平安朝の結婚制度と文学
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一 平安時代の婚姻制度
1 はじめに
2 「戸令」の規定
3 『玉葉』の記事の解釈
4 嫡妻・本妻・妾妻
5 継妻・次妻は妾ではない
6 嫡庶の差
二 一夫一妻制としての平安文学―『かげろふ日記』と『源氏物語』―
1 『かげろふ日記』―道綱母の場合
(1)道綱母の結婚 (2)町小路の女ほか (3)時姫
(4)時姫と道綱母 (5)道綱母の帰郷 (6)補遺の条々
(7)序文の意識
2 『源氏物語』と一夫一妻制
(1)光源氏の結婚 (2)紫上の結婚 (3)女三宮の役割
(4)源氏をめぐる婚姻関係の設定 (5)玉鬘の結婚
(6)夕霧の結婚
3 物語のヒロインは妾の娘―結びにかえて
三 若菜巻以降の紫上の妻としての立場
1 はじめに
2 紫上は妾である
3 紫上への服喪
4 出家と婚姻
(1)出家と離婚 (2)女三宮の出家は婚姻の解消
(3)紫上の受戒は婚姻関係に影響していない
5 紫上の呼称と妻妾としての扱いとの関連
(1)「紫のゆかり」から「対の上」へ
(2)「対の上」と「春の上」「紫の上」―社会的呼称と物語的呼称
6 結び
四 『うつほ物語』の結婚に関する描写
1 はじめに
2 藤原兼雅の妻妾
(1)兼雅の妻妾と俊蔭の娘 (2)一条殿の妻妾たちのその後
(3)俊蔭の娘と女三宮と梅壺更衣 (4)あて宮への求婚
(5)兼雅の婚姻
3 源正額の二人の北の方
4 あて宮をめぐる求婚者たち
(1)求婚譚という形式 (2)求婚者
5 物語と現実
五 後期物語における結婚―『狭衣物語』と『夜の寝覚』―
1 はじめに
2 『狭衣物語』の結婚
(1)堀川関白の妻たち (2)狭衣の結婚 (3)まとめ
3 『夜の寝覚』の結婚
(1)太政大臣の妻たち (2)権中納言の結婚 (3)まとめ
六 近年の婚姻研究―文学研究の立場からの紹介と批評―
1 はじめに
2 一夫多妻制という用語について
3 嫡妻
(1)妻と妾との区別 (2)妻と妾の呼び方
(3)嫡妻は妾におちない
4 「床きり」「床離れ」という制度はない
5 平安朝文学研究における最近の状況
あとがき