平安朝和歌漢詩文新考 継承と批判
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Ⅰ 和歌解釈の方法
第一章 在原業平「月やあらぬ」 の解釈
一 間題の所在 二 議論の前提 三 反語説の論拠
四 疑問説の証明 五 結論
第二章 古今和歌集一四八「唐紅のふりいでてぞ鳴く」の解釈
一 従来の解釈 二 解釈の確定のために 三 一四八番歌の歌意
四 方法として
第三章 ほととぎすの季節と鳴声の和漢比較
―古今和歌集一四八の解釈補考―
一 杜鵑啼血 二 平安時代初期のほととぎすの詩
三 和歌のほととぎす 四 ほととぎすの鳴く季節
五 ほととぎすと花 六 声の色 七 「唐紅の」について
八 解釈の視点
第四章 古今和歌集四六九「ほととぎす鳴くや五月の」の解釈
一 これまでの解釈の問題点 二 ほととぎす・五月・あやめ草
三 ほととぎす・五月・あやめ草と恋
四 いにしへの人の心になりて
第五章 古今和歌集の「おはかたは」の解釈
一 おほかたの基本語義 二 歌意の検討
三 おはかたの語義における肝要のこと 四 場と表現
第六章 大和物語初段の解釈
一 亭子の帝の歌 二 伊勢の歌 三 初段の主題 四 異伝
第七章 紫式部集一・二番歌について
―解釈、伝記、説の継承―
一 一ニ番歌解釈の問題点 二 「その人達き所へいくなりけり」
をめぐる解釈の流れ 三 岩波新書『紫式部』以後
四 「ほのかにて」の解釈―語義に先行する状況想定―
五 再び「その人遠き所へいくなりけり」―左注の役割―
六 「十月十日」は改変しないでよい―時間は逆転していない―
七 本文改変を避ける試みと混迷の増幅
第八章 紫式部集四・二八番歌の解釈
―伝記資料として読む前に―
一 四・五番(朝顔の花をめぐる贈答歌)について
二 二八番「春なれど」について /三 紫式部集注釈のために
Ⅱ 平安朝和歌史点景
第一章 べらなりの和歌
―古今後撰集時代の場と表現―
一 べらなりの問題点 二 べらなりの場 三 贈答歌のべらなり
四 和歌史とべらなり 五 場と表現の型
第二章 後撰和歌集の撰集
―奉行文・禁制文、梨壺、撰者をめぐる諸問題―
一 撰集開始の日―源順「奉行文」をめぐって―
二 源順「禁制文」をめぐって 三 撰集場所としての梨壺
四 撰者をめぐる問題
第三章 後撰和歌集の性格
―和歌における褻と晴―
一 褻・晴以前 二 褻・晴の和歌史 三 「け」「はれ」という語
四 歌合における褻・晴 五 晴の歌・褻の語 六 後撰和歌集は泰
の歌集という説 七 時の歌とは何か -勅撰集と屏風歌-
第四章 詞花和歌集の成立と同時代の反応
―金葉和歌集奏覧本と後葉和歌集をめぐって―
一 詞花和歌集の時代背景 二 成立 三 人集歌人 四 同時代の
反応 五 金葉和歌集奏覧本は詞花和歌集の撰歌資料ではない
Ⅲ 平安朝漢詩文の和漢比較
第一章 平安朝漢詩文における縁語掛詞的表現
一 平安朝漢詩文の縁語的表現 二 縁語的表現の史的展開
三 唐詩の縁語的表現 四 漢詩の掛詞的表現 五 和歌の縁語掛詞
と漢詩 六 和歌から日本漢詩への影響
第二章 平安朝における官職唐名の文学的側面
一 唐名の修辞法(1)―吏部と李部― 二 唐名の修辞法(2)
三 正式呼称と唐名 四 唐名の使用される文脈 五 和文のなかの
唐名 六 詩語として
第三章 三月三日の柳
―枕草子六投の翁丸はなぜ柳のかづらをしたか―
一 問題の発端―翁丸はなぜ三月三日に柳かづらをしたか―
二 寒食・清明の柳 三 三月三日の柳 四 桃と柳の対句
五 柳のかづら 六 むすび― 平安朝の柳の鬘
第四章 七夕の鶴橋
―鵲は如何にして橋を架けたか―
一 鵲の橋 二 漢詩の例 三 ふたたび平安朝の漢詩
四 和歌における鵲の席のかたち 五 七夕と長恨歌と長恨歌題和歌
と鵲橋 六 おわりに―鵲の橋はいつかけられたか―
研究者名索引
あとがき