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平安朝の結婚制度と文学

定価: 1,650 (本体 1,500 円+税)

平安時代の結婚制度は一夫一妻制であることを史料により論証し、その立場から蜻蛉日記・源氏物語をはじめ宇津保・狭衣・寝覚等、平安朝文学の新しい読解を提示。

【著者略歴】
工藤重矩(くどう しげのり)
昭和21年、大分県生れ。
昭和44年九州大学文学部卒業。49年九州大学大学院博士課程単位取得。九州大学文学部助手を経て50年福岡教育大学講師。63年福岡教育大学教授。

【主な著書】
『源兼澄集全釈』(共著 平成3年 風間書房)
『平安朝和歌漢詩文新考 継承と批判』(平成12年 風間書房)
目次を表示します。
一 平安時代の婚姻制度
  1 はじめに
  2 「戸令」の規定
  3 『玉葉』の記事の解釈
  4 嫡妻・本妻・妾妻
  5 継妻・次妻は妾ではない
  6 嫡庶の差
二 一夫一妻制としての平安文学―『かげろふ日記』と『源氏物語』―
  1 『かげろふ日記』―道綱母の場合
   (1)道綱母の結婚 (2)町小路の女ほか (3)時姫 
(4)時姫と道綱母 (5)道綱母の帰郷 (6)補遺の条々 
(7)序文の意識
  2 『源氏物語』と一夫一妻制
   (1)光源氏の結婚 (2)紫上の結婚 (3)女三宮の役割
   (4)源氏をめぐる婚姻関係の設定 (5)玉鬘の結婚 
(6)夕霧の結婚
  3 物語のヒロインは妾の娘―結びにかえて
三 若菜巻以降の紫上の妻としての立場
  1 はじめに 
  2 紫上は妾である
  3 紫上への服喪
  4 出家と婚姻
   (1)出家と離婚 (2)女三宮の出家は婚姻の解消
   (3)紫上の受戒は婚姻関係に影響していない
  5 紫上の呼称と妻妾としての扱いとの関連
   (1)「紫のゆかり」から「対の上」へ
   (2)「対の上」と「春の上」「紫の上」―社会的呼称と物語的呼称
  6 結び 
四 『うつほ物語』の結婚に関する描写
  1 はじめに 
  2 藤原兼雅の妻妾
   (1)兼雅の妻妾と俊蔭の娘 (2)一条殿の妻妾たちのその後
   (3)俊蔭の娘と女三宮と梅壺更衣 (4)あて宮への求婚 
(5)兼雅の婚姻
  3 源正額の二人の北の方
  4 あて宮をめぐる求婚者たち
   (1)求婚譚という形式 (2)求婚者
  5 物語と現実
五 後期物語における結婚―『狭衣物語』と『夜の寝覚』―
  1 はじめに 
  2 『狭衣物語』の結婚
   (1)堀川関白の妻たち (2)狭衣の結婚 (3)まとめ
  3 『夜の寝覚』の結婚
   (1)太政大臣の妻たち (2)権中納言の結婚 (3)まとめ
六 近年の婚姻研究―文学研究の立場からの紹介と批評―
  1 はじめに 
  2 一夫多妻制という用語について
  3 嫡妻            
   (1)妻と妾との区別 (2)妻と妾の呼び方 
(3)嫡妻は妾におちない
  4 「床きり」「床離れ」という制度はない
  5 平安朝文学研究における最近の状況
あとがき
著者工藤重矩 著
発行年月日1994年02月28日
頁数226頁
判型 B6
ISBNコード978-4-7599-0890-9

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