「tachiyoritam?i」、ARTE GRANDEの第150葉裏
  表9 ローマ字表記の異同一覧
第10章 おわりに
謝辞
参考文献
著者馬場良二 著
発行年月日2015年01月31日
頁数408頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2058-1

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