石森延男研究序説
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序章
1 石森延男をめぐる歴史的研究の意味
2 先行研究の検討
3 本書の方法と特徴
4 構成と概要
第Ⅰ部 国定国語教科書編纂前史
第一章 国語教育者としての出発点―東京高等師範学校
第一節 東京高等師範学校への進学
1 東京高等師範学校の教育課程
2 垣内松三への師事
第二節 東京高等師範学校における課外活動
1 大塚講話会への参加と演劇への着目
2 『校友会誌』の編纂と作品の執筆
第三節 東京高等師範学校卒業後の活動
1 愛知県成章中学校における教育実践
2 香川県師範学校における教員養成
第二章 『満洲補充読本』の編纂過程
第一節 磯田一雄の石森理解
1 『満洲補充読本』の全体像と石森の役割
2 磯田の課題と本書の分析視角
第二節 石森の仕事の概要
1 『満洲補充読本』の編纂スタッフ
2 石森の編輯部赴任と仕事の全景
第三節 『満洲補充読本』の分水嶺としての一九三〇年
第三章 石森延男の思想と『満洲補充読本』の性格
第一節 初版と石森の思想
1 「教育の淵源」としての児童愛
2 中国人に対する蔑視
第二節 第一次改訂版『満洲補充読本』の特徴
1 感情・感覚に訴えかける叙情表現の重視
2 「植民思想の善導」
第三節 方法上の試行
1 教材としての口絵
2 教材のリズムと生活化
3 演劇活動への発展
4 音楽・美術方面への発展的活用
5 調べ学習による語彙の拡張
第四節 「満洲」の国語教育実践上における『満洲補充読本』の位置
第Ⅱ部 戦前・戦中の国定国語教科書編纂
第四章 第四期国定国語教科書の教材執筆者としての石森延男
第一節 石森教材の収録経緯
1 石森と「サクラ読本」の関係をめぐる課題
2 「サクラ読本」の編纂過程
3 編纂上の困難と石森への期待
第二節 石森教材の全体像と原案の所在
1 四つの石森教材
2 教材の原案―『原文対照 国語読本の教材』
第三節 石森原案の特徴
1 「大連だより」の設定と構成―「満洲」のリアリティ
2 叙情表現の重視
3 在満日本人の登場
第四節 「サクラ読本」教材としての成立過程
1 叙情表現の削除―「満洲」の地理的教材への環流
2 「満洲」の「自己同一化」
第五章 戦時体制と石森延男の文部省招聘
第一節 国民学校用教科書の編纂過程
第二節 図書監修官の陣容
1 国民学校発足前後における監修官の動態
2 「アサヒ読本」の編纂者たち
第三節 石森の招聘理由
1 合科主義教育実施に向けた綜合教科書編纂の要求
2 「東亜新秩序」理念の教材化
3 日本語拡散のための教科書の編纂
第六章 第五期国定国語教科書の石森延男の執筆教材
第一節 石森教材の全体像と傾向
第二節 軍部の要求と石森教材の軍事色
1 「国民学校教科書ニ対スル陸軍要望事項」との関係
2 「雪合戦」にみる潜在的な軍国主義
第三節 「東亜」教材と「民族ナショナリズム」
1 日本人の優越的地位と「協和」
2 「東亜」教材の性格
3 国民精神の涵養と叙情表現の復活
第四節 綴方教材の導入
第Ⅲ部 戦後教育改革期の国定国語教科書編纂
第七章 終戦直後の国語教科書政策と石森延男―「墨ぬり教科書」「暫定教科書」
第一節 敗戦処理と監修官の動態
第二節 「アサヒ読本」への「墨ぬり」と石森教材の処遇
1 「墨ぬり」の全体像
2 石森教材の「墨ぬり」状況
3 「墨ぬり」の具体相
第三節 「暫定教科書」の編纂過程における石森の仕事
1 一九四六年度用教科書の編纂過程
2 前期用にみる「墨ぬり」を免れた石森教材の行方
3 後期用における教材の刷新
第八章 第六期国定国語教科書と石森延男
第一節 編纂上の課題と石森の役割
第二節 石森教材の全体像と旧教科書との関係
1 石森教材の概要
2 「アサヒ読本」からの継承教材
3 「暫定教科書」後期用との対応関係
第三節 石森教材の特質
1 演劇教材の教育的効用への注目
2 作文教材の積極的採用
3 教材の教化性―「いいこ」の光芒と呪縛
終章
1 石森における戦前と戦後の連続と断絶―「難問」への解答
2 今後の課題
主要参考文献
あとがき
〔資料編〕石森延男著作目録
索引