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社会科教師のための「言語力」研究

社会科授業の充実・発展をめざして

定価: 1,980 (本体 1,800 円+税)

教科書読解力、発問構築力、キーワード分析力等の究明を通して、社会科授業改善のための「言語力研究」の成果を示す。
【2013年1月初版発行】

【著者略歴】
片上宗二(かたかみ そうじ)
1943年 旧満州大連市に生まれる。
広島大学教育学部・広島大学大学院教育学研究科を経て、茨城大学教育学部助手、講師、助教授を務める。1990年より、広島大学教育学部助教授、同大学院教育学研究科教授。
2006年 広島大学名誉教授。
現在、安田女子大学心理学部長・教育学博士。
目次を表示します。
まえがき
Ⅰ 社会科固有の「言葉(用語や文章)の問題」自覚力
 1 社会科の授業で使われる言葉(用語)の特質
 (1)種類と量の多さ
 (2)「いいかえ用語」の問題
 (3)「間違いやすい・紛らわしい用語」の多さ
 (4)「あいまい用語」が生じる理由
 (5)抽象度の高い用語の使用
 (6)「価値的言葉」の問題
 2 社会的意味理解のためのレトリック等の問題
 3 求められる社会科授業での言葉(用語や文章)の自覚的使用
Ⅱ 社会科の学習対象である「社会的事物や事象等」の理解力
 1 社会的事象理解の三つのベクトル
 (1)三つのベクトル
 (2)社会的事象をより詳しく
 (3)理論に包摂させる
 (4)直接経験に結びつける
 2 社会的事象のもつ固有性に即した別の理解の仕方
 (1)社会的事物理解の諸方法
   ①「内包と外延」のセットによる理解の方法
   ②構造把握という理解の方法
   ③概念ネットワークによる理解の方法
   ④本質把握という形での理解の方法
   ⑤社会科的意味理解の方法
   ⑥言葉の表現的側面と内容的側面との往復による理解の方法
 (2)社会的機関理解の諸方法
   ①社会的事物を理解する方法の適用
   ②社会的機関把握の枠組み
 (3)社会的問題理解の諸方法
   ①絶対的な社会的問題の場合
   ②論争的な社会的問題の場合
 (4)思想や理論理解の諸方法
   ①「問い―答え」方式の多元的活用
   ②憲法を考える
 (5)社会的事象理解の諸方法
   ①対比的な理解の方法
   ②本質的把握の方法
   ③「内的条件と外的条件」のセットによる理解の方法
   ④概括整理型の理解の方法
 3 二つの理解の仕方を組み合わせて使いこなす
 4 「理解」と「見立て」の間
 (1)子どもの社会的事象理解の能力
 (2)“見立て”の積極的活用
 (3)社会をメロンに見立てての「社会ってなんだろう」の実践事例
Ⅲ 社会科授業に独自な「キーワード」分析力
 1 キーワードとして使われる「日常語」
 2 キーワードとしての日常語の分析の仕方
 (1)「工夫(や努力)」の場合
   ①「目的―手段―成果」という視点からの分析
   ②成果の数値化という視点からの分析
   ③「原因―結果」という視点からの分析
 (2)「さかん(盛ん)」の場合
   ①言葉の表現面と内容面の往復
   ②5点での往復
 3 中学校社会科のキーワードとして多用される「特色」の分析の仕方
 (1)中学校社会科で急増するキーワードとしての「特色」
 (2)特色とは何か
   ①「事象重視型」特色
   ②「解釈重視型」特色
 (3)なぜ中学校社会科で「特色」がキーワードになるのか
   ①「ようす(様子)」から「特色」へ
   ②事象の「概観」から事象の「選択や位置づけ」へ
   ③学習対象としての「全体性」
 4 「特色」指導の工夫点
Ⅳ 社会科の「教科書内容」読解力
 1 社会科の「教科書内容」の特質
 (1)社会科と国語科の「教科書内容」の違い
 (2)高等学校の日本史教科書の内容
 2 教科書内容の読み取り方
 (1)目的型と手段型
 (2)価値判断による選択された教科書内容
 (3)「手段型で結果重視型」教科書の読み取り方
   ①どのような知識が書かれているか
   ②どのような知識は書かれていないか
   ③「手段型で結果重視型」教科書の活用方法
 (4)「手段型で経過重視型」教科書の読み取り方
   ①どのような追究方法書かれているか
   ②追究の質を高める
 (5)「手段型で事例地重視型」教科書の場合
Ⅴ 社会科授業の求められる「発問」構造力
 1 発問研究の課題
 (1)発問とは何か
 (2)問いと発問の関係
 (3)授業の組み立ての構造が明確になる発問研究
 (4)子どもからの発問づくり・授業づくり
 2 社会科における中核発問の構造の仕方
 (1)社会科における中核発問をめぐる諸問題
   ①中核発問の二類型
   ②歴史学習における発問タイプの日米比較と心理学の知見
   ③「なぜ型発問」の是非―「なぜ型」と「どのように型」どちらが望ましいか
 (2)社会科における中核発問の構造の仕方
   ①「なぜ型発問」論と「どのように型発問」論の問題点
   ②社会科における中核発問構造の技術
Ⅵ 社会科授業にふさわしい「コミュニケーション」発展力
 1 “つながり言葉”の有効活用力
 (1)授業全体の活性化
 (2)個のレベルでのコミュニケーション構築力
 2 黒板の子どもへの開放力
 3 社会科用“発言スキル”活用力と“論点表”作成力
 (1)社会科用“発言スキル”活用力
 (2)“論点表”作成力
 4 “少数意見への梃入れ”や“はみ出し発言の取り上げ”による議論の深化力
 5 “ゆさぶり”手法の活用力
 (1)発問でゆさぶる
   ①見えども見えず
   ②意外性
   ③思考体制との矛盾
 (2)教材でゆさぶる,その1…さまざまな教材化
 (3)教材でゆさぶる,その2…伊藤充氏の事例

あとがき
著者片上宗二 著
発行年月日2014年02月28日
頁数128頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1962-2

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