社会科教師のための「言語力」研究
社会科授業の充実・発展をめざして
定価:
1,980
円(本体
1,800
円+税)
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まえがき
Ⅰ 社会科固有の「言葉(用語や文章)の問題」自覚力
1 社会科の授業で使われる言葉(用語)の特質
(1)種類と量の多さ
(2)「いいかえ用語」の問題
(3)「間違いやすい・紛らわしい用語」の多さ
(4)「あいまい用語」が生じる理由
(5)抽象度の高い用語の使用
(6)「価値的言葉」の問題
2 社会的意味理解のためのレトリック等の問題
3 求められる社会科授業での言葉(用語や文章)の自覚的使用
Ⅱ 社会科の学習対象である「社会的事物や事象等」の理解力
1 社会的事象理解の三つのベクトル
(1)三つのベクトル
(2)社会的事象をより詳しく
(3)理論に包摂させる
(4)直接経験に結びつける
2 社会的事象のもつ固有性に即した別の理解の仕方
(1)社会的事物理解の諸方法
①「内包と外延」のセットによる理解の方法
②構造把握という理解の方法
③概念ネットワークによる理解の方法
④本質把握という形での理解の方法
⑤社会科的意味理解の方法
⑥言葉の表現的側面と内容的側面との往復による理解の方法
(2)社会的機関理解の諸方法
①社会的事物を理解する方法の適用
②社会的機関把握の枠組み
(3)社会的問題理解の諸方法
①絶対的な社会的問題の場合
②論争的な社会的問題の場合
(4)思想や理論理解の諸方法
①「問い―答え」方式の多元的活用
②憲法を考える
(5)社会的事象理解の諸方法
①対比的な理解の方法
②本質的把握の方法
③「内的条件と外的条件」のセットによる理解の方法
④概括整理型の理解の方法
3 二つの理解の仕方を組み合わせて使いこなす
4 「理解」と「見立て」の間
(1)子どもの社会的事象理解の能力
(2)“見立て”の積極的活用
(3)社会をメロンに見立てての「社会ってなんだろう」の実践事例
Ⅲ 社会科授業に独自な「キーワード」分析力
1 キーワードとして使われる「日常語」
2 キーワードとしての日常語の分析の仕方
(1)「工夫(や努力)」の場合
①「目的―手段―成果」という視点からの分析
②成果の数値化という視点からの分析
③「原因―結果」という視点からの分析
(2)「さかん(盛ん)」の場合
①言葉の表現面と内容面の往復
②5点での往復
3 中学校社会科のキーワードとして多用される「特色」の分析の仕方
(1)中学校社会科で急増するキーワードとしての「特色」
(2)特色とは何か
①「事象重視型」特色
②「解釈重視型」特色
(3)なぜ中学校社会科で「特色」がキーワードになるのか
①「ようす(様子)」から「特色」へ
②事象の「概観」から事象の「選択や位置づけ」へ
③学習対象としての「全体性」
4 「特色」指導の工夫点
Ⅳ 社会科の「教科書内容」読解力
1 社会科の「教科書内容」の特質
(1)社会科と国語科の「教科書内容」の違い
(2)高等学校の日本史教科書の内容
2 教科書内容の読み取り方
(1)目的型と手段型
(2)価値判断による選択された教科書内容
(3)「手段型で結果重視型」教科書の読み取り方
①どのような知識が書かれているか
②どのような知識は書かれていないか
③「手段型で結果重視型」教科書の活用方法
(4)「手段型で経過重視型」教科書の読み取り方
①どのような追究方法書かれているか
②追究の質を高める
(5)「手段型で事例地重視型」教科書の場合
Ⅴ 社会科授業の求められる「発問」構造力
1 発問研究の課題
(1)発問とは何か
(2)問いと発問の関係
(3)授業の組み立ての構造が明確になる発問研究
(4)子どもからの発問づくり・授業づくり
2 社会科における中核発問の構造の仕方
(1)社会科における中核発問をめぐる諸問題
①中核発問の二類型
②歴史学習における発問タイプの日米比較と心理学の知見
③「なぜ型発問」の是非―「なぜ型」と「どのように型」どちらが望ましいか
(2)社会科における中核発問の構造の仕方
①「なぜ型発問」論と「どのように型発問」論の問題点
②社会科における中核発問構造の技術
Ⅵ 社会科授業にふさわしい「コミュニケーション」発展力
1 “つながり言葉”の有効活用力
(1)授業全体の活性化
(2)個のレベルでのコミュニケーション構築力
2 黒板の子どもへの開放力
3 社会科用“発言スキル”活用力と“論点表”作成力
(1)社会科用“発言スキル”活用力
(2)“論点表”作成力
4 “少数意見への梃入れ”や“はみ出し発言の取り上げ”による議論の深化力
5 “ゆさぶり”手法の活用力
(1)発問でゆさぶる
①見えども見えず
②意外性
③思考体制との矛盾
(2)教材でゆさぶる,その1…さまざまな教材化
(3)教材でゆさぶる,その2…伊藤充氏の事例
あとがき