現代自然体験学習の成立と発展
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序章
1.本書の目的
2.持続不可能性としての現代的諸課題
3.環境教育実践の3つの源流
4.環境教育実践における自然体験学習の位置と本書の構成
第1章 自然体験学習実践における青少年教育の現状と課題
―自然学校の成立と発展に着目して―
はじめに
1-1.自然学校の特徴
1-2.自然学校を成立させた社会的背景
1-2-1.青少年の状況の変化に対応する自然体験学習の流れ
1-2-2.環境教育に対応する自然体験学習の流れ
1-2-3.専門家集団としての自然学校の成立の背景
1-3.自然学校の課題意識と活動内容
1-3-1.基礎的課題意識と力量形成の方向
1-3-2.自然学校の活動内容
1-3-3.自然学校ネットワークによる協同化戦略
1-4.自然学校の現状にみる自然体験学習の今日的課題
1-4-1.公共性と当事者意識をめぐる課題
1-4-2.地域教育実践における課題
1-4-3.学習内容・方法論としての課題
第2章 市民運動としての自然体験学習の成立と発展
―ネイチャーゲーム事例研究―
はじめに―ネイチャーゲームの概略と本章の課題―
1.ネイチャーゲームの概略
2.ネイチャーゲームに関する既往研究の整理
3.本章の課題
2-1.ネイチャーゲームの思想的起源
2-1-1.ジョセフ・コーネルの思想と実践
(1)ジョセフ・コーネルの生い立ち
(2)シェアリングネイチャーの理念
(3)ネイチャーゲームのアクティビティとフローラーニング
(4)生命(自然)中心主義からみたネイチャーゲームのアクティビティ
2-1-2.日本ナチュラリスト協会の思想と実践
(1)日本ナチュラリスト協会の成立
(2)日本ナチュラリスト協会の自然保護教育実践
(3)ネイチャーゲーム導入をめぐる日本ナチュラリスト協会の会員意識の変容
2-1-3.コーネルと日本ナチュラリスト協会の出会い
(1)原書の翻訳と出版
(2)ジョセフ・コーネルの初来日ワークショップ
(3)コーネルの初来日シンポジウム
2-2.ネイチャーゲームの歴史的展開過程
2-2-1.第1期「導入期」
(1)原書の翻訳と初期の実践
(2)「ネイチャーゲーム」という名称に関する議論
(3)コーネルの初来日に向けて
2-2-2.第2期「模索期」
(1)シェアリングネイチャーゲームグループとナチュラリスト環境教育センター
(2)ネイチャーゲーム研究所の設立へ
2-2-3.第3期「指導者養成期」
(1)初のネイチャーゲーム指導員養成講座
(2)指導員ハンドブックの作成と頒布
(3)活動プログラムの絞り込みとマニュアルによる標準化
(4)段階的指導者登録制度の採用
(5)ネイチャーゲーム実践の場づくりの必要性
2-2-4.第4期「普及組織養成期」
(1)日本ネイチャーゲーム協会の設立
(2)公益法人の設立をめざして
(3)阪神淡路大震災と日本海重油流出事故義援活動
2-2-5.第5期「法人活動充実期」
(1)法人設立許可証の受け取り
(2)「ネイチャーな生き方」の議論と次の時代への萌芽
2-2-6.第6期「持続型地域社会創造推進期」
2-3.ネイチャーゲーム実践の構造と変容
2-3-1.定型教育におけるネイチャーゲーム実践
(1)学校教育におけるネイチャーゲーム実践
(2)成人定型教育としてのネイチャーゲーム指導員養成制度
2-3-2.不定型教育としてのネイチャーゲーム実践
(1)地域ネイチャーゲームの会による不定型教育実践
―全国一斉・自然とふれあうネイチャーゲーム大会―
(2)都道府県ネイチャーゲーム協会による不定型教育実践
―ネイチャーゲーム指導員ステップアップセミナー―
(3)日本ネイチャーゲーム協会による不定型教育実践
―戸隠高原自然学校―
2-3-3.非定型教育としてのネイチャーゲーム実践
(1)地域ネイチャーゲームの会による非定型教育実践
(2)都道府県ネイチャーゲーム協会による非定型教育実践
2-3-4.各教育実践間をつなぐ相互関係と実践形態の変容
2-4.環境教育実践としてのネイチャーゲームの評価
2-4-1.ネイチャーゲームがもとづくべき自然観
(1)ネイチャーゲームにおける「自然」の認識
(2)「山の自然保護」と「海の自然保護」をめぐって
(3)マイナーサブシステンスとしてのネイチャーゲーム
(4)環境倫理思想関係性におけるネイチャーゲームの役割
2-4-2.ネイチャーゲームの運動と事業
(1)環境保護運動とネイチャーゲーム
(2)自己決定とマニュアル化の問題点
2-4-3.地域づくり教育としてのネイチャーゲーム実践の可能性と課題
(1)意識化の学習としてのネイチャーゲーム実践
(2)自己意識化の学習としてのネイチャーゲーム実践
(3)『現代の理性』形成の学習としてのネイチャーゲーム実践
(4)『自己教育主体の形成』の学習としてのネイチャーゲーム
第3章 補論:自然体験学習過程論の研究
―SLE(Significant Life Experiences)研究に着目して―
はじめに
3-1.SLEの底流としての米国の環境教育研究史
3-1-1.米国における環境教育研究の成立
3-1-2.「環境教育カリキュラムの開発目標」の構築
3-1-3.「環境に責任ある態度」の要因を探る研究
3-1-4.「環境に責任ある市民の態度モデル」の提示
3-2.SLE研究の歴史的展開過程
3-2-1.SLE研究初期―ターナーとピーターソンのSLE研究―
(1)ターナーによる初のSLE研究
(2)環境への感性を探ったピーターソンの研究
3-2-2.SLE研究第二期―パルマ―とチャウラのSLE研究―
(1)英国の環境教育学会会員を対象に行なわれたパルマ―の調査
(2)様々な環境分野での活動家を対象にしたチャウラのSLE調査
3-2-3.SLE研究第三期―ゴウらによるSLEへの疑問とチャウラからの回答―
3-2-4.SLEをめぐる既往研究の成果と課題
(1)「環境に責任ある態度」が生み出す「行動」について
(2)「環境への感性」について
(3)調査方法をめぐる議論
(4)記憶の信頼性について
3-3.日本におけるSLE調査の課題と可能性
3-3-1.調査・分析の対象者と方法
(1)調査の枠組み
(2)調査の対象
(3)調査の方法
3-3-2.「環境的行動」と「重要な体験」の検討過程
(1)ワークショップ調査結果による検討
(2)インタビュー調査による検討
3-3-3.調査結果の総括
総括
初出一覧
謝辞