博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

トラウマケアとPTSD予防のためのグループ表現セラピーと語りのちから

国際連携専門家養成プログラム開発と苦労体験学の構築

定価: 2,750 (本体 2,500 円+税)

東日本大震災における被災者のトラウマケア/リカバリーとPTSD予防のための心理社会的支援を行なってきた国際NGOイスラエイド(IsraAID)および一般社団法人日本イスラエイド・サポート・プログラム(JISP)の5年間の活動を通して、「グループ表現セラピー」と「語り」のちからの有効性について、臨床実践と研究をふまえ実証的に明らかにしようとする国際的取組みの書。

【編著者】
井上孝代(いのうえ たかよ)
 JISP 理事。九州大学大学院文学研究科博士課程単位満期退学(心理学専攻)。東京外国語大学留学生日本語教育センター教授を経て1998年より明治学院大学心理学部教授。博士(教育心理学:九州大学)。臨床心理士。病院、社会福祉、教育機関の心理カウンセラー、家庭裁判所調停員、自治体の各種審議会委員、総務庁世界青年の船指導官・カウンセラーなどを経験。マクロ・カウンセリング研究会主宰者として、マクロ・カウンセリングを提唱。トランセンド研究会元会長。

いとうたけひこ(伊藤 武彦)
JISP 代表理事。東北大学大学院教育学研究科博士課程単位満期退学(教育心理学専攻)。1985年より和光大学にて心理学担当の教員。教育学博士(東北大学)。トランセンド研究会会長。

福本敬子(ふくもと けいこ)
一般社団法人 日本イスラエイド・サポート・プログラム(JISP)元ヒーリングジャパン・プロジェクトディレクター兼JICTER 担当。同志社女子大学生活科学部食物化学科専攻卒業後、高校にて教鞭をとる。ナタリー・ロジャーズのパーソンセンタード表現アートセラピーをベースにした表現アートセラピーを学ぶ。2011年の東日本大震災より、心のケアを目的とした復興支援に表現アートセラピスト兼プロジェクトコーディネーターとして携わったことをきっかけに、上記業務を担当。

エイタン・オレン(Eitan Oren)
一般社団法人 日本イスラエイド・サポート・プログラム(JISP)元日本代表ディレクター。イスラエル出身。テルアビブ大学院国際安全保障課程卒業。東京大学博士課程在学中。

※データは刊行当時のものです※
目次を表示します。

はじめに
序章 トラウマケア/リカバリーの専門家養成のための国際連携プログラム開発を目指して
 1.本書の背景
  1-1 トラウマケア/PTSD予防の専門家養成の必要性とリカバリーモデルに基づくプログラムの開発
  1-2 イスラエルのアートセラピストとの連携
 2.本書の目的(ねらい)
 3.本書の構成

第1部 トラウマケアの今日的課題
第1章 日本にトラウマケアの力を育てる―東北復興支援におけるJISPの活動を通して―
  1-1 概観
  1-2 被災地のメンタルヘルス課題へのイスラエイドとJISPの対応
  1-3 日本における心理社会的支援の課題と機会
  1-4 心理社会的アプローチ
  1-5 日本国際トラウマケア/緊急支援センター(Japan International Center for Trauma-care and Emergency Relief:JICTER)の設立へ
  引用・参考文献
第2章 トラウマケアにおける表現セラピー
  2-1 表現セラピー(Expressive therapy)の歴史
  2-2 表現セラピーとは
  2-3 トラウマ/PTSDとは
  2-4 トラウマケアの現在
  2-5 トラウマの問題に対する表現セラピー
  引用・参考文献
第3章 トラウマケア/リカバリーの専門家養成プログラム
     ―包括的グループ表現セラピーの視点―
  3-1 日本国際トラウマケア/緊急支援センター[JICTER]の設立 (Japan International Center for Trauma-care and Emergency Relief)
  3-2 JICTERの専門家養成プログラム立案の必要性
  3-3 イスラエル視察
  3-4 JICTERのプログラム案:包括的グループ表現セラピーの構築に向けて
  引用・参考文献

第2部 トラウマケア/PTSD予防とグループ表現セラピーの実際
第4章 被災支援者養成のためのグループ表現セラピーの実際
  はじめに 表現療法とイスラエル
  4-1 ヒーリングジャパン・プロジェクトにおける表現セラピー
   コラム1:震災後の宮城 アートの役割
   コラム2:支援者を支援すること
  4-2 アートセラピー(1)
   コラム3:自分の復興支援
  4-3 アートセラピー(2)
   コラム4:被災地の対人支援者が触れた初めてのアートセラピー
  4-4 表現アーツセラピー
  4-5 ミュージックセラピー
   コラム5:アートのもつチカラ
  4-6 ダンスムーブメントセラピー
   コラム6:チャンネルが開く感覚
  4-7 グループセラピー

第3部 東日本大震災の「語り」に基づく苦労体験学の構築
はじめに 東日本大震災の「語り」に基づく苦労体験学の構築―心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)の視点より―
第5章 心的外傷後成長(PTG)研究におけるナラティブ・アプローチ―苦労体験学(Suffering Experience Research)に向けて―
  5-1 心的外傷後成長(PTG)とはなにか
  5-2 心理学と心理療法におけるナラティブ
  5-3 心的外傷後成長(PTG)研究におけるナラティブ・アプローチの意義
  5-4 『東北の声』の記録からの体験談
  5-5 結論および実践のための提案
第6章 テキストマイニングによる被災体験学(Disaster Experience Research)への混合研究法アプローチ―死に関する表現と心的外傷後成長(PTG)―
  6-1 問題
  6-2 目的
  6-3 結果
  6-4 考察
第7章 東北被災者における援助体験学(Helper Experience Research)―援助者セラピー原則(Helper Therapy Principle:HTP)に着目して―
  はじめに
  7-1 援助者セラピー原則(援助者療法)(Helper Therapy Principle:HTP)
  7-2 被災と援助の体験による₆分類 205
  7-3 『東北の声―Voices of Tohoku』(一般社団法人JISP)における被災者の6つのタイプ
  7-4 方法
  7-5 結果
  7-6 考察
  おわりに
   コラム7:女性達への聞き書きを通して―宮城県石巻市にて―

あとがき
謝辞
Acknowledgement
著者井上孝代 いとうたけひこ 福本敬子 エイタン・オレン 編著
発行年月日2016年09月15日
頁数244頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2142-7

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